2013年09月03日

山本太郎氏の変節?−脱原発は非現実的、1ミリ避難ではなく、5ミリの避難を優先させよ−

 先の参議院選挙で、唯一ともいってよい見所を作ったのは東京選挙区でしょう。閑古鳥が鳴いていた丸川珠代
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が、百万票を超える票を集めてトップ当選し、久しぶりに共産党が選挙区で議席をとり、豪華すぎる応援団
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を擁した民主党の鈴木寛が落選。そして、なによりも脱原発を主張していた山本太郎が当選。

【参院選】山本太郎氏当確 市民が国会に送り出したの記事を読みますと、
・脱原発
が当選の一番の理由で、それ以外にも
・TPP
・非正規労働問題

などがあるというまとめになっています。
 彼を国会議員にしたのは、今すぐに現実的な施策を行って欲しい(そんなのは与党議員の重鎮にでもならない限りは不可能)わけではなく、たった一人でもいいから、ドンキホーテのように脱原発を国会議員−政治家−としての立場から、主張して欲しいというお母さんをはじめとする人たちの願いだったはずです。それが、現実的であるかどうかは後世の歴史がきめることなのです。私はそう思っていました。

 たまたま、IWJの動画を見ましたところ、(埋め込みができない設定になっています)

130819 岩上安身による参議院議員 山本太郎氏インタビュー

・原発企業の力がものすごく強く、脱原発は−政治的には−現実的ではない
・私は脱被曝を緊急の自分に課せられた使命として行っていきたい
・脱原発は、みんながうねりにならないと無理。(その活動をしたい)

とかなり、違和感のある主張をしています。参議院議員になって1ヶ月足らずの人間が、どうして脱原発は現実的ではないと言い切れるのか。医者になったばかりの研修医が重症の患者をみて、「もうこの患者は助からない。」と決めてかかっているような感じを受けてしまいました。長年、野党をやっている共産党でさえも、脱原発の旗を降ろす気配はもちろんありませんが、なぜたった半月ほどの新米参議院議員が、すでに自分の手足を縛ってしまうような発言をしているのでしょうか。(しかも、政治の経験などほとんどないにもかかわらず)

山本太郎にがっかりした皆さんのお言葉にもまとめられていますが、板橋区議会議員の方の次の発言とあの10倍希釈のペテンキクマコ大学教授
と発言しています。この人物に「脱原発」の国会議員が1ヶ月もたたないうちにこのように言われるとは・・・情けない話です。さらに、
ますます、??となったところで、次の動画を教えてもらいました。


この動画も見ましたが、
・脱原発は政治的には非現実的
・1ミリ被曝で線を引くのは時間がかかりすぎるので、とりあえず5ミリで行こうと決めただけ。1ミリであるのは変わりはない
・脱原発は国民運動にしなければならない、それを私はやる

との主張に変わりはありません。あたかも官僚のように現実的なことを言い出して、話が進むと思っているのでしょうか。5ミリまで撤退すれば、次は20ミリの厳守(実際、20ミリ以上のところに人が住んでいるわけですから)に後退してしまうのは時間の問題です。しかも、このミリシーベルトは単なる外部被曝の線量ですから、内部被曝のことははいっていません(実行換算係数などは、まやかしもいいところです)。つまり、今の自民党政権とほとんど変わらない主張になってしまっているのです。河野太郎だって、自民党の中では脱原発を訴えているのに、野党でしかもほとんどしがらみがなく当選した国会議員が1ヶ月もたたないうちに「脱原発」の看板を政治的に下ろしてしまうのは、あり得ない話です。

 このようにツイッターで書いておりましたら、山本太郎氏をもう少し見極めましょうという言葉が飛んできました。それは、代表制民主主義ではなく、白紙委任です。私は残念ながら東京の有権者ではありませんので、選挙事務所にまでは電話しませんが、私なりの意見をこのような場で表明することが、議員に対してしっかりとものを言って、考えを改めてもらうきっかけになればと、ブログにしました。意見がおかしいと思ったら、きちんとその選挙事務所に意見を伝える。それこそが、今の日本に求められている民主主義でしょう。山本太郎もまだ政治家になったばかり。あの支持者の熱気を失わないためにも、再度慎重に自分の立ち位置を決めるよう、強く希望します。

 そもそも、山本太郎が国会議員になるなんて、半年前には「非現実」「荒唐無稽」な夢物語だったわけなのですから。

(追加)

風知草:小泉純一郎の「原発ゼロ」=山田孝男
毎日新聞 2013年08月26日 東京朝刊
 脱原発、行って納得、見て確信−−。今月中旬、脱原発のドイツと原発推進のフィンランドを視察した小泉純一郎元首相(71)の感想はそれに尽きる。
 三菱重工業、東芝、日立製作所の原発担当幹部とゼネコン幹部、計5人が同行した。道中、ある社の幹部が小泉にささやいた。「あなたは影響力がある。考えを変えて我々の味方になってくれませんか」

 小泉が答えた。
 「オレの今までの人生経験から言うとね、重要な問題ってのは、10人いて3人が賛成すれば、2人は反対で、後の5人は『どっちでもいい』というようなケースが多いんだよ」
 「いま、オレが現役に戻って、態度未定の国会議員を説得するとしてね、『原発は必要』という線でまとめる自信はない。今回いろいろ見て、『原発ゼロ』という方向なら説得できると思ったな。ますますその自信が深まったよ」

(中略)
帰国した小泉に感想を聞く機会があった。
 −−どう見ました?
 「10万年だよ。300年後に考える(見直す)っていうんだけど、みんな死んでるよ。日本の場合、そもそも捨て場所がない。原発ゼロしかないよ」
 −−今すぐゼロは暴論という声が優勢ですが。
 「逆だよ、逆。今ゼロという方針を打ち出さないと将来ゼロにするのは難しいんだよ。野党はみんな原発ゼロに賛成だ。総理が決断すりゃできる。あとは知恵者が知恵を出す」
 「戦はシンガリ(退却軍の最後尾で敵の追撃を防ぐ部隊)がいちばん難しいんだよ。撤退が」


 「昭和の戦争だって、満州(中国東北部)から撤退すればいいのに、できなかった。『原発を失ったら経済成長できない』と経済界は言うけど、そんなことないね。昔も『満州は日本の生命線』と言ったけど、満州を失ったって日本は発展したじゃないか」

 「必要は発明の母って言うだろ? 敗戦、石油ショック、東日本大震災。ピンチはチャンス。自然を資源にする循環型社会を、日本がつくりゃいい」

 もとより脱原発の私は小気味よく聞いた。原発護持派は、小泉節といえども受け入れまい。5割の態度未定者にこそ知っていただきたいと思う。(敬称略)(毎週月曜日に掲載)


 自民党の重鎮よりも、「現実的」な山本太郎。おかしな話です。少なくとも、小泉に直接話を聞いて、自分の考えをまとめたらどうでしょうか。

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posted by いんちょう at 21:51| Comment(34) | 原子力