2013年09月23日

放射能安全デマのエッセンス−実効線量係数−

 原発事故から2年がたち、健康被害が徐々に忍び寄ってきているにもかかわらず、未だに放射能は安全だと言い続ける権威者と、その尻馬に乗っている人たち。チェルノブイリ原発事故後のこのグラフ
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出典:チェルノブイリ原発事故がもたらしたこれだけの人体被害: 科学的データは何を示している合同出版 p.85

を見たことがないのでしょうか。4年後まではそれほど目立った変化はないのかもしれませんが、5年後以降になれば、もう誰にも隠せない被害が出ることは、このグラフが雄弁にものがたっています。フクシマはチェルノブイリよりも放出量は多いのは、まず確実ですから、私としてはこのグラフがさらに左に1年シフトした形で表出化するであろうと考えています。

 わかりきった未来をごまかすために、放射能は安全という証明を一生懸命していますが、そんなウソを作るには入念にストーリーを練らなければなりませんので、言うことはワンパターン化しています。まず、入り口で騙して、そのあと壮大なエセ科学の世界に引きずり込みます。

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なかなか良くできた1ページです。このようなプロパガンダの場合、まず最初に本当のことを言ってあとでウソのことを混ぜる。詐欺師のよくやる手段ですし、また洗脳の手段でもあります。

問1 長期被ばくと短期被ばくで違うの?
答1 放射線被曝の合計がおなじなら、長期間で受けた方が、影響は小さい

 これは本当と言っていいでしょう。たとえば、放射線治療で30グレイ(約30シーベルト)を食道に照射する際には、1度に照射するのではなく、たとえば1グレイ(1シーベルト)づつ30回に分けて照射します。細切れに照射することで、一応は壊死することなく治療終了します。しかしながら、長期的な予後となると私自身はかなり疑問を持っています。最終的にはケロイド状になったり(内部が)します。しかし、長期の体被曝線量が安全といえるのかといえば、それは違います。未だに国は莫大なカネをかけて、被曝労働者の健康追跡調査をやっています。(それも、20ミリシーベルト以下の)私自身も、住民票も死亡診断書も合法的に調査する標本になっていました。

問2 自然放射線と人工放射線で違うの?
答2 放射線被曝の合計の量がおなじなら、自然放射線も人工放射線も影響はおなじ

 これは、なかなかうまいですね。外部被曝であるかぎりは、セシウム線源で被曝しようが、カリウム線源で被曝しようがおなじだと言っていいかもしれません。コバルトだろうが、ストロンチウムだろうが全部おなじです。ところが、内部被曝になるとこれは全く異なります。たとえば、よう素を考えてみるとわかります。外部にあれば、全身にくまなく照射されますが、内部に取り込んでしまえば甲状腺に集積してしまいます。内部被曝、外部被曝の概念については、市川定夫先生の講義が大変わかりやすい


これを見れば、上記のおかしさなど、すぐに指摘できるようになるでしょう。

問3 外部被曝と内部被曝で違うの
答3 放射線被曝の合計の量がおなじなら、外部被曝も内部被曝も影響はおなじ

これは、ICRPの作り出した詐欺の根幹「実効線量係数」を指しています。
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こちらでわかりにくい考察を書いていますが、ようは全く影響がわかっていない放射能の内部被曝(どこにも評価したまともな報告などありません。−何しろ、あの権威のABCC-放影研にすら根拠がないのです)を数式を使ってひねりだしたものにほかならないからです。科学的な鎧はかぶって入るものの根拠が全くない代物。この実効線量係数で評価すれば、もちろん奴らの作り出した放射能安全説を証明することに(当然ながら)できるのです。

放射能安全説を説明するには、これら3つ
・少ない放射線量は安全
・人工も天然も放射線はおなじ
・内部被曝も外部被曝もおなじ

を手を変え、品を変え言っているに過ぎません。このような説明を受けたら、あああの実効線量係数の話か。じゃあ、この根拠を教えてもらおうと思えばいいのです。彼らは、きっと「ICRPの認めた科学的な手法です」としか言えないでしょう。何しろ、説明している本人自身も理解していないのは明らかなのですから。未だにこのような低レベルの説明が横行している(まあ、これ以外にはないのですが)とは、さすが「科学技術」立国ニッポンです。

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posted by いんちょう at 22:01| Comment(7) | 原子力