2013年09月24日

放射能安全ブログの書き方−「聖書」の記述を見破れ

 ちょっと名の知れた人物だと、放射能を安全、安全と書くごとに原稿料はうなぎ登りとなり、メディアの露出も増えてきます。ただし、残念なことに科学的素養はありませんから、根拠のはっきりしない通説をさも「科学的」事実のようにさらりと書いて、そのあとに自分の罵詈雑言を連ねます。

有名どころで池田信夫
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(いけだ のぶお、1953年〈昭和28年〉10月23日[1] ‐ )は、日本の経済学者[2][3]、経済評論家[4][5]、ブロガー。日本放送協会(NHK)職員を経た後、現在SBI大学院大学客員教授、青山学院大学非常勤講師、株式会社アゴラ研究所代表取締役社長。

この人物は、twitter
「燃やせば放射性物質は分解されて無害になるのを京都市役所は知らないのか?」
と発言したほどの、放射能については何も知らない(経済についても、同レベルだとは思ってますがw)人物です。放射能の危険を解いている人をとりわけ目の敵として、愚論をまき散らします。たとえば・・・

「原発関連死」の原因をつくった人々2013年09月12日00:27
島薗進氏のツイートが、多くの人々の批判を呼んでいる。

「原発関連死 さらに121人」東京新聞9/11。これはこの半年の人数で総計は910人。実数はだいぶ多いはずと。http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2013091190071146.html … 放射線の健康影響でなくて「不安」という心理こそが最大の問題という重松逸造、長瀧重信氏、山下俊一氏らの立場ではどう説明する?

彼は原発関連死の原因が「放射線の健康影響」だといいたいのだろうが、低線量被曝によって発癌するまでには平均25年、最低でも5年かかる。いま死亡したということは、放射線が原因ではないという証拠なのだ。

島薗氏は宗教学者だから、放射線医学に無知なのはしょうがないが、専門外の問題についてこれまでにも「ICRPの基準は信用できない」などと批判してきた。彼がその論拠にしているのは、なんとバズビーのECRRである。

原発関連死の最大の原因は、放射線ではなくストレスである。島薗氏のような(肩書きだけは大学教授の)素人が「放射能は無限に危険だ」というデマを流し、必要もない避難を長期にわたって続けさせたことが、多くの人々の生活を破壊し、910人もの犠牲をもたらしたのだ。


原子炉級プルトニウムによる核爆発と1F-3燃料プールでも述べましたように、この人物はいきなり問題の核心をトップに持ってきて、さらりとさも事実のように書きます。

低線量被曝によって発癌するまでには平均25年、最低でも5年かかる。いま死亡したということは、放射線が原因ではないという証拠

 おそらく,ABCCが5年間は癌が起きないと決めてくれたんでしょう。人間の身体が画一的な反応を示さないのは、自然科学者ならば当然知っていることなのですが、「経済学者」はそうは考えないようです。このすべての評論は、「5年以内には癌は起きない」といった「科学的」事実にのみ基づいているだけで、自分の考察は一切ありません。ただ、教科書に合っているか否かだけを判断基準にして書いています。謙虚さのかけらもなく、まるで中世のカトリック教会のように「聖書」に書いてないから、デマと決めつける。池田信夫は、ダーウィンの進化論を読んだこともないんでしょうか(いや、もちろん、私もないんですが、教会との論争くらいは、知っています)

以前紹介した耳なしウサギ
少なくとも動物実験では、奇形が生まれることは証明されているはずなんですが、北里大学の伊藤伸彦教授は気合いが違います。
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「被曝の影響の可能性を切り捨てるわけにもいかないので、妊娠中1週間の被曝量(内部・外部の合計)を算出したところ、1.55ミリシーベルトと出た。奇形が生じる線量には閾値があり、通常は瞬間的に数1000ミリシーベルトぐらい浴びないと生じないとされています。ですので、絶対ないとはいえませんが、放射線の影響である可能性は極めて低いと結論づけました」

 でましたね。聖書に書いていないから、被爆の影響ではない。ノビーと全くおなじ理論です。そして、次のような荒唐無稽の結論

「一つの可能性としてですが、大地震とその余震で何度も強く揺らされたことが親ウサギのストレスになった可能性も考えられます」

 今まで大地震が起きたところで、耳のないウサギが生まれたことなど聞いたことはありませんが、聖書に合わせようとすると、このような奇妙奇天烈な結論にならざるを得ません。これもまた地動説は間違いだと主張した中世の教会を連想させます。

 このように、放射能安全派は、いきなり結論を決めつけてきます。この人物の信奉している結論は、一体何か、そしてその根拠は本当に正しいのかを考えるようにすれば、ウソかどうかは簡単に見破れます。まあ、どれも底が浅くて、しゃべっているうちから、デマだとわかるのですが、残念ながらそのデマを平気で載せるのが今のマスコミだという事実は覚えておかねばなりません。まあ、なにしろ宗教の布教を手伝っているのがマスコミなんですから、仕方ありませんが。


今から80年近く前−1935年に書かれたこの本の記述が、未だに全く矛盾もなく、読めることからも、人間のことなど何もわかっていないことが良くわかります。この後にDNAが見つかり、細胞生物学の急速な進展、医療の進歩があったにもかかわらずです。人間のことが未だに全くわかっていないのに、放射能が人体に与える影響など何もわかっていないのに等しいはずです。それを結論づけていう人間たちを中世ヨーロッパの教会の司祭たちと名付けて、どこに間違いがあるでしょうか。

◆関連ブログ
原子炉級プルトニウムによる核爆発と1F-3燃料プール2013年08月24日
地震に揺られたストレスで、耳なしウサギが生まれた−北里大学伊藤伸彦教授2013年03月25日
タグ:池田信夫
posted by いんちょう at 21:10| Comment(7) | 原子力