2013年09月28日

フクシマからの放出放射能−核実験最盛期の全放出量さえ上回っていた

福島からの放射性セシウムの大気中放出量はチェルノブイリの3倍とEU機関計算
 EU傘下の研究所(参考資料)の計算によれば福島原発から大気中に放出されたセシウムの総量は21京となった。チェルノブイリ事故では7-8.5京と報告されていることから3倍強の数値が算出された。
事故後間もなく報告された値はチェルノブイリの1/7程だったので、今回の計算により数値が一挙に40倍に増えた。
また、希ガスのキセノンは1100京と保安院により事故から数カ月後に報告されており、この量はチェルノブイリの2倍だった。
更に福島3号機ではMOX燃料がつかわれていたので、半減期の長いプルトニウムも放出された。


びっくりしたのですが、元記事(ENENEWS) 元の論文
Modelling the global atmospheric transport and deposition of radionuclides from the Fukushima Dai-ichi nuclear accident

 実は、この論文、フクシマの被曝では奇形は起きない、何の被害もない、ガンも起きないで紹介していましたが、全く読んでいませんでした。21京ベクレル(2.1x1017 = 210PBq(ペタベクレル)数字が大きすぎてわかりませんが、わかりやすい一つのグラフを紹介します。
放射能で汚された今、なすべきこと 京都大学原子炉実験所 小出裕章氏講演 2013/06/23 福島を改変

2013092801.jpg
21京ベクレルを青で示してみました。なんと、核実験最盛期よりもはるかに多いセシウムが飛散したことがわかるでしょう。これで、フクシマでなんの健康被害も起きないとしたら、大気核実験など禁止する必要などなかったと言うことになります。核大国が条約を結んで、大気核実験をしないと約束したり、ストロンチウムの蓄積を調べた研究など、何の意味もなかったと考えられますか?

1960年代の核実験状況


最もひどかった1963年の核実験をすべてフクシマでやってしまったわけですから、考えただけでもおそろしい。

そもそも、フクシマ炉内にどれだけの放射能(インベントリー)があったのか。いろいろ探していましたが、なんとWikiPediaにその記述がありました。
各放射性核種の放出量(1015Bq)
セシウム137セシウム134ストロンチウム90キセノン133ヨウ素131
広島原爆0.1-0.08514052
チェルノブイリ事故89487.444001300
フクシマ15(210)180.1411000160
フクシマ÷チェルノ0.17(2.3)0.38 0.02 2.5  0.12

放射性キセノンの量は公式発表でさえ、チェルノブイリの2倍なのですから、同じく揮発しやすいヨウ素もまたチェルノブイリ放出総量よりもはるかに多く飛散したことが容易に想像つきます。EU計算の210PBqが正しいとすれば、フクシマではチェルノブイリの2.3倍ものセシウムが放出されたことがわかるでしょう。

では、一体どれだけの放射能が炉内に蓄積していたのか(チェルノブイリとの比較)
事故直後、原子炉が停止した時点において、炉心に蓄積されていた放射性核種の存在量(炉心インベントリー)を比較すると、ヨウ素131は、チェルノブイリ原発4号機の3200×1015Bqに比べて、福島第一原発1〜3号機の合計の方が、6100×1015Bqと、約1.9倍上回っており、セシウム137も、福島第一原発1〜3号機の合計の方が約2.5倍ほど多い(資料
チェルノブイリ原発4号機[7]福島第一原発[8][9]

(1〜3号機の合計)
放射性核種ヨウ素131セシウム137ヨウ素131セシウム137
炉心インベントリー(1015Bq)32002806100710
放出量(1015Bq)?1760?8516015
放出割合(%)50-6020-402.62.1
つまり、フクシマの原子炉内には、71京ベクレルのセシウム137を保有していたことになります。

炉心インベントリーに対する放出割合(%)
福島第一原発[17]チェルノブイリ原発4号機[7]
1号機

(感度解析ケース2)
2号機

(事業者解析ケース2)
3号機

(事業者解析ケース2)
希ガス類959699100
CsI(ヨウ素類)0.666.70.350-60
Cs(セシウム類)0.295.80.2720-40
希ガスは仕方なく100%近く放出したことを認めていますが、ドライベントなどをしたにもかかわらず、1〜3号機のヨウ素放出量は1%にも満たないと想定しています。このような過小評価などはあり得ないでしょう。そして、この計算には一切含まれていない3号機燃料プールの核爆発


このプールの中には、514本と3号機の炉内(548本)とほぼ同等の燃料棒があります。
簡単に計算すると、このなかには240PBqのセシウム137が含まれていますし、核反応で生じたセシウム137も大気中に拡散されました。3号機の爆発時に原発周囲が最も汚染されたこともわあせて考えると、おそらく今までの大気核実験で放出されたセシウムと同等か、あるいはそれ以上のセシウムが大気中に拡散されたことになるのではないかと思います。
 そして、格納容器内にとどまったとされる死の灰(放出されなかったセシウム、ストロンチウムetc.)は汚染水とともに海洋流出しているのは明らかですから、今回のフクシマは健康被害が起きるのは確実で、一体それがどれだけの規模に収まるのかと考えておいた方がいいでしょう。

 炉内に710PBq そして、3号機燃料プールに 240PBqセシウムがあったとして、合計 950PBq このうち四分の一が放出されたと概算すると240PBq(24京ベクレル) EUが概算した21京ベクレルとほぼ同等になります。また、この950PBqは、すべての大気核実験のセシウム放出量 964PBqとほぼ同等。そして、それがたった数年間のフクシマ原発の死の灰に過ぎません。今まで、地球上の原発で作られてきた死の灰は、大気中に拡散されれば、全地球上の生命を滅ぼすのに十二分であることは間違いありません。。(フクシマの出力は合計約300万キロワット。世界の原発の合計は3億9000万キロワット。つまり、約100倍)

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posted by いんちょう at 20:50| Comment(12) | 原子力