2013年11月02日

11/8に始まる4号機の燃料取りだし。・・危険な作業だが、フクシマの中では最も簡単

4号機の燃料プールからの使用済み燃料、新燃料の取り出しがいよいよ11月8日(金)からいよいよ始まります。

福島第1原発、4号機の「使用済核燃料」プールからの燃料取り出し認可御木本千春  [2013/10/30]
原子力規制委員会は、30日午前に開催した定例会合において、東京電力(以下、東電)が申請していた、福島第1原子力発電所4号機の使用済み核燃料プールから燃料を取り出す計画を認可した。

東電は、同原発における廃炉作業の一環として、4号機原子炉建屋最上階の燃料プールから使用済み燃料棒1,533本を取り出し、建屋外の共用プールに移すことを計画している。

規制委員会は、東電が提出した実施計画について審査を実施。その結果、「使用済燃料は十分に冷却されており、燃料破損が生じた場合でも周辺公衆に対する被ばく線量は十分小さい」とし、「落下試験においても燃料被覆管の密閉性が確保されていた」と評価した。

また、「燃料被覆管が上部タイプレートやチャンネルボックスで拘束されており、降伏応力に達するまでの曲げを生じさせるためには解析で求めた荷重以上の荷重が必要であることを考慮すれば、上部タイプレートが大きく変形していなければ仮に燃料破損が生じていたとしても、その影響は限定的であり、共用プールで貯蔵したとしても共用プール内の放射能濃度が現在の4号機使用済燃料プール内の放射能濃度を超えることは想定しがたいと考えられる」とし、「このため、共用プールでの浄化機能を維持し、放射能濃度を低減することで、措置すべき事項で要求している『取り出した燃料の適切な貯蔵』は可能である」と判断した。
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燃料取り出しフロー図

「使用済燃料等の健全性確認および取出しに関する事項」ならびに「その他燃料取出しに必要な事項」についても、「確実に臨界未満に維持され、落下防止、落下時の影響緩和措置及び適切な遮へいが行われ、取り出した燃料の適切な貯蔵に資するものと認められる」との考えを示した。

以上のことから、計画の内容は「措置を講ずべき事項『II.5.燃料取出し及び取出した燃料の適切な貯蔵・管理』の要求事項を満たしており、核燃料物質もしくは核燃料物質によって汚染された物による災害の防止上十分なものであると認められる」と判断したという。

燃料の取出し開始時期は、当初計画では11月中旬からとなっているが、東電は現在実施している使用前検査の結果次第で早まる可能性があるとしている。

 大丈夫と規制委員会は行っておりますが、その口の下で・・・
会合後、定例の会見に臨んだ規制委員会の田中俊一委員長は、燃料の取り出し作業について「潜在的なリスクが多くあることは否定できない」と述べ、東電に対し時間をかけて慎重に作業を行うよう要請したと明かした。

4号機使用済燃料プール内の燃料取り出しについて
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 いつの間にか、こんなに立派なクレーンができていることに驚きを覚えました。さすが、技術大国ニッポンです。何しろ、ほんの半年前はこんな感じだったのですよ。

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(クリックでパノラマ画面となります)

燃料プール内で使用済み燃料を入れるキャスク
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この前の記事で、燃料が落ちても再臨界は起きないでしょう。と書いていましたが・・・

福島第1原発4号機から取り出した核燃料が落下したと想定し訓練
フジテレビ系(FNN) 10月29日(火)19時19分配信
福島第1原発4号機の使用済み燃料プールから取り出した核燃料が、落下したことを想定した訓練が行われた。
訓練は、4号機の使用済み燃料プールからの燃料の取り出し中に、5階から核燃料が落下したという想定で行われた。
さらに、燃料が落下したことで、再臨界したときに発生する「キセノン」という気体が発生したと想定し、5km圏内の住人に、避難警報を出す訓練も行われた。
4号機では、早ければ11月8日にも、燃料の取り出しが始まる見通しで、11月1日からは、燃料を取り出すクレーンの稼働を確かめる、使用前検査が行われる予定。

 規制委員会は臨界は起きないと評価していたはずですが、訓練では臨界して「キセノン」(同時にヨウ素131も大量に出ます)がでると想定しているわけですから、使用済み燃料の落下で再臨界の可能性が否定できないと言うことを意味しているのでしょう。だとすれば、ヨウ素剤を用意しておくことは必須になりますね。(今一、このメカニズムは納得できませんが)

 使用済み燃料の表面線量は10万シーベルト(ミリシーベルトではない)あるわけですから、もしかりに空中に出てきたとしたら、発電所全域で作業ができなくなるのは目に見えています。キセノンが出るの出ないのと言った騒ぎではありません。田中俊一のコメントを見る限り、使用済み燃料の表面線量など全くご存じないようですが、大丈夫なんでしょうかね。どうも、この認識が政府にも規制委員会にも東電にも、そして現場作業者にも全くない印象を受けます。10万シーベルトの燃料が落下してむき出しになったら、いったいどのくらい離れればいいのか、この避難計画では全く考慮していません。あまりのレベルの低さに頭が痛くなります。

 実は、新燃料はもっとも危険で、最も簡単な4号機燃料プールで紹介したとおりに、空中にさらされています。この時の表面線量率は2−3mSv/hr。フクシマの地にあっては大した線量ではありません。おそらく、規制委員長の田中俊一は、使用済み燃料の表面線量率もこの程度だろうと思っているのでしょう。、「使用済燃料は十分に冷却されており、燃料破損が生じた場合でも周辺公衆に対する被ばく線量は十分小さい」と,さもたいしたことがないかのように発言していますし。
 なぜ、マスコミは、「表面線量率が10万シーベルトあるようだが、空中にさらされたら、どのように対処するつもりか」と質問しないのでしょうか。

 そして、この4号機は、最初の核燃料の取り出しであることから容易に想像できるように、フクシマの中では最も簡単なステップなのです。今回の取り出しで怖いのは

・燃料と燃料ラックの間にがれきが咬み込んでしまい、燃料が取り出せなくなる
・長期間塩水につけられていたために、取っ手が腐食して、破損してしまい燃料が取り出せなくなる
・つり上げている最中に取っ手が破損して、燃料プールの中で横倒しになり、手が出せなくなる。
(特に、燃料格納器の上で)
・操作の最中に燃料プールの底に傷をつけてしまい、水が抜けてしまう。(全員即死パターン、最悪3号機とおなじ核爆発)
・輸送中に燃料ペレットがばらばらになってしまい、燃料共用プールに移動できなくなる

等々、いくらでも考えつきます。

では,なぜ、こんな危険なこの使用済み燃料を取り出さねばならないのか。このまま石棺にできないのか。

簡単です。水が干上がるとそこら辺の人は即死しますし、最悪核分裂反応を起こし始めます。プールが破損する前に、建屋が崩壊する前に、この燃料は取り出さなければならないのです。そして、それをする技術は人間を幸いにして持っている。

 そして、もう一つ大事なこと。この4号機が終われば危機が終了するわけではないこと。
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 各建屋には上記のように、未だ大量の使用済み燃料が残っています。

・1号機・・・さっさとカバーを作ってしまったために、現状では燃料の取り出し方法がなく、カバー撤去をする予定(スケジュール未定)
・2号機・・非常に高線量であり、現状作業できない。また海水注入をしているため、建屋内にある天井クレーンは使用できるとは考えられず、いったいどのようにして燃料を取り出せばいいか全く計画が立てられない。
・3号機・・何度も話しているように核爆発のため、燃料の一部が破損し、がれきも大量にプール内に散乱している。当然クレーンも何もなく、何をどうしたらいいのか、たぶん一番良くわからない。


4号機燃料プールと比較してみてください


2011年5月14日に書いた フクシマ原発収束案に最終的にならざるを得ないでしょう。いったいいつのことになるのかは想像すらできませんが。

 汚染水問題よりもはるかに深刻な問題が残っています。それでも、このプールはまだマシ。本丸はメルトダウンした燃料と地下汚染水。おそらく、これは止められないでしょう。それが、原子力−核の本当の怖さです。再稼働などしている場合ではありません。

 いつ何がどうなるかわからないときには、つけっぱなしできるガイガーカウンターが一台手元にあると安心できます。(いずれも、充電式の単4電池で数週間〜数ヶ月レベル動作します)


もしくは、下記商品をUSB電源供給で動作させたままにする(電池では数日のみ)

私の医院ではこの一つ前の機器をUSB電源供給で診療時間内は受付の場所に置いています。(やや高めに表示される印象)

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posted by いんちょう at 22:14| Comment(10) | 原子力