・小説内に出てくるイリジウム192と呼ばれる放射性同位元素事故は、40年ほど前の日本でもあちこちで起きていた。
・「イリジウム192」で検索することによって、リンパ球を「生物学的線量評価」に用いられることがわかった。
・このリンパ球の異常は、三田先生の報告ともつながる

ツイッターをしていると、いろいろな情報を教わります。先日は、放射能汚染を題材にした「タッチ」という本を教えてもらいました。
@onodekita 最近亡くなった米国人作家のダニエル・キイスは放射能被曝をテーマにした作品もあったようです。
『タッチ』
http://t.co/1jydQHKgFs
— ヨノヒカリ (@imikanoa) 2014, 6月 24
ダニエル・キースのタッチ あらすじ
結婚4年目の若い夫婦であるバーニーとカレンは不妊に悩んでいた。
カウンセリングや不妊治療に努めるも成果はなく、常々子供が欲しいと願っている二人は残念に思っている。そんな中、バーニーの勤務先で小さな放射能事故が発生する。
自分の勤務先で放射能を扱っていたとは夢にも思っていなかったバーニーは動揺するが、被害は最小限に食い止められたという。毎日バーニーと一緒に会社まで出勤していた
同僚が放射能事故を未然に防いだというのだ。周囲に英雄扱いされ誇らしげな同僚をよそに、バーニーは知らない内に放射能の身近で生活していた事を恐ろしく思う。
やがて、バーニーとカレンの体に異変が訪れる。バーニーの同僚を介し、同僚からバーニーへ、バーニーからカレンへ放射能が経由されていったのだ。
放射能事故は防がれていなかった。熱傷、眩暈、吐き気、視力の低下などの症状に苦しむ二人。
バーニーの父親は彼を『放射能を浴びた体で我が家を汚した』と罵り、彼を勘当する。
やがてカレンの毛髪は全て抜け落ち、バーニーの倦怠感と視力の低下は留まる所を知らない。
二人が放射能に侵された事を知った近隣の住人は彼らを疎ましがり、石で窓を割ったり、脅迫電話を掛けてくるようになる。バーニーを複数人で袋叩きにする連中も現れた。
無神経なマスコミに追い回され、迫害を受け、次第にバーニーの正気が蝕まれていく。
そんな状況のさなか、カレンの妊娠が発覚する。
戸惑うカレン、絶望するバーニー。しかし反対するバーニーをよそに、カレンは産む決心をする。
この小説、1968年に書かれたものですが、やや大げさ(イリジウム192の被曝だけで、これほども広範囲の影響が起きるか)といった印象は受けますが、被曝に対する偏見など基本的なプロットは今でも変わらないでしょう。放射能に被曝した場合の救いようのなさが身に迫る漢字で書かれています。もはや、日本人はこの小説を遠い−まるでハリウッドの娯楽映画のように読むことはできません。カウンセリングや不妊治療に努めるも成果はなく、常々子供が欲しいと願っている二人は残念に思っている。そんな中、バーニーの勤務先で小さな放射能事故が発生する。
自分の勤務先で放射能を扱っていたとは夢にも思っていなかったバーニーは動揺するが、被害は最小限に食い止められたという。毎日バーニーと一緒に会社まで出勤していた
同僚が放射能事故を未然に防いだというのだ。周囲に英雄扱いされ誇らしげな同僚をよそに、バーニーは知らない内に放射能の身近で生活していた事を恐ろしく思う。
やがて、バーニーとカレンの体に異変が訪れる。バーニーの同僚を介し、同僚からバーニーへ、バーニーからカレンへ放射能が経由されていったのだ。
放射能事故は防がれていなかった。熱傷、眩暈、吐き気、視力の低下などの症状に苦しむ二人。
バーニーの父親は彼を『放射能を浴びた体で我が家を汚した』と罵り、彼を勘当する。
やがてカレンの毛髪は全て抜け落ち、バーニーの倦怠感と視力の低下は留まる所を知らない。
二人が放射能に侵された事を知った近隣の住人は彼らを疎ましがり、石で窓を割ったり、脅迫電話を掛けてくるようになる。バーニーを複数人で袋叩きにする連中も現れた。
無神経なマスコミに追い回され、迫害を受け、次第にバーニーの正気が蝕まれていく。
そんな状況のさなか、カレンの妊娠が発覚する。
戸惑うカレン、絶望するバーニー。しかし反対するバーニーをよそに、カレンは産む決心をする。
改訂版は、2005年に発行されており、この後書きに訳者が
世界中の政府や産業界は、産業施設からの放射能漏れや放射能事故による汚染を、未然に防ぐために必要な措置をとっていない。彼らにとっては放射能事故を隠蔽してしまう方が、何も手を打っていなかった責任を問う世間の批判に晒されるより政治的にも経済的にも好都合なのだ。
放射線源は廃棄のための経費を惜しんでしばしば不法に投棄される。適切な処理には二万ドルかかる。罰金はたったの二千ドルだ。しかし、もしその放射線源が製鋼所で溶解されれば、あなたの手中に収まるかもしれないし、あなたの愛する人たちの家庭に入ってくるかもしれない
放射線源は廃棄のための経費を惜しんでしばしば不法に投棄される。適切な処理には二万ドルかかる。罰金はたったの二千ドルだ。しかし、もしその放射線源が製鋼所で溶解されれば、あなたの手中に収まるかもしれないし、あなたの愛する人たちの家庭に入ってくるかもしれない
このフクシマの現状を世界を知れば、まるで世界が簡単に救ってくれると思っている人が未だに多いようですが、世界各国の産業界、政治家は上記の通り。日本政府が何があろうが隠すことなど、当然と思っているに違いないのです。そもそも、あのドイツですら、原子力産業の災害は隠そうとするのですから。
さて、このような被害を引き起こしたアイソトープ(放射性同位元素)はなにか。小説の中には、「イリジウム192」と書かれていますので、これを検索してみますと、いろいろな情報をさらに知ることができました。
まず、イリジウムについて 放射能を基本から知るためのキーワード84
イリジウムと白金は化学的な性質が非常に近く、自然に算出する白金の鉱石には少量のイリジウムが含まれているのである。イギリスの化学者、スミソン・テナント(1761-1815)は他の人が断念しても最後まで諦めずに、白金鉱石を製錬したあとに残る残滓から新元素を抽出した。その物質を使って化合物を作ったところ、虹のように様々な色合いで美しく輝いたことから、ギリシア神話の虹の女神「イリス」にちなんでその元素をイリジウムと名付けた。(注−イリス=アイリス 虹彩の意味でも使われていますし、商品名でも使っていますので、ご存じでしょう)
イリジウム192は自然界には一切存在せず、通常は原子炉内でイリジウムの金属片に中性子を浴びせて人工的に作る。核分裂生成物ではないので、過去の核実験による放射性降下物からは見つからない
どうりでフクシマでは一切話題にならないはずです。イリジウム192は自然界には一切存在せず、通常は原子炉内でイリジウムの金属片に中性子を浴びせて人工的に作る。核分裂生成物ではないので、過去の核実験による放射性降下物からは見つからない
イリジウム192で見つかった動画
ドキュメンタリー 「イリジウム192」
日本でも同様な事故が起きていることがよくわかります。私はこのような事故が、日本で起きていることは強まで全く知りませんでした。そして、このように明らかな被曝症状でさえ、医師達が全く無知であることがよくわかると思います。現在の医師たちもこの時代の医師達と知識は何ら変わりません(私自身、このような症例を勉強した記憶さえありません)したがって、彼らのいう「放射能ではあり得ません」という言葉を信じる方が、どうかしているのです。そもそも、何も知らない人間が、因果関係を否定できるはずないじゃありませんか。
千葉市におけるイリジウムによる放射線被ばく事故 (09-03-02-11)
2.被ばく線量の推定
医療処置をする前に次の2つの方法で被ばく線量を推定した。まず、被ばくした人達が被ばく当時に身につけていた物で放射線量を知る手がかりになる物を探したところ、3名が腕時計をつけていたことに気がついた。当時の腕時計にはルビーが使用されていた。ルビーはガンマ線を受けると熱発光現象を示すことが知られている。そこで、ルビーの熱発光量を測定し被ばく線量を推定した(物理学的線量評価)。
6人に当時の行動を思い出してもらい、全員の下宿での在室時間表を作って各人の被ばく線量を推定した(事故の再構築)。また各人の血液中のリンパ球を培養し、染色体の異常がないかを調べた。血液中の白血球のうちリンパ球は放射線に対する感受性が高く、放射線に被ばくすると染色体異常を引き起こし、異常の出現する頻度は被ばくした線量に比例するので、各人の被ばく線量を推定することが可能である(生物学的線量評価)。この2つの方法で推定した線量は驚くほどよく一致した
プルトニウムファイルに書かれているように、生物学的線量評価方法など何一つないと思っておりましたが、どうやら違うらしい。2.被ばく線量の推定
医療処置をする前に次の2つの方法で被ばく線量を推定した。まず、被ばくした人達が被ばく当時に身につけていた物で放射線量を知る手がかりになる物を探したところ、3名が腕時計をつけていたことに気がついた。当時の腕時計にはルビーが使用されていた。ルビーはガンマ線を受けると熱発光現象を示すことが知られている。そこで、ルビーの熱発光量を測定し被ばく線量を推定した(物理学的線量評価)。

2. 線量評価の方法
B末梢血リンパ球の変化からの線量推定
白血球の中でもリンパ球は最も放射線感受性が高く、リンパ球数の変化は被ばく線量の良い指標となります。被ばくによるリンパ球の様子を表2に、被ばく線量とリンパ球数の変動の関係を図4に示します。
リンパ球を直後に測っていれば、ある程度正確な被曝線量を推定できたはずですが、フクシマでは一切されていませんね。そして、このリンパ球の減少は、三田先生も報告されています。
白血球の中でもリンパ球は最も放射線感受性が高く、リンパ球数の変化は被ばく線量の良い指標となります。被ばくによるリンパ球の様子を表2に、被ばく線量とリンパ球数の変動の関係を図4に示します。
ホンモノの情報はこうやって、今まで調べてきていた断片的な知識を統合してくれます。
上記、イリジウムから次の動画も見つけました。今と話していることが全く同じですね。
「シリーズ原子力(2)原発をめぐる白熱の議論」-1 投稿者 Katasan2010
この程度のレトリックにだまされていたこと−今でもあまり変わらないような気はしますが−に歯がゆさを覚えます。何しろ私が東電に入社したのは1988年。この録画よりもさらに7年後のことなのですから。。
■関連ブログ
エルベ河畔で「小児白血病が急増し、核燃料が森から発見」されても隠蔽するドイツ2013年07月29日
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自民党など核兵器が欲しくて欲しくて原発再稼働があきらめられないのだろう。
森一久など今頃阿鼻地獄で苦しんでいることだろう。未来永劫阿鼻地獄から出てくるな。
(SFの仮想の国Xの話A)
(1)国の大本を決めた憲法がある。
(2)憲法により主権は国民にある。
(3)憲法により国民が国会議員を選挙する。
(4)憲法により選ばれた国会議員がさらに実務責任者として首相を選ぶ。
(5)憲法により選ばれた実務責任者の首相が自分のスタッフ閣僚を選ぶ。
(6)その憲法により選ばれた単なる一つの「執行部会議」が閣僚会議=閣議。
(7)単なる一つの「執行部会議」が憲法を否定できる「解釈」を出す。
(8)国民にもはからない、国会にもはからない。
(9)その単なる執行部会議の解釈が有効であるという奇跡。
これをみとめると元の憲法の他の部分も解釈で全部変更、
人権すら脅かされるかもしれないのにみとめようとしている。
ところがマスコミは沈黙している。
(SFの仮想の国Xの話B)
(1)原発は単なる一エネルギー技術にすぎない。電力は十分足りている。
(2)もともと常時核反応している原発の方が、
核反応が一瞬である原爆より、はるかに放射性物質が多く危険である。
(3)「レベル7」のチェルノブイリは約30年たっても全く解決の見落としすらない。
(4)この国で、【「レベル7」のチェルノブイリの数倍の放射性物質】が、
ばらまかれた巨大原発事故がおこった。
(5)この国の事故はチェルノブイリがやった石棺ができず、
チェルノブイリにない巨大な地下水汚染が拡大し、
遙かに深刻で、【事実上のレベル8】である。
(6)この国の首都圏住民は【広島原発4000倍ものセシウム】をかぶっている。
国際的退避規準は1ミリシーベルトなのに20ミリシーベルトまで住まわせられている。
広島では無数の奇形児が生まれたが、この国では生まれないことになっている。
(7)自然状態では事実上発症しないので、
「原発事故の国際的に認められた証明」となっている「子供の甲状腺ガン」が、
自然状態なら【検査者30万人に対し0.3人しか出現しないはずが、
すでに約90人出ている】。
(8)震災と関係ないその後の関連死(突然死を過労などと仮称)が、
すでに当該県だけでも【1500人以上でている】。
(9)チェルノブイリ周辺諸国では事故急激な人口減少が起こった。
その国Xの総人口は、事故前は静止人口(プラスマイナス2万人の変動)だったが、
事故後急減少がとまらない。
すでに年間25万人もの巨大な減少で、
事故後3年間で【80万人も減少】している。
チェルノブイリ周辺諸国よりひどい!
(10)ところが上記を無視して単なる1エネルギー技術原発に固執する。
(11)マスコミは沈黙している。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
単なる1執行部会議で国の大方針を変え、単なる1エネルギー技術に固執する!あんただれ?
クイズ、この仮想の国Xは実はどこ?
アリスの不思議の国?
ピーターパンのネバーランド(存在しない国)?
トマスモアのユートピア(存在しない国)?
現実に存在するとしたら「軍事独裁国家」しかありませんな〜
http://www.asyura2.com/12/genpatu25/msg/552.html#c610
http://ameblo.jp/sunamerio/entry-11380553912.html
http://blog-imgs-51.fc2.com/j/y/o/jyouhouwosagasu/soumusyoujinnkoutoukei120901010.jpg
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11205808.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11205808
紙の新聞も、たまには為になることがありますね。
図書館で借りて読みました。半世紀程前にアメリカで出版された小説にも関わらず、古さを感じさせない内容に驚かされます。「ピカの毒」はうつり、大変な事態を引き起こすことが良くわかります。
先生の『フクシマの真実と内部被爆』の著書の後ろに書かれている「太陽の下、新しいものは何ひとつない』というコヘレトの言葉が身にしみます。
フィクションだからと一笑に付すことはできません。悲しい物語で涙無くして読めません。
作者のダニエルキイスが、改訂版のあとがきに「新版として刊行されるのは、読者に彼らのような試練に直面した人々の身になって感じ、考え、産業界や政府にまだまだなすべき仕事があることを通告してもらうためである。」と書いています。
彼の遺志をフクシマを経験した日本人が、特に実行していくべきでしょう。
白熱議論を展開されているお二人の学者は、共に1926年生まれ。ダニエルキイスは27年生まれ。三人とも他界され、一つの世代の移り変わりを感じます。
ドキュメンタリー中の作業員の人たちは当時まだ若者だったけれどその後遺症はどうなのでしょうか。全て隠蔽ですよね。
エルベ河畔の核燃料の粒はよそ事ではなくて、同じようなものが3年前に吹っ飛ばされてばらまかれて、塊やら粒やら粉やら東日本の至る所に散らばっているいるわけですよね。西日本にも世界中にも、風に乗り水に乗り流通に乗り人の動きに乗り、今や大拡散中なわけですが、その危険性が隠蔽されて人がそれをあまり知らない状況は、このドキュメンタリーの頃と変わらないような気がします。
いや、原爆の時とも大して変わらないと、最近井伏鱒二の「黒い雨」を読み返していて思いました。院長先生のおっしゃる通り、ここには何もかもが書かれていました。人にどのような症状が現れたか、植物にどのような異常が生じたか。私は昔確かにこの本を読んでいるのですが、文学作品としてのみ受け取って具体的な放射能の知識は読み流していました。しかし今はここに書かれていることがどういうことなのか分かってしまう、ということがつくづくと恐ろしいです。