2014年08月07日

1134.今も昔も全く変わらない原爆への対処法(終戦直後の日本、冷戦時代の米国、現代の日本)

・日本が原爆投下されたあとに、政府が配布した原爆への対処法−あまりにも情けないとして、揶揄の対象になっている
・冷戦期の米国もまた、原爆には「かがんで、防御」しようと国民を教育
・現代の日本においてさえも、政府が発表している公式の原爆対処法は、ほとんど変わらない。

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新型爆弾に対する心得(防空総本部情報局発表)
1.一機に対しても油断は禁物で大型一機といえども退避せねばならぬ
2.退避は壕内退避が有効である。漫然と屋外に出ているのは禁物であるから剛内退避をするのが良い。
3.待避壕は掩蓋(えんがい)壕でなければならぬ、掩蓋壕のないところは毛布を被って剛内に退避する必要がある
4.戸外などに居なければならぬものは被害地区では火傷をすることがあるから身体の露出部を少なくしなければならぬ
5.倒壊家屋から火を発する場合があるから、退避そのほかの場合でも火に注意しなければならぬ
6.待避壕はきわめて有効であるからできるだけ頑丈に補修すること
7.軍服程度の衣類を着用しておれば火傷は心配ない、防空頭巾手袋を併用すれば完全に護られる
8.前記待避壕をとっさに利用できない場合は地面に伏せるか堅牢建物の影を利用すること
9.退避は屋外の待避壕に入ること
10.落下傘ようのものが降下したら確実に退避すること
11.鉄筋コンクリート建は有効に利用すること、しかしガラス飛散の被害を避けるように柱形、窓下、腰壁を待避所とし有効に利用すること
12.倒壊された建物から火を発するから、初期防火に注意すること。
13.傷害は爆風による傷と火傷であるが、この中でもやけどが多いから最も簡単な手当方法はこの爆弾のやけどには油類を塗るかまたは?水で湿布すれば良い
14.横穴式防空壕はゆうこうである
15.白い下着類はやけどを防ぐため有効である
16.待避壕の入り口はなるべく防ぐのが良い、たこつぼ式防空壕には板一枚のふたをしておけば有効である
昭和20年8月11日 日本新聞公社 東京新聞社印刷
軍服を着ていれば大丈夫と言いながら、防空壕に退避せよという。いかにも矛盾だらけですが、今も同じようなことを聞かされていますね。
(フクシマの食品は汚染されていない、少々なら大丈夫、でもできるだけ放射能を除去できる料理法で・・とか)

 この原爆への防御方法は楽観と悲観が入り交じって、非常によくわからない新聞号外になっていますが、なんと米国も同じような教育を1950年代にやっているのです。

【原爆】Duck and Cover(伏せろ!)

この動画は、日本軍が日本国民に行った下記プロパガンダと全く同じです。

8.前記待避壕をとっさに利用できない場合は地面に伏せるか堅牢建物の影を利用すること

これ、そのものです。あまりにも原始的な防御方法をこれほどもまじめに教育していることに半ば驚きを覚えますし、米国が常に原爆投下におびえてきたこともよく伝わってきます。

 あはは・・ と笑い飛ばすどころか、じつは今の日本政府もまた同じような核攻撃に対する防御法を公表しています。

内閣官房国民保護ボータルサイト 武力攻撃やテロなどから身を守るために(パンフレット) 

4 武力攻撃などに応じた避難などの留意点から
2014080701.jpg核爆発の場合
●閃光や火球が発生した場合には、失明するおそれがあるので見ないでください。
●とっさに遮蔽物の陰に身を隠しましょう。近隣に建物があればその中へ避難しましょう。地下施設やコンクリート建物であればより安全です。
●上着を頭から被り、口と鼻をハンカチで覆うなどにより、皮膚の露出をなるべく少なくしながら、爆発地点からなるべく遠く離れましょう。その際、風下を避けて風向きとなるべく垂直方向に避難しましょう。
●屋内では、窓閉め・目張りにより室内を密閉し、できるだけ窓のない中央の部屋に移動しましょう。
●屋内に地下施設があれば地下へ移動しましょう。
●屋外から屋内に戻ってきた場合は、汚染物を身体から取り除くため、衣類を脱いでビニール袋や容器に密閉しましょう。その後、水と石けんで手、顔、体をよく洗いましょう。
●安全が確認できるまでは、汚染された疑いのある水や食物の摂取は避けましょう。
●被ばくや汚染のおそれがあるため、行政機関の指示などにしたがい、医師の診断を受けましょう。

どうです?全く変わらないでしょう?

 原発事故に対する対応法も、このような泥縄式と何も変わりませんね。被曝をこれほどまでも舐めきれるのは、いったいなぜでしょう。
 さらに「風評」をなくすために、AKBをつかって日本版 "DUCK AND COVER" でも作ったらどうでしょう?ふりつき、握手券付きで

実際の広島、長崎


そして、超小型原爆の実験動画


 これを見れば、上記対応方法など何の意味も持たないことなどすぐにわかろうものなのに・・

■関連ブログ
原爆におびえていた戦勝国と、現代日本の核防御法2013年06月25日

posted by いんちょう at 20:28| Comment(6) | 原子力
この記事へのコメント
閃光や火球が発生した場合には、失明するおそれがあるので見ないでください。

瞬間的に発生するのにね
時速100キロメートルの車に轢かれないように時速110キロメートルで逃げて下さいとか言ってるのより酷い
Posted by あほらしあらし at 2014年08月08日 03:07
まぁ泥縄式ではあるけれど、一般人が爆発に対して即座に出来る対処法としてはこんなもんじゃないですか?
時間経過後の食事や吸気での内部被ばくへの対処はこの後の段階ですし。
Posted by ぬるぽ at 2014年08月08日 03:48
2011年から体調をくずし、ある日突然倒れてICUに入り、そこから何とか生還した方が描いた漫画。

ここまで回復するものなのかと驚く


死んで生き返りましたれぽ、の人 - NAVER まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2140094885164916001?&page=1
高血糖昏睡、糖尿病、糖尿病性ケトアシドーシス、
腎不全、横紋筋融解症、敗血症、肺炎、栄養失調、
脳浮腫(失明、記憶喪失、精神障害)、
心肺停止と、それによるリハビリ
Posted by 死んで生き返りました at 2014年08月08日 22:36
ご参考

13.傷害は爆風による傷と火傷であるが、この中でもやけどが多いから最も簡単な手当方法はこの爆弾のやけどには油類を塗るかまたは?水で湿布すれば良い

?部分「鹽」=塩ですね。台湾では今も使っています。食品などの表示ではじめて見ました。


沖縄の方たちから教わったように 国が行政が住民を守るよりは盾にするのをただいま現に味わっています。

前なら今時の人はこんなの鵜呑みにしないと思ってましたが。。。長いこときれいで楽しいことしか見てこなかったつけが今なのかもしれません。hu
Posted by マツダマツコ at 2014年08月09日 14:29
キリスト教会と国家についての歓迎されざる真実と題する記事を一度お読みになることを勧めます。

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2014/08/194589-7f2a.html

最後の一文だけ転載させてもらいます。

原発は、プルトニウム爆弾製造装置であり、ただ動かすのでは大義名文がないので、余熱で発電をしているのにすぎない。

唯一の原子爆弾実地試験は、冒涜的なことに“トリニティー=三位一体”というコード名がつけられていた、というが、この属国では、高速増殖炉なるとんでもない危険物に、為政者は「もんじゅ」という罰当たりな名をつけた。「ふげん」という廃炉もある。どこの国でも、為政者はとんでもない代物の実体を隠すため、平気でばちあたりな名前をつける。連中、本当は拝金教信者で、キリスト教信者でも、仏教信者でもないだろう。
Posted by ハマの住人 at 2014年08月09日 20:02
いつも拝見しておりますが、初めてコメントいたします。

先日、某法律雑誌の雑誌書評欄にありました、

『検証 防空法:空襲下で禁じられた避難』(法律文化社2014年)

を読みまして、東京大空襲に際し、避難場所(地下鉄)があったにもかかわらず、空襲時には出入り口を全面閉鎖したという、この国のやることの変化の無さに改めて困り果てました。まさしくトホホです。
Posted by hiros at 2014年09月19日 12:13
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