2014年11月11日

1211.インペリアル・カレッジ・ロンドンの華麗なる人脈

・日本政府の行っている被曝被害隠蔽は東大などの国内大学だけではなく、海外も一躍を担っているが、その一つに「インペリアル・カレッジ・オブ・ロンドン」がある。
・この大学の病理学者であるジェリー・トーマスは、事故当初より放射能被害を打ち消し、チェルノブイリ被害を否定し、最近は日本で小規模な講演まで行っている(東電スポンサー
・さらに、この大学に留学した日本人もまた、被曝「風評対策」に全力を注いでいる。


 事故当初より、東大・京大の教授、准教授が、フクシマでは内部被曝無視、健康被害は起きないとさんざん発表していますが、もう誰も信じる人はいません。もとより、それはわかりきっていることで、日本人が好きな欧州系の大学に最初から応援を頼んでいました(と言うよりも、むしろこれは、向こうから押しつけてきたことだと思われます)
 
2014111101.jpgジェリー・トーマス
インペリアル・カレッジ・ロンドン分子病理学部長、チェルノブイリ組織バンク所長。
1993年からケンブリッジ大学にて甲状腺病理学研究の一環で1992年からベラルーシとウクライナ、ロシアの科学者たちと共同で研究を始め、1998年からはチェルノブイリ組織バンク所長として国際学術研究に従事している。福島第一原発の事故後は、放射線リスクコミュニケーションに積極的に取り組み、学校や大学で幅広く講演を行っている。原子放射線の影響に関する国連科学委員会(UNSCEAR)が2008年に公表したチェルノブイリ事故の報告書の執筆にかかわったほか、来年公表される国際原子力機関(IAEA)の福島原発事故の甲状腺がんに関する記述にも参加している。2014年8月末には、横浜市で開催される日本癌治療学会で小児甲状腺がんについて発表する予定。

この人物は、JAIFFの動画(特別編 福島とチェルノブイリ 〜虚構と真実〜 (2012/4/20))で「チェルノブイリが起きるまでは、原発に反対だったが、事故が起きてから考えを改めた(ほとんど被害がなかった)」と述べています。

2014111102.jpg大学設置/創立 1907年
学校種別 公立
設置者 The President and Fellows of Imperial College
本部所在地 イギリス, ロンドン
キャンパス サウスケンジントン (ロンドン)、ワイ (ケント)等
学部 医学部、工学部、理学部、
研究科 医学大学院 等
ウェブサイト インペリアル・カレッジ・ロンドン公式サイト
かなり歴史のある大学であるのは、間違いありません。

ウエイド・アリソン
彼は、『放射能と理性』のなかで、

「現在の科学に基づいて合理的に考えれば、危険な水準は、1年に1ミリシーベルトではなく、1カ月に100ミリシーベルトであり、一生のうちに5000ミリシーベルトが上限である」

と言うICRP勧告さえも無視するトンデモ学者ですが、Wikiによりますと、この書籍を

著書『放射能と理性』に関する肯定的な評価として、インペリアル・カレッジ・ロンドンの最高責任者であったエリック・アッシュは「この本の結論に全く賛成であり、一般の読者に近づきやすい形で提供されていることがわかって大変嬉しい」と評し、英国の作家であり科学著述者のブライアン・クレッグ、英国物理学会が出版するCERNに関連したニュースや出来事を扱う月刊誌「CERN Courier」なども賛意を寄せた。

 なるほど、このトンデモ学説を支持するのが「インペリアル・カレッジ・ロンドン」の主流のようです。

 この大学に連なっている日本人

2014110501.jpg
越智小枝(おち さえ)
相馬中央病院内科診療科長、インペリアル・カレッジ・ロンドン公衆衛生大学院客員研究員、星槎大学公衆衛生・スポーツ医学客員講師、全日本剣道連盟指定帯同医。
この方はよく出ますね。被曝に関する随筆もたくさん書かれています。
 インペリアル・カレッジ・ロンドンの同僚が「(フクシマは)あの被曝量じゃ研究にならないからあまり興味ない」というのも、この大学の背景を考えれば当然ですね。


2014111103.jpg野村周平(東京大学大学院卒)
学歴:
2013/9−2016/8 Department of Epidemiology and Biostatistics, School of Public Health, Imperial College London 疫学・統計学博士(予定)
2011/4−2013/3 東京大学大学院 国際保健政策学教室 保健学修士
2007/4−2011/3 東京大学 薬学部薬科学科 薬学士
(現在、博士課程にいることがわかります)
福島のデータが語る「体内被曝」の現実 2013年11月26日 02:15
と、なだめる記事を載せてます。
野村さんは「週刊朝日のデータに関しては、尿検査のセシウム検出限界値が低いので、多くの方が検出されたのだと思います。尿検査では1ベクレル/リットルまで測定できるようですが、尿中から1ベクレル/リットル検出されることが何を意味するのか」と解説する。

「それが常時維持されて年間で何ミリシーベルト程度の被曝量に換算されうるのか。それが自然界からもともとある放射線からの被曝量と比べてどうなのか。日常生活で浴びる被曝量(例えばCT検査や飛行機による移動に伴う被曝量)との比較など客観的、相対的なファクトを示すことが不可欠です」

 インペリアル・ロンドンらしい、言い回しですね。

 「よくわかる放射線教室」を書いた番場さち子氏のブログ
10/8第3回明日の象徴授賞式・・・パレスホテルにて
(前略)
第1回は坪倉先生も受賞されました。
だんだん格式高くなってまいりまして、天皇陛下に謁見までされるそう。。

野村周平さん:東京大学大学院時代に、南相馬市立総合病院で、渋谷健司教授率いる面々とカルテを掘り起こし、調査研究してくださいました。
現在はロンドンの大学院に留学中です。社会政策部門で受賞されました。
おめでとう!!
・・
野村さんの推薦人は、土屋了介先生と坪倉正治先生です。

午後から講演が入っていたので、遅れると言っていた坪倉先生でしたが、なんとか間に合って良かったです。

 医療の世界は非常に狭いので、こうやってつながってきます。
坪倉先生は、皆さんご存じでしょう

2014110506.jpg 野村氏の恩師である渋谷健司教授は、福島県の甲状腺がん検査を辞めるべきだと主張している人物です。
もちろん、一般的に早期発見による死亡リスクの予防は非常に大事だ。リンパ節や周囲へ広がっている癌は、すぐに手術すべきである。自分の子供が癌と診断されれば、ご家族はすぐに治療してほしいと思うだろう。しかし、超音波検査を進めることで、全ての甲状腺癌を見つけ出し、それらをすぐに手術することが、果たして子供達のためになっているのだろうか。
超音波エコーによる甲状腺検診の導入で、意図せずに過剰診断、そしてその結果としての過剰治療と言われている問題が起きているのではないか。


 理屈にならない、理屈をこねるのが、「東大話法」なんでしょう。

 フクシマが、このままなんの被害もなく推移すれば、坪倉氏もめでたく留学となるのではないでしょうか。おそらく。

 こうやって、人脈をたどるといろいろと見えてきますね。しかも、スポンサーが東電。できすぎていませんか?

■関連ブログ
1141.国内のみならず、外人までいる放射能安全教の司祭たち2014年08月22日
黒船は決してやってこない2012年04月28日
1206.俊才の集う「相馬中央病院」のなぞ2014年11月05日
1139.「よくわかる放射線教室」を正しく理解する2014年08月19日

posted by いんちょう at 23:14| Comment(5) | 原子力
この記事へのコメント
数日前に、韓国に単身赴任している夫から電話がありました。

「こちらで放送している日本語放送の中で、関東地区の子供を約1000人検査したら、700人位の甲状腺に嚢胞などが出来ているという結果が出たと言っている。ほんの少数が癌らしい」と、言うのです。

日本ではニュースになっていないと答えると、「こちらのNHKニュースでちらっと扱われただけだ」とのことでした。

ニュースにならないだけで、確実に健康に影響が出ているのでしょう。
私の姪の甲状腺にも複数の嚢胞があり、お医者様に「様子をみましょう」と言われて心細い思いをしているようです。

こんな状態で原発を再稼働させるのは狂気の沙汰ですよね。

Posted by 西日本から at 2014年11月12日 13:44
見事な分析です。

ぬまゆさん最初に診察して駄目な病院だったところですね。どうなったか心配です。

甲状腺手術急増しています
自分が待合室で甲状腺診断患者
隣に居るのが、2回も有る
のですから、凄い数です。

Posted by 農家 at 2014年11月13日 11:00
三号機爆発の時海上にいたロナルドリーガンの乗組員の手記です

http://www.utsandiego.com/news/2013/jan/12/are-sailors-symptoms-from-radiation/

訴えられるべきなのは、日本政府だけではありませんね

Posted by 水俣市から at 2014年11月13日 13:27
http://www.senmon-i.com/dpc/100020.html

甲状腺手術件数
自分の県でも50人以上手術してるのだから
当然隣にも居るわけです。

今年から日本中 満遍なく何処の大きな病院でも手術
していますね。

Posted by 農家 at 2014年11月13日 15:50
 日曜に登場したYahoo記事は、日本人の在英国際ジャーナリストが大平周平を取材したものでした。一回、ロンドンをくぐらせるところがポイントでしょうか。ただ、このジャーナリストも元産經新聞記者だったりするので、その程度のものですが。w
 山下俊一などの手垢のついた老兵を使うより、ロンドン留学中の若手の方がずっとイメージが良いですね。
 渋谷健司も、妻の母方の祖母はチッソの元社長にあたるので「日本の黒い霧」を思わせるものがありますね。

今やフクシマ安全の、御用記事の並ぶMARICも震災前は良い記事の多い興味深いメルマガでした。震災前に寄稿していた、きむらとも先生が今や、twitterやブログ上で上教授を公然と批判するという状況になっていて、時の流れを感じます。
 MARIC発足のきっかけが、大熊の前置胎盤の事件だったのは、今にして思うと大変印象深いです。先生や、正造先生が原発から出る放射能の影響の可能性を言及していまして、成る程と思いました。
 恐ろしい時代ですね。
 
Posted by イチジク at 2014年11月18日 22:04
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