2014年11月16日

1216.福島の甲状腺癌は、増えていない

2014111606.jpg・福島小児甲状腺が予想通り、急増。
・増えない→増えても大したことない→もともとあった と変遷
・チェルノブイリ以上に甲状腺癌の発がんは急増しているのに、いまだに被曝との関連を認めない福島の医学界。ウクライナの真逆

 福島で甲状腺癌が急増しています。元々は、「この程度の被曝では、甲状腺癌は増えない」と主張していたはずが、ついに「星人のガンを見つけただけだ」と福島医科大学は主張し始めました。

本県18歳以下甲状腺がん、チェルノブイリと別型
2014111601.jpg 福島医大の鈴木真一教授は14日、大阪市で開かれた日本甲状腺学会の学術集会で、県民健康調査の甲状腺検査で見つかったがん細胞の一部を遺伝子レベルで解析した結果、1986(昭和61)年のチェルノブイリ原発事故後に甲状腺がんになったベラルーシなどの子どもに多く見られた遺伝子変異のタイプとは異なっていたと発表した。
 同大によると、事故当時18歳以下の約37万人を対象にした県の甲状腺検査では、これまでに甲状腺がんと確定した子どもが57人に上る。このうち54人が同大で手術を受けた。報告ではこの中の23人と、同検査対象外の1人の計24人分(9〜22歳、平均17・9歳)のがん細胞の遺伝子解析結果について、67%が通常大人で甲状腺がんを発症した際によくみられる「BRAF」と呼ばれる遺伝子変異が見られたとした。
 同大によると、「BRAF」タイプの遺伝子変異は、チェルノブイリ原発事故の被ばくにより甲状腺がんになったとみられる子どもからはほとんど見つかっていない。一方、チェルノブイリ原発事故後に多くみられた「RET/PTC3」のタイプは24人中、1人も見つからなかったという。
 同大は大人と同タイプの遺伝子変異が高確率で見つかったことや、「RET/PTC3」の変異が見つからなかったことから、同調査による網羅的な検査で通常は大人になってから発見されるがんが、早い段階で見つかっていると分析した。(2014年11月15日 福島民友ニュース)
この分析が情けないのは、チェルノブイリと違うから福島は安全だと結論づけていることです。

 被曝当初に山下俊一先生が
2014111602.jpg「これから福島という名前は世界中に知れ渡ります。福島、福島、福島、何でも福島。 これは凄いですよ。もう、広島・長崎は負けた。福島の名前の方が世界に冠たる響きを持ちます。ピンチはチャンス。最大のチャンスです。何もしないのに福島、有名になっちゃったぞ。」
と発言したのを忘れたのでしょうか。世界中に知れ渡ると御大が発言しているのに、チェルノブイリの影に隠れようとしているとは情けない。

 実際のところ、この構図の恐ろしいのは、地元の医師達が被曝被害を否定するべく必死になっていること。ウクライナ(チェルノブイリ)ではどうだったか。

2014111604.jpgワレリー・テレシェンコ 内分泌代謝研究所:
私たちの研究所の所長が1989年にはウクライナやベラルーシで甲状腺がんの増加が見られるようになったと報告した時、IAEAやソビエトの科学アカデミーはこう言いました。
「超音波診断の精度があがったから発見数が増えただけだ」
そのように言ったのです。


2014111605.jpgDAYS JAPAN(2013/03)
 IAEAが小児甲状腺ガンは発症していないと発表した91年、ベラルーシ放射線医学研究所を訪れた佐藤幸男教授は、IAEAの報告とは全く異なる事実を知る。研究所のタラマ・ベローカヤ医師が「小児甲状腺ガンが前年だけで30例近くも発症している」と告げたのだ。他の研究所や病院でも同じことを言われたという。
 日本でもこのことはすでに知られていた。91年5月に、ミンスク小児血液病センターのオリガ・アレニコワ所長が来日し、私も講演を聴きに行ったが、そのとき彼女は、甲状腺ガンの発症率が激増したと報告している。それでもIAEAは、何の心配もない、放射能による病気は発生していない、と言い続けた。
 しかしある重要な研究報告が、イギリスの権威ある科学雑誌「ネイチャー」92年9月号に発表された。この報告は世界に衝撃を与え、前年のIAEAの報告を、一瞬にして覆してしまった。『ネイチャー』誌の報告は、2つの論文で構成されていた。前半の論文はIAEAの報告に危機感を募らせたベラルーシ放射線医学センターのドロズド教授を中心とする医師たちによる小児甲状腺ガンの症例報告だった。(中略)後半の論文は世界保健機関(WHO)のヨーロッパ支局とスイス政府が派遣した5人の医学者による視察団の報告で、最初の論文の正しさを確認するためのものであった。本来ならWHOが、放射線が関係する病気について発表するには、1959年の同意書により、IAEAの許可が必要なはずだったが、IAEAの影響下になかったスイスの甲状腺ガンの権威を味方につけることで、ドロズド教授たちは時代を動かすことに成功したのである。

 ウクライナ・ベラルーシの医師達は、被曝による影響をなんとかしてIAEAに認めさせようと必死の努力をしていたのに、福島県立医科大をはじめとする福島の医学界はIAEAの手下となって被曝被害を隠蔽する。なんと恐ろしい国家なのでしょうか。

 百歩譲って、もしこれが成人の甲状腺癌を単純に見つけただけだとすれば、100万人に1人とされている小児甲状腺癌の通説を切り崩すわけですから、国際的に通用する論文を作成して、それこそノーベル医学賞を目指すべきです。福島県立医科大学をはじめとする福島県医療をになっている方々は。それで、はじめて山下先生の「予言」が実現されるのですから。

■関連ブログ
1144.福島の甲状腺癌ついに、100名を超す2014年08月24日
福島の甲状腺ガン増加をチェルノブイリと全く同じ文言で否定する日本人医師たち2013年03月03日
甲状腺の基礎知識とがん(55分) 第7回院内勉強会2013年04月26日

posted by いんちょう at 19:53| Comment(12) | 原子力
この記事へのコメント
結果を見守りましょう
福島から人がいなくなったらそれが答えです

そのころ、日経平均は1万7000円を超えている
のでしょうか?

Posted by せやからゆうたろう at 2014年11月16日 21:19
人の命にかかわることで、、
非常に深刻な事態が起こっているにも関わらず、
それを責任者・管理者として分かっていながら、矮小情報を送ったり、緊急退避情報を出さず、何事も起こっていないと言うことや、その強要をすることは、殺人罪と同等です、IAEA(世界原子力機関)の場合、彼らは、今や、各方から白日の下に晒された、その殺人を、チェルノブイリでの、旧ソ連への口封じを通じ、それに、本邦に対しては、現在進行形で、やっている訳ですから、即刻、この組織は、潰した方が、人類のために、いいでしょう。でないと、何も知らずに、危険に近づく人が増え、命の犠牲者を、限りなく多くするだけなのです。実態、このIAEAと言う組織は、日本にとって、アルカイ―ダやイスラム国よりも、はるかに、危険な組織と見ます。非常に腹が立って来ました。安倍も、日本は、本当は、IAEAや核大国アメリカの植民地ではなく、独立国なのに、何が悲しくて、こんなヤクザ組織の言いなりになって、東日本での健康被害への隠蔽要請を、素直に受け入れているのでしょうか?ソ連は、旧東側、我々は、旧西側だから違うって言ったって、国民を救うのに、イレオロギーなどは、関係なく、チェルノブイリの案件では、彼らは、ごく、人道的に、IAEAからの悪魔の隠蔽要請を跳ね返しているのに。首相自身のIAEAに対してのビビりを、国内の報道・医学界・役人たちが、ドミノ的に、マネするじゃないですか。IAEA。そこまで、事故時に、後遺症を隠蔽してまで、原子力をやりたければ、国内外の推進屋を引き連れ、ロケットに乗せて、片道切符で、火星か水星に飛ばすしかありません。仲間どおしで、他の多くの国民・地球人に迷惑のかからない形で、大気圏外の向こうの星で原発をやってもらうのです。その前に、IAEAのトップ、天野之弥(事務局長)を、ウィーンから、緊急(永久?)帰国させ、小野先生のツイキャスか、国会に喚問し、自分の組織が、長年やって来たことを、洗いざらい、ゲロらせればいいのです。今の科学で、風評被害か健康被害か、なんて、検体持ち込めば、すぐにわかるのに(ナノテクで、周辺組織のDNA損傷含め、137Csなり、90Srが見つかれば、福島第一からの贈答品により、その人は、殺された、ないし、身体が傷付けられたことが確定します)、未だに、こう言う古典的な隠蔽恫喝をやってるなんて。他の方もそうでしょうが、本当に、激昂モノです。東北・関東の人間は、事故後3年8か月にして、私の知り合いも含め、多くの人が、亡くなっているのです!多くのデータがある中、彼らに釈明と活動実績を訊きたいです。
Posted by カズ at 2014年11月16日 22:38
福島医大の鈴木真一教授が何を言おうと、世の中の判断は、福島の小児甲状腺癌は原発事故により放出された放射性要素が原因と認識されており、それが世の正しい判断で定説です。
それが証拠に彼の発表は堂々と世に発表した訳ではなく、日本甲状腺学会の学術集会で言ったことです。つまり最初からのストーリー、原発事故と甲状腺癌は関係がないということを、福島医大で独占しているデータを、それに沿って繰り返したに過ぎませんから、海外のIAEAと日本の影響の無い研究機関で再検証しなければ、信用できるものではありません。
この発表は、福島医大が甲状腺検査と治療を何故独占的に行っているのか、と言う疑問に、この事実が答えています。
Posted by 足袋 at 2014年11月16日 23:09
フクイチ後、3年半
一緒に仕事をしていた協力会社の社長が、脳出血で、今年の春から療養に入っている。
ごく最近、他の社長もだ。
仕事にならない。
廻りは病人だらけだ。

身内も、亡くなったり、患ったり続いている。
皆、年のせいもあるだろうが、多過ぎ。

わが身も、今年、やたらと皮膚が弱くなったように感じている。
夏は、掻いた後がミミズバレになるし(いままで気にしたこと無かったのに)、目は結膜炎などと続いている。


Posted by uttegaeshi at 2014年11月17日 00:39
鈴木真一教授がゲノム解析の結果「福島はチェルノブイリ型ではない」と発表し、私的な学会発表の内容をNHKや福島民報がこぞって報道していますが、とても憂慮されるべき事態です。

そもそも、チェルノブイリに「チェルノブイリ型」なんてものはありません。

甲状腺乳頭がんは10歳以下の場合、病理組織的に充実性亜型をとることが多い。 充実型腫瘍では遺伝子表現型としてRet/PTC3が多くみられます。
ただし、年齢が上になるとRet/PTC1が多くなり、20代以降ではBRAF再配列が多くなります。

初期チェルノブイリでは診断時年齢は8〜11歳が中心であり、Ret/PTC3が多かった。しかし、現在のチェルノブイリでは患者の高年齢化とともに標準型乳頭癌が大部分を占めるようになり、
がん遺伝子としてはRET/PTC1、もしくはBRAFに移行しています。

これらのことから、最近の研究では、RET/PTC3再配列は被曝誘因癌のマーカーではなく、患者の低年齢と 関係しているとの指摘が多い(山下俊一氏)。

山下俊一、甲状腺癌における癌遺伝子の役割と分子標的治療
https://www.jstage.jst.go.jp/article/naika/98/8/98_1999/_pdf

福島で遺伝子検査を受けた症例は平均年齢18歳であり、現段階ではチェルノブイリの初期症例とは 10歳程度の違いがあります。福島でチェルノブイリと異なりRET/PTC3が発見されていないのは、両者の年齢層の違いに由来する可能性が高く、被曝起因か否かを判断する医学的根拠とは言い難い。

以上の議論は、下記ツイートでかなり詳しく分析されています。
https://twitter.com/cyborg0012
Posted by アゲハチョウ at 2014年11月17日 03:32
まだ、福島を中心とした疾病急増は、ほんのハシリだと思います。
今、あれやこれやと「フクイチ原発由来ではありません」と主張しても、あと5年もしないうちに異常な増加数が彼らの主張を完全に打ち砕きます。
アホみたいに負ける戦をなぜするのか解りません。時間稼ぎでしょうか?
当然、数年後、その時の言い逃れも用意していると思いますが?
Posted by uttegaeshi at 2014年11月17日 03:35
身の回りでもすごいでーす。

○近所の駐車場おじちゃんの奥さん
 心臓なんたらで入院50代
○喫茶店ともだちのおじさん
 葬式びんぼう 60代
○帯状なんたら2名
○こどもの担任
 急な体調不良 やすみがちー
○お客さんの60代70代
 老けがすごいでーす。
 ざっくり 1年で5才老けた。
○ラジオのパーソナリティー
 39℃の熱に扁桃腺えん。
○職人ともだち、目の手術。


感覚てきに
20人に一人 現れてまーす。
予備軍おおぜい。

生きてくための基礎知識
○日本国てきには認めませーん。
○だから自衛しないと危険でーす。
○急に深くなる海は泳ぐと危険でーす。
○カードローンは嵌まるなよー。

自分の子供に教えない親は‥‥まあいいや。

学校の前の回転すし屋は
       毎週々々、おお流行り。
Posted by 先生の本かったよ at 2014年11月17日 09:55
> 海外のIAEAと日本の影響の無い
> 研究機関で再検証しなければ、
> 信用できるものではありません。

勿論、原発事故後の、
健康被害検証などと言うのは、
原子力とか、核兵器とは、
何ら、関係のない、機関がやらないと
いけないと思います。
同時に、IAEAに関しては、
WHO(世界保健機関)にも、
原発事故と健康被害との相関に関して、
論文を書かないように、
圧力をかけていますので、
(当然、原子力のイメージが悪くなったら、
 困るからです)、
上記のような、中立側へのアクションを
妨害されないためにも、
それこそ、核大国擁する、国連を牽制した上で、
IAEA幹部を、人命無視・人権蹂躙で、
裁判所か国会に
喚問するしかないと思います。
それで、はじめて、安倍も、
福島第一の現場・食市場・
医療面での発症数含め、
日本で起きている事の実態を、
誰に気兼ねすることもなく、
国民皆に公開できるます。
つまり、これで、初めて、
我々の家族と自身の
命の安全が担保されます。
そう言う係争を日本側からやって来ると、
IAEAは、「何で、そんなことをした?!」と
日本に因縁を付けて来るかもしれませんね。
でも、IAEAって、
3000人程度の組織です。
日本の医療従事者(医者)は、その100倍の
30万人の組織です。
この人数比だと、
彼らへのビビり・畏怖なんて、
あくまで、想像・架空上のものであって、
政治家・役人・食の流通者・医者、全部が、彼らにビビる必要もなくて、本当の事を、
自然体に言っても、
自分達は、被害を受けない、悪い奴だけが、お咎めを食らう、環境にあり得ると、信じます。
IAEAが、文句を付けて来たら、
“正義”を発する、数の圧力で、彼らを
取り囲んでしまえばいいのだと思います。
彼らは、今まで、事故が起こることを承知で、原発を動かさせたり、隠蔽強要などと言う、
アコギな事をして来たのですから。
さらに話を進めると、ここIAEAは、ロシア・中国は非加入ですし、日本も、原爆被投下国と言うことで、脱退した方がいいのかもしれませんね。入っていてても、“100害あって、1利なし”だし、今後を考えれば、命が助かる者まで、助からない、と思う。我が国は、かつて、国連の前身組織の国際連盟をも、脱退したことがありますし。
Posted by カズ at 2014年11月17日 18:04
https://www.youtube.com/watch?v=Q5gBWS9xxJo&feature=youtu.be

チェルノブイリの頃の汚染出さえも結構凄かった。
埼玉大学の先生解り易い
15分4部作 ヨウ素Iー131は生体濃縮?
Posted by 農家 at 2014年11月22日 17:56
あと、2年で事故後5年
日本にはどのような未来があるのでしょうか。

私は事故当時、東京在住でした。
成人ですが、体の変調は沢山ありました。
今でも咳は治りませんし、違和感があります。
事故後には不整脈の頻発、常に100未満であった血圧は150以上になる事もあり、人生で初めての経験でした。
それだけではなく、変化は他にもありました。

周辺にそうした変化を感じる人は少なく(そもそも血圧を測る人が無に等しい)
私だけなわけはないと思いつつも、原因は原発以外に見当たらない現状に
ストレスの緩和に首都圏の田舎に移りましたが、あまり良い状態ではありませんでした。
現在、海外にいます。
時々日本へ行きますが
血圧は正常時に戻りました。

原発の無い日本、まともな日本に
なってほしいです。
Posted by N at 2014年11月25日 14:04
関東で、18歳以下の子供達1818人の甲状腺を検査したら下記のような結果が出ました。

正常と診断された人・・・672人(約37%)
小さなしこりや嚢胞がある経過観察の人・・・1139人(約62.6%)
一定以上の大きさのしこりがあり要検査の人7人(約0.4%)

11月6日のニュースです。


我が子には語学力をつけさせたいけれど、海外で少数民族として暮らす苦労も知っているので、さまざまなことを考える毎日です。

Posted by ニュースより at 2014年11月25日 17:03
命あっての物種かな?
Posted by 西日本 at 2014年11月25日 17:04
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