2014年11月20日

1219.減り続ける日本の人口と増え続ける悪性疾患

2014112001.jpg日本の人口減少が高齢化だけでは済ませられないスピードで続いている。
・順天堂大学が発表した急性白血病疾患患者数は、2011年から2013年で6名から22名と3倍以上増え、高倉健の罹患した悪性リンパ腫も86名から231名に同じく3倍以上ふえている
・DPC採用病院で見ると、2011年->2013年で白血病、甲状腺癌、食道癌と軒並み5割以上の増加が見られる。


 総務省が人口動態を毎月発表していますが、311以降激減し最近では前年同月比20万〜25万の減少がもはや当たり前となってきています。(増えるのは、65歳以上人口のみ)
人口推計(平成26年(2014年)6月確定値,平成26年11月概算値) (2014年11月20日公表)
≪ポイント≫
   【平成26年11月1日現在(概算値)】
<総人口> 1億2708万人で,前年同月に比べ減少 ▲22万人(▲0.17%)
   【平成26年6月1日現在(確定値)】
<総人口> 1億2711万3千人で,前年同月に比べ減少 ▲21万3千人(▲0.17%)
・0〜14歳人口は 1628万6千人で,前年同月に比べ減少 ▲16万7千人(▲1.01%)
・15〜64歳人口は 7817万7千人で,前年同月に比べ減少 ▲113万3千人(▲1.43%)
・65歳以上人口は 3265万人で,前年同月に比べ増加 108万7千人(  3.44%)
<日本人人口> 1億2548万1千人で,前年同月に比べ減少 ▲25万8千人(▲0.21%)

 原発事故後人口が減少するのはチェルノブイリでも見られた現象ではありますが、日本は早すぎます。

関東にある順天堂大学血液内科が、年度別の血液患者の内訳を公開しています。
外来新規患者内訳 左から右へ 2011,2012,2013(暦年)
2014112002.jpg2014112003.jpg2014112004.jpg

 悪性リンパ腫が最も多いのは、当然なのですが、総症例数の激増、そして急性骨髄性白血病もまた激増していることがわかります。この病院だけですと、単に診療体制の充実がその原因と言う人もいますので、DPC採用病院の年度推移を調べてみます。(*主病名だけで、診療報酬が決まる急性期病院−大半の大学病院、大病院が含まれる)

急性白血病
2014112005.jpg
目につくのは、
・8埼玉県立小児医療センター の新規ランキング入りと
・9兵庫県立こども病院 の激増

そして、トータルの人数を見てみますと、12,820 =>15,498 => 17,015
とかなり増加していること。

同じように、
甲状腺癌食道癌心筋梗塞の総件数は、
2011 2012 2013
白血病 12820 15498 17015
甲状腺 10816 14909 15635
食道癌 33548 45045 49174
心筋梗塞 35411 46109 51947

これでは比較しにくいので、2011を100としてグラフにしてみますと・・・

2014112006.jpg(\Nuclear\2014DPC分類.xls)

 いずれの疾患2011年と2013年を比較すると4〜5割程度増えていることがよくわかります。このサイトでいろいろと調べると何か見えてきそうです。

 もっとも、本格的に分析するには、このデータはDPCに入っている病院のみを対象としていますので、正確な数字とは言えないでしょう。しかし、一般的に難治性の疾患を入院加療する病院はまずこのDPC採用病院に入っておりますので、それほど大きな誤差はないと考えます。治療・手術実績の集計条件についてをご覧ください。厚労省の資料が基ですので、調べる気になれば、平成22年度以前についてもデータを取ることはできそうです

■関連ブログ
1102.2014.06の人口動態と訃報2014年06月24日
チェルノブイリから五年後に起きた広範囲の人口減少2012年10月10日

タグ:人口 白血病
posted by いんちょう at 23:32| Comment(17) | 原子力
この記事へのコメント
小野って吐き気がするほどの差別主義者だけどいいデータを出してくるよね
Posted by . at 2014年11月21日 02:16
 流石お医者さんですね。こういうデータ取りはお手の物って感じですね。
 tosihi tomiとは違うな。彼は何所までも人の採ったデータを基に感想を書いているだけだからね。
 それにしても中京など多少は安全と思われてきた地域から西の方もヤバクないですか?増え方が半端じゃないですよね。こんなに地域差出ないんですねェ!?
 こりゃあ小出先生がおしゃっているように「日本は変わってしまったんです。」という言葉に信憑性が生まれてしまったことになりますね。
 悲しい事に本当に日本は「違う世界に入ってしまった」んだなぁ、、。
Posted by 武尊43 at 2014年11月21日 02:17
またデータをよく見もせずに、不安を煽ってますね。

>8埼玉県立小児医療センター の新規ランキング入り
ここは、H23以前はDPC未採用です。
他の疾患についても報告していません。
http://www.senmon-i.com/detail/1100370_9.html

>9兵庫県立こども病院 の激増
18 静岡県立子供病院では、H22:
175>H23:200>H24:125 となっています。

>そして、トータルの人数を見てみますと、12,820 =>15,498 => 17,015
とかなり増加していること。
順天堂大のデータは「人数」ですが、DPCは「診療実績」です。
急性白血病患者が1人出れば、かなりの回数の診察と治療がなされ、その度に「診療」となります。
また、H24からDPCを採用した病院が
48、76、88…と40病院以上です。
報告する病院数が増えれば、診療実績も当然増えます。

>しかし、一般的に難治性の疾患を入院加療する病院はまずこのDPC採用病院に入っておりますので、それほど大きな誤差はないと考えます。
報告された診療実績としてはこのデータ通りですが、ここ3年で急激に増えたかといえば、それは言えません。
Posted by よし at 2014年11月21日 06:34
>順天堂大学が発表した急性白血病疾患患者数は、2011年から2013年で6名から129名と20倍以上増えている

2013年の129名は「貧血」です。
ちゃんとデータ見てください。
Posted by よし at 2014年11月21日 07:27
先生〜、
いつも多忙の中、情報ありがとうございます。

ーーーーーー

先日はどこいっても
「高倉健」話しが多かったです。
よく行く喫茶店では、
モーニングの常連さん達も
「不器用ですから」「映画」ネタで随分はなしてました。
50代〜70代でしょうか。

ボクなどは
「リンパだよ、リンパ」
「1年前の天皇じゅよ式、元気なのに」
「他の政治、税金ニュース消えちゃったね」
「人口減って、日本メ○トの現れだね」

言いたいのに、入れませんでした〜。

ーーーーーー

モーニング時間
新聞読んでる定年組(サラリーマン、公務員)に
ちょっとため息(+o+)
Posted by 先生の本かったよ。 at 2014年11月21日 08:53
人口減少については、役人が震災前に予想した通りに減少しています。田原総一朗が、かなり早期に人口減少対策の必要性を鋭く指摘していました。

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/trend/20120118/117046/?rt=nocnt

このこの記事の中にある以下の表が分かりやすいです。

http://wol.nikkeibp.co.jp/article/trend/20120118/117046/?SS=zoom&FD=1580154321&n_cid=nbpwol_else

オリジナルは、こちら。

www.mlit.go.jp/common/000135837.pdf

これによると、2004年から2030年までは平均で一年間あたり50万人程度、2030年から2050年までは平均で一年間あたり100万人程度、減ることになります。まだまだ序の口にすぎないようです。
Posted by Voyager at 2014年11月21日 09:04
2010年からの比率では
10倍以上かな

2009、2010
辺りからのグラフをお願いします。

さくっとチェルノ超え
九州、大阪瓦礫焼却の影響有りそうですね。
拡散して責任逃れの大事な事業であった。

九大病院では小児甲状腺手術
30年間で1例とか
今はかなりやられているようですね
とにかく子供手術は大変らしいです。
Posted by 農家 at 2014年11月21日 12:43
この先、日本は、人は減るけど、廃炉やら高レベル核廃棄物などの保管といった、原発の尻拭い関連に金や手間がかかる時代に突入するのですよね。
果たして、半永久的ともいえる核廃棄物の保管を維持する事ができるのでしょうか?
Posted by 新潟県民 at 2014年11月21日 13:10
急性白血病のランキングですが、肝心の福島県で検索しますと増えていません。逆に減っています。
健康被害を否定する側ではないですが、いまいちはっきりとしませんね。
Posted by 通りすがり at 2014年11月21日 14:26
「環境省は21日、東京電力福島第1原発事故の避難指示区域で、東日本大震災の大津波で陸に打ち上げられた漁船70隻の解体、撤去に着手した。(略)放射線量が高い同区域内では放置されたままになっていた。同省によると、船の放射能汚染の度合いは低いため、解体後に出る鉄などの大きな廃棄物は一般の処理業者で処理可能という。」

この後、何になるんでしょう・・・。
お願い。
フライパンとか止めてね。

「ろう細工のように全身が真っ白のミナミマグロが入荷した。 
このマグロはインドネシアのバリ島から空輸されたもので、重さは約118キロ。卸会社では「水揚げしたときから白かったので、生まれつき色素が抜けていた魚ではないか」と話している。」

バリ島もかなぁ・・・・。 

Posted by 風 at 2014年11月21日 14:33
未だに、小野先生のブログが「不安を煽っている」というコメントがあることに、むしろ驚いてしまいます。

広島の原爆で核分裂したのは約1kg。
チェルノブイリは稼働間もない原子炉ひとつ。
福島では、古いものが4基も壊れました。中の燃料が何トンあったか数字を見れば、未曽有の健康被害とそれに伴い人口減少が起きるのは誰にでも想像出来るように感じます。
小野先生には、データをご紹介頂き、感謝致します。

海外では、沢山被曝した子供達の脱毛した様子や黒っぽい斑点が出来た腕などの画像が放映されているそうなのに、日本では全く取り上げられないのはなぜでしょう。
英語圏の番組ではないので、私も動画を探していますがまだ見つかりません。

Posted by 西から at 2014年11月21日 23:17
ずっと数年間人口増加傾向であった
右肩上がり

拡大して見ると良く判ります。

事故の年から減り始め事故でドンと下がった。
3年で80万人以上減少
1/47県 中小県が消えた感じ
Posted by 農家 at 2014年11月22日 10:57
人口減少ですが、事故前に、田原さんが引用していた総務省からのデータだと、2004年から人口減に転じていま。しかし、実際には、2004年から2011年にかけては、人口は増加傾向。その後、事故からの3年間が、コンスタントに落とした傾向になっています。
http://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/.../shiryou_01.pdf
の2ページ目の所が、リバイズされたデータ
ですが、今とトレンドが似て来ていることを思うと、この時点で、彼らの、こう言ったデータを策定する時に、医療からの本音を訊くはずなので、福島第一での健康被害を、暗に加味されたように思います。出生率回復と移民受け入れが無ければ、2110年(今から96年後)には、日本の人口は、今の1/3の約4000万人まで、下がると言うことです。
今で、年間25万人の減ですが、この先96年間は、87.6万人/年の比率で人口は減って行く予想なので、人口の高齢比率が高くなっていくこととあいまって、加速度的に、廻りで、どんどん、葬式が出ます。
それで、当の健康被害の是非の議論ですが、順天堂大の病院のデータで言うと、あくまで、血液内科の新規患者数内訳が、2011年累計の220名から、2013年累計の876名に増えているので、4倍の増です。また、小野先生の言われるように、この年度間で、心筋梗塞・脳梗塞・甲状腺がん・白内障などが、4〜5割程度一気に増えています。統計取得する際に、DPC(診断群分類包括評価)を採用した病院が増えていると言われた方もおられます。実際、平成15年の82件から、同21年の1278件までは、急激に増えていますが、それ以降は寧ろ横ばい、特に我々が議論している、福島の事故(2011年)後は1500件台と、ほぼ変化なしです。http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%BA%E6%96%AD%E7%BE%A4%E5%88%86%E9%A1%9E%E5%8C%85%E6%8B%AC%E8%A9%95%E4%BE%A1 と、いうことは、名医ナビからの各地の病院の診療実績のデータも、年度を渡ったにしても、平等に評価できる訳で、その中で、こういう急激な上昇があったと言うことは、福島の事故に優位な健康被害しかないと考えます。(他に何か、理由がありますか?急に日本が寒冷化して、脳梗塞が増えたとか?事故からはとうに一段落しているのに、心室細動を励起させるような、国家的なストレスがあったとか?白血病だって、国民の多くが、水晶体を濁すような原因を作りましたか?ステロイド投与とか、みんな一気に老化とか?甲状腺がんだって、髄様癌などだと、遺伝的ファクターもありますが、僅か2〜3年で、それにバイアスがかかるとはあり得ない話です。だから、消去法で言ったって、数々の重症を増やしてくれた、犯人は、"げ"からの"ほ"(
福島第一原発からの贈り物であり、放射能)しかないのです。安倍に言いたいですね。「東京に住んでいる訳だから、廻りの多くの病院で、満員御礼になっていることは、解り切っているのに、何を、この後に及んで、隠そうとしますか?」と。「国民に、全部、バラして、被害を最小限に留めようとするのが、あなたの仕事でしょう。」、「たまには、国民を代表して、いろいろ日本に言って来るIAEAと喧嘩して下さいよ。」とも。と、言うことで、この魑魅魍魎の世の中、選挙には、現在進行形の事故の現況(工事現場と医療現場)を全部、国民にタイムリーにバラして、即刻対策に入ってくれる人と、再稼働は、当然、この惨憺たる現状で、見送ってくれる人(ここで、一部利権のためだけに、再稼働をしようとする人間など、有権者の命を命とも思っていないのだと思う)を選びたいですね。
Posted by カズ at 2014年11月23日 19:06
起きうるべき自然増減のことを議論してもし方がないので、
病気の有意性ありかなきかの判断にする方法があります。
"国内 脳梗塞 心筋梗塞 発症者数 推移"
で検索をかけると、トップに現れる、0−国民健康保険中央会 
www.kokuho.or.jp/hoken/.../lib/30th_sympo_miura.pdf
の4ページに、過去の心筋梗塞、脳梗塞、癌での死者数の推移が、また、
"国内 白内障 年次 発症者 推移" で検索をかけると、
やはり、トップに現れる、平成23年患者調査 − 厚生労働省 の
www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/kanja/.../h23syobyo.pdf
の33ページに白血病の患者数の推移(3年ごとに集計)が、
昭和59年     4.3 (千人)
昭和62年     4.5 
平成2年      5.4
平成5年      5.7
平成8年      6.8
平成11年     6.7
平成14年     6.5
平成17年     6.5
平成20年     6.9
平成23年     6.9
と、
さらに、その43ページに白内障の患者数の推移(同3年ごとに集計)が
昭和59年   116.5 (千人)
昭和62年   109.3 
平成2年    111.0
平成5年    120.4
平成8年    130.8
平成11年   133.9
平成14年   107.8
平成17年   109.6
平成20年    79.2
平成23年    91.5
が書いてあるが、
何れの症例のグラフや表を見ても、
今回の福島の事故後のように、2年程度で
4割だと5割だの、大きく増減したケースはない。
したがって、厚労省は、この原因を追究して、
本当のことを首相に報告せざるを得ないのではないか。
選挙後も、安倍が首相をやるのかどうかは知らないが。
(過半数取れなければ、退陣すると言っている)
敢えて、もう一つの関心を言うならば、小野先生がグラフ化された
各種病気の2011年から2013年までの間の3点のグラフで、
発症の2回微分値が+側(真ん中がぼこっと上向きに
膨らむ)のグラフになっています。実際、私がプロットしてみても、
その通りなのです。でも、チェルノブイリの事故例では、
逆に、事故から年次を経るにつれて、その2回微分値が‐のグラフ
(徐々に実数が上昇していく)になっていて、
何故そんな差異が出るのかなあ(名医ナビに訊いてみても、答えがなかった)
と、引っかかっている処ではあります。
Posted by カズ at 2014年11月23日 20:11
意味が不可解な名前の商品です。

http://www.fastpic.jp/viewer.php?file=9768788192.jpg

このような商品名が通用しているわけですから、健康被害はますます深刻化が必須でしょう。。。もう涙も涸れそうですね…
Posted by akyoya at 2014年11月24日 15:17
 小学生の娘さんが二人いる東京の方がDJのネットラジオを聴いていたら、長女が転んで骨折と。彼女が治りかけた頃に、次女も転んで骨折だと。同じ整形に通っているそうですが、病院の方も何とも思わないものなのでしょうか?
先月、NHKのラジオ深夜便で広島の被爆者の女性の話を聴きました。結婚のときに被爆者だというので大変な反対にあい、それでも結婚したら「子どもだけは産んでくれるな」と義理の両親に言われたそうです。偏見等を乗り越えようと、意地で産んだ娘は生まれつき心臓に障害があったそうです。本人も妊娠中は酷い貧血になり、産後は心不全にもなったそうです。
根性論だけではやはりどうしようもない問題だと思います。
今ならさしずめ「風評」と言ったところでしょうか。
知人が白血病になったり、子どもは多指で産まれてこないかと心配したり、今聴くと、手に取るように深く理解できますが、以前であれば興味関心も特にないですし、上滑りにしか理解できなったと思います。
 今のフクシマの報道では、かわいい中高生の女の子が登場して「原発のことだけじゃない福島を見て欲しいんです!」などの記事を見ます。この子達が妊娠、出産適齢期になった時には一体どうなっているのだろうかと思います。
子どもを産むかどうかと言ってられるような健康状態にあるのかどうかと考えてしまいます・・・。
聴いていませんが24日にはNHKラジオで発達障害についての特集番組があったようです。
http://www.nhk.or.jp/radiosp/kakekomi/
Posted by イチジク at 2014年11月27日 22:23
オーストラリアでウサギを駆逐しようと、薬を撒いて99.9%殺したけど、0.1%が繁殖して元に戻ったとか。ホモサピエンスもウサギほどじゃないけど繁殖凄いですよね。地球環境を破壊しただけで人類は滅びないかも・・・。
せめて何が間違っていたのか、次の世代が気づくように願います。まぁ、生きていればですけどね。
Posted by 既視感 at 2014年11月28日 10:08
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