2015年02月14日

1247.H8/3069Fマイコンを使って、WOLリピータ, Dynamic DNS 通知マイコンを作成する

2015021403.jpg・インターネット外からLAN内のパソコンに電源を入れるには、Wake On LAN Reapter等と呼ばれる機器を設置する(約1万円)か、BuffaloのルーターなどにPPTP等を通じてアクセスして、電源を投入する必要がある
・接続のたびに変更されるインターネットのIPアドレスに、いつでもアクセスできるようにするDynamic DNSサービスというサービスがある。
・これらの機能を4000円弱のH8/3069Fマイコンで実現したので紹介したい。


 本日は毛色を変えて、マイコンボードを紹介したいと思います。パソコン、iPadなどのタブレットは皆さんご存じでしょうが、それとはひと味違うコンピュータに通称(マイコン)と呼ばれる組み込み用のコンピュータがあります。大昔は、それこそワンボードマイコンでも10万円以上したものですが、最近は急速にやすくなって、6,000円以下で入手できるようになってきました。

 代表的なところでは、Rasberry Pi
 USBのマウス、パソコン、HDMIのモニタ、SDカード、LANインターフェースなども含まれていますので、一台のパソコンとして十分利用できます。(ただし、Windowsなどは動作しません)


ちょっと古くは、Arudino
いずれも安価なワンボードマイコンであり、ネット上をググればいろんなマニアがいろいろな用途に利用しているのを見ることができるでしょう。


 私は、医院と自宅が少し離れているため、ときどきお互いのパソコンをリモートアクセスしたいことがあります。その当たりの経緯は、以前ホームページにまとめていました。この中に紹介しているWOL Repeaterをつくろうの記事をみて、問い合わせがあり、いろいろと調べているうちに、Dynamic DNSの書き換え機能を追加しようと2週間ほどはまっていました。もちろん、統合環境、プログラムのことなどすべて忘却の彼方でしたので、自分のホームページを見ながら、勉強しつつ。もう、C言語のことなど、すっかり忘れてしまってましたし。

2015021401.jpg これが、使用しているH8306/FマイコンLANボード 秋月電子で\3750円 私は、MES 2.3r18 を用いてプログラミングをしたのですが、ネット上にも今やほとんど情報がありません。Rasberry Piの方が遙かに豊富です。なにしろ、Linuxが稼働するのですから、低レベルのプログラムなど書く必要がなく、公開されているライブラリーを使えばほとんどのことが可能となります。
 実際、WOL Repeaterとして発売されている商品を見ますと、ベースはRasberry Piで1万円程度。やっていることを見れば、これでも十分安い気はします。しかしながら、以前H8/3069FでWake On LAN Repeaterを作り上げていましたので、コイツで何とかしてやろうじゃないかと、腕力+ネットの力で作り上げました。
 若干手間はかかりますが、このH8マイコンの消費電力はどう考えてももの凄く少ないので、エコでもあります。

 今回作成したプログラムは、二つ

1.停電復旧・LANトラブルなどに対応したWOL Repeaterのみのプログラム
2.autoexec.bat内 の ID passwordを編集することによって、Dynamic DNSサービスの一つであるmydnsを自動更新させることができる。Global IP addressの取得サイトを利用

です。
1. wol.zip
2.wolddns.zip

 注意点をいくつか
H8/3069FのROMに書き込むためのプログラム(H8flush)が、Windows7では上手く動作しません。Xp以前のパソコンをお使いになるか、ネット上でプログラムを検索してみてください。ルネサスが公開しているとの情報もありますが、実際にプログラムまでは私にはアクセスできませんでした。
マイクロテクノ様公開の「SendTool 1.1 改良版V3」が、Windows 7に対応しています。SendTool.exe
・RS-232Cのインターフェースが現在ついているパソコンは非常に少なくなっています。USB-RS232C変換ケーブルもありますが、相性がかなりあるようです。購入の際には十分にお気をつけください。
・wolddns.zipのプログラムの使い方は、同梱してあるcontents.txtをご覧ください。変更の必要があるのは、mydnsサービスのIDとpasswordです。更新時間に関しては、お好みでお願いします。
・IP Addressの取得には、公開サービスであるhttpbin.orgのサイトを利用しています。このサイトが何らかの原因で廃止になった場合には、チェックができなくなります。

2015021402.jpg H8/3069F にちょうど良い大きさのケースが100円ショップセリアに クリアケース ミニ(L-8033) として販売されています。穴開け加工は必要(アクリルなのでちょっと大変?)ですが、大きさは文句なし。


 現在新規購入するのならば、上記で紹介しましたWOL Repeaterを強くお勧めしますが、どうしてもこの部品点数の少ないH8/3069F製品がほしい場合は、7,000円(送料、税込み、電源付き、ケースなし)で販売いたします。また、H8/3069F を既にお持ちの方は、2000円(返送込み)で書き換えを行います。詳細は メールでお問い合わせください。 なお、mydns.jpの取得は、ご自身でお願いいたします。
(上記公開プログラムを使えば、自力で作成することが可能です。)

(参考リンク)
H8/3069RF
やまねこのマイコン実験室
WOL Shooter の製作
Micro Embeded System/MES(H8/OS 5.0)
H8-3069ネット対応マイコンにMESを入れる
「WOL Bridge」を作る


posted by いんちょう at 20:15| Comment(2) | 日記
この記事へのコメント
小野先生。こんにちは。
elfは、Linuxで動く、
バイナリ―ファイルですよね。
今は、マシン後で、16進を並べたり、
アセンブラで組んだりしなくても、
コンパイラの名前は、知りませんが、
C言語に近い言語で、組めるんですね。
但し、main()以外に、
elfヘッダも、sectonヘッダも
構造体で、定義しないといけませんね。
小野先生が、秋月のファンだとは知りませんでしたが、
私も、PICのライタとプログラマ
(editorはVisial StudioかMplab,
コンパイラは、CCS-Cで、
Hexファイルを作っています)
を秋月で買って来て、
LEDフラッシング、赤外線送信や、
ステッピングモータを回転させたり、と
いろいろ、独自ボードを作っています。
Arm(RiskタイプのCPU)や
FPGAの開発ボードは、マルツパーツで
手に入れています。
今は、いい時代になりましたね。
小野先生が言われるように、
これら、ボードの開発ツールが、
全部、数千円の時代になったし、
各種C言語や、ペリフェラルのデジタル&回路設計&シミュレーションツールが、ただで、
しかも、期限なしで、
ダウンロード出来るので。
前者は、ターゲット特化の奴も使っていますが、Borland C++かVS2005で、
後者は、LTSpice(以前は、Multisimなども使っていましたが)を使っています。
こう言う、作業をしていると、信号の動作は、
必ず、
オームの法則や、クーロンの法則、
マクセルの方程式に従って、動きますので、
アホで訊かずの、ロジックになっていない、
好戦的な、
国民を見ず意地だけでやっている政治家や、
それ付きの役人に、対峙しているよりは、
気が楽で(気が滅入らない)、
楽しい面があると思います。
Posted by 浮き船 at 2015年02月16日 21:48
今週は、ずっと、学生用の教材として、
スペクトルアナライザを作っていました。
DFTとFFTと両方、使えるようにしました。
音声ないし、通信の受信区間で、ずっと、周波数ごとのパワーをフォローする
ようにしました。これから、PICを通して、回路に実装します。
別途、時間-振幅情報から、周波数-パワー情報に変更された信号を、
IDFT(逆離散フーリエ変換)して、元の信号に復元するプログラムも
作って、音声で、確認していました。
(フレーム内でのサンプル数Nが256。一応、訊けるには、訊けます)
窓関数やN、フレーム間のオーバーラップを変えるなどして、
また、時間を見つけて、インプルーブしていくでしょう。
工学をやっている分には、更生要件を満たさない、
悪党に対峙する必要性がないので、気が楽です。
Posted by 浮き船 at 2015年02月19日 21:43
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