2015年08月07日

1297.無事に終わった3号機燃料交換機取りだし

2015080701.jpg・「不発弾処理」と同じく周囲の作業をすべてストップさせて行われた1F-3燃料プールからの燃料交換機取り出し作業が無事に終わった
・情報公開には後ろ向きの東電が、即日、写真の公開、動画の公開をしたところから、この作業の重要性、危険性が逆に伝わってくる
・この燃料プールの中には、10万年以上の管理が必要な使用済み燃料が未だに500体以上放置されたままであることを忘れてはならない。

<福島原発3号機>プール内の巨大がれきを撤去
毎日新聞 8月2日(日)15時9分配信
 東京電力は2日、福島第1原発3号機の使用済み核燃料プール内に沈んでいる巨大がれきを、大型クレーンで引き上げて撤去した。誤って落下すればプール内の核燃料の損傷など重大事故につながるため、周辺の廃炉作業が少ない日曜日を選んで実施した。
 巨大がれきは、核燃料を移動する「燃料交換機」という大型設備。重さ約20トン、長さ14メートルあり、プール内最大のがれきだった。プール上に設置されていたが、原発事故の水素爆発でプールに落下した。

 作業でがれきがプール設備に接触して損傷すれば、燃料を冷やすプールの水が漏れる可能性もあったため、予備の注水ポンプを用意するなど厳戒態勢で臨んだ。3号機プールには566体の核燃料があり、東電は2017年度から取り出しを始める。【斎藤有香】

 あの情報公開に後ろ向きの東電が、終わったと同時に間髪を入れずに発表。逆に、どれだけ危険な作業だったのかを知らしめることになった。動画も即日公開している。


こちらから、ダウンロードできるが、ファイルの大きさは全く変わらないのに、わざわざwavをZip圧縮かけている。嫌がらせとしか思えない。

燃料クランプが変形していると8月4日にも公開

これだけの公開が直ちにできるのであれば、それ以外に対してもずばずばやっていただきたいもの。

 疑問が残るのは、ほんのわずかのプール状態しか見せないこと。なぜ、全景がわかるようなプール像を公開しないのか?東電はプール全体像も当然わかっているはずなのに。(核燃料の一部が核爆発の際に飛び散って、もはやプールに残っていないと私は考えている)

 そして、この3号機にとりつける屋根が公開された。


燃料取り出しカバーを公開2015080702.jpg福島第1原発3号機プール

 東京電力福島第1原発3号機の使用済み核燃料プールからの燃料取り出し作業に向け、東電は7日、福島県いわき市の小名浜港で、燃料をつり上げるクレーンなどを備えた組み立て中の「燃料取り出し用カバー」を報道陣に公開した。

 カバーは燃料の取り出し作業に伴って放射性物質が飛散するのを防ぐことなどが目的。高さ約24メートル、横幅約60メートルの円筒形で、カバー内のクレーンで容器をプール内に運び入れ、水中で燃料を詰めて運び出す。3号機のプールには、566体の燃料が残っている。
(2015/08/07 18:03カテゴリー:科学・環境)


 これぞ、まさしく チェルノブイリで行われている石棺工事の屋根ではないか。
2015080703.jpg海外の原発事故 写真特集

 溶けていない核燃料でさえ、10万年の管理が必要とされ、事故後4年たつのに未だに壊れかけている建屋に放置。さらに、原子炉内にはその溶融燃料が地中にめり込んでしまっている。

 いちえふ 周囲は真夏でも霧で覆われ、「浜通り特有の霧」と称されているが、私が浜通りに住んでいた 1988-1993年の間、真夏の晴れた真っ昼間に「浜通り特有の霧」など一度も見たことがない。これは、311以降に初めて現れた「浜通り特有の霧」ではないか と想像している。なにしろ、地中には数万年は冷えない核燃料がめり込み、地下水が豊富な地域なのだから。

関連ブログ
1296.核爆発を起こした1F-3燃料プールからの燃料交換機取り出し作業2015年08月02日
原子力発電入門(9)−プルトニウム・・神話を超える管理2011年08月17日

  
タグ:1F-3
posted by いんちょう at 20:25| Comment(10) | 原子力
この記事へのコメント
福1とは今後、順調に行って 数世代の付き合いになるかと考えています。
その前に日本が潰れなければ。
Posted by 温泉天国 at 2015年08月08日 14:06
先生ご指摘のようにまずまずでした、今回の3号機の処理は。私なんかも緊張しましたが全国の放射能値一覧表でも極端な上下動がありませんでしたから、無事に終了したんだなと一安心の気分でした。

結果が良かれ悪しかれ、正確な速報を出す義務が東電にはありますね。皆さんの目は肥えてきていますからいい加減なガセネタなんかでは、納得なんかしませんから。

3号機向けの取り出しカバー、見た瞬間に私もチェリノブイリを思い出しました。よかったですね、いいにつけ、悪いにつけ前例がありましたから。

五輪のように餓鬼でも判るようなぱくりじゃないかと罵られても、之ばかりは許して下さいと謝るしかないでしょ。
Posted by ハマの住人 at 2015年08月08日 19:12
8月7日、新潟日報朝刊より

●柏崎原発の審査優先
 規制委 6、7号機の設備面

 原子力規制委員会は6日、原発再稼働の前提となる審査を受けている沸騰水型軽水炉(BWR)4原発5基のうち、東京電力柏崎刈羽原発6、7号機の設備面の審査を優先して進めることを決めた。8月末までをめどに当面の審査で必要な説明資料を東電に提出させ、審査会合を集中的に開いて柏崎刈羽の審査を加速させる。
 規制委はこれまで、事故を起こした東京電力福島第1原発と同じBWRの柏崎刈羽原発6、7号機、東北電力女川2号機(宮城県)、中部電力浜岡4号機(静岡県)、中国電力島根2号機(島根県)の4原発の設備面に関し、並行して審査を進めてきた。
 6日の審査会合で設備面の審査を担当する更田豊志委員長代理は、今後の審査の進め方について「各原発に特有の話もあり、個々に議論を進めて行きたい」と切り出した。個別の議論を4社並行で行うと時間がかかって非効率とし、「当面は柏崎刈羽6、7号機に集中したい。他の原発はその経過を踏まえて審査すれば効率的だ」と提案した。
 更田氏は柏崎刈羽を優先する理由として、他の原発より原子炉の設計が新しいことを挙げ、「今までの(審査会合での)議論の内容などを踏まえた」と述べた。会合後、規制委の青木一哉管理官は、BWRの中で柏崎刈羽の審査申請が最も早かったことや、説明資料の準備が他社よりやや早いことなども踏まえたと説明した。
 規制委は設備とは別に地震・津波対策に関する審査も進めている。更田氏は「地震や津波の審査状況とは無関係なので、審査合格の順番とは当面、関係ない」と話した。

・・・もっともらしい事を理由として言っておりますが、結局東電救済が一番の理由なんでしょうね。
川内原発の再稼働もいよいよ迫り、ある意味再稼働への追い風が吹いているこのタイミングを逃さないように、てな感じなのでしょうね。
 
話は変わりますが、東電が新潟本社を設立したのに伴い、新潟の民放では東電のCMが頻繁に流れるようになりました。だがしかし、相変わらず何を言いたいのか分からない、極めて曖昧な物でして(苦笑)。このCMのコピーを考えたのは、超一流広告代理店のコピーライターのはずなのですが・・・。
「俺たちの社益のため、もとい国益のために、越後のド田舎者どもはさっさと柏崎刈羽の再稼働に同意しろ!それでいざという時には捨石、もとい犠牲になってくれ!!でもそうなっても、俺たちは責任は取らないからね!!!」
とハッキリ言えば良いのにねぇ(笑)。
Posted by 新潟県民 at 2015年08月08日 20:49
溶融燃料が地中にめり込み、浜通り特有の霧が立ち込めている・・・つまり、焼け火箸が地中に突き刺さっているようなイメージですね。その火箸の熱で地中の水分が蒸発して霧として立ち込めている・・・しかもこの火箸は今後数万年は冷えない魔法の(?)火箸。
完全に「世界負の遺産」堂々第位1位でしょうね。

数万年いや数十万年・・・これからの世代はこのような「世界負の遺産」の後始末のために、働いて税金を納め続けるんだ。同じ働くのでも、モティベーションがいまいち。でも東電&自民党を選んできたのは貴方たちのご先祖様だからね。恨むに恨めないね。
Posted by 世界負の遺産 at 2015年08月08日 22:05
浜通の特有の霧、についてですが、
2chの「ふくいちライブスレ」で、「モクモク」と呼ばれている
ものだと思いますが、それが「海霧」なのか、福一からの
放射性水蒸気なのか、意見が割れています。
海霧派の人は、「ただの霧だ、これを原発由来とする連中は頭がおかしい、風評被害をまきちらす迷惑だ」といい、
モクモク派の人は、「これを霧といいはる連中は、国や東電が
やとった工作員、福島安全神話をひろめている」
などという応酬がかれこれ4年も続いております
しかし、小野先生が、そのような真夏の霧は見たことが無いと
書かれたことで、やはりその「もくもく」現象は福一由来
なのだろうという確信を強めました。
https://www.youtube.com/watch?v=XK0cg22IqHE&spfreload=10
この共同通信の動画からの福一海沿いの霧の画像が今、
でまわって話題になっているようです。
これが「海霧」なのか専門家の方々に検証していただきたいです
放射性の霧ならば、線量がそうとう高いのではないでしょうか?
福島の海岸で海水浴をしているという方々は、だれもガイガーを
持ってないのでしょうか?
ほんとうにすべてが霧につつまれているような、いやな感じです
Posted by ゆっぱ at 2015年08月09日 09:00
2年半ほど前からライブカメラ(最近はJNN)を1日1回は覗いて様子をメモしてきましたが、「霧」もしくは「霞んでいる」と記録している日数は、7月について言えば、去年は10日→今年は22日。8月については、今日現在の8/9までの9日間で、去年2日→今年8日。(ただし今年の8/1は見忘れたので8日間においてですが)。7月8月とも今年の方がぐっと 多くなっている。
「この地方特有の海霧」で毎年出ているのだったら、日数は年によってそんなに大きくは違わないんじゃないかねー?と思いますが…
気象は数年単位の大きな幅で見ないといけない、と言われたらハイそれまでよ、ですけど。
しかし私個人としては、なんでもありのこの日本!自分のレーダーにちょっとでも"今までと違うこと"、が引っかかってきた時は警戒怠りなくしておこうと、改めて気を引き締めています。

















Posted by タナトリル at 2015年08月09日 18:08
海霧ではないと思うその理由
1 あまりにも頻度が多い
2 5月頃監視して調べていた時、風速6m/sの時に霧が発生して、霧は風に流れていた、海霧の発生条嫌の一つに風がほとんどないのが条件で、その時は半日以上もや状態で流れていた。

一度海霧を体験したことがあるが、朝の8時頃の浜辺で視界は
1m程でとても泳げる状態ではなく9時頃に微風の風で霧は流れ(この時の海は幻想的だった)約1時間ほどで霧は晴れた、その時は気温は上がらず快晴だった。


Posted by NR at 2015年08月09日 23:09
共同通信の動画を見れば誰にでも分かります。
1F、福一が霧の発生源だと。
霧状のものは地下のデブりが地下水、海水と
接した水蒸気、湯気、爆発して飛散した
使用済燃料を埋めた地中からも発生していると
推測されています。
今回新たに5、6号機からの水蒸気が
確認されています。
またズブズブの地盤で不等沈下しているのも確認されています。
1Fへの立ち入りが出来ない、総員退避も近いと考えられる事態と認識しています。
最後に専門家と言われる人はそれでメシを食っている
わけで、本当のことを言うとメシの食い上げになります。
1Fでそのことがよく分かりました。
Posted by 放射能は復讐する at 2015年08月10日 10:59
この濃霧って、凍土壁の工事とは関係無いでしょうか?
Posted by もーよん at 2015年08月10日 11:24
海霧が気になり調べてみたら、福島県いわき市2007年の記事に海霧のことが書いてあるブログを見つけました。
http://www.uka-blog.com/life/mylife/entry_000492.php
6、7月に多いそうですね。
福一地下デブリ爆発などが霧の発生源の可能性もありますが
もしそうでなかったとしても霧に海水や大気に流れた大量のトリチウムなどが混じっているんじゃないかと、不安でたまりません。
Posted by 海霧 at 2015年08月11日 11:34
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