・出力上昇途中のトラブルではあるものの、二次系(放射能が存在しない)の蒸気が循環している場所であり、トラブルとしてはたいした内容ではない
・九州電力、原子力規制庁ともに、トラブル対応に対して非常に未熟であることを見せつけてくれた。今後、稼働原発が増えた場合には、まともな対応ができるとはとても思えない。
再稼働中の川内原発にトラブル起きた。
川内原発 トラブルで出力上昇作業を延期8月21日 16時06分
川内原発 トラブルで出力上昇作業を延期
今月11日に再稼働した鹿児島県にある川内原子力発電所1号機で、発電に使った蒸気を水に戻す設備でトラブルがあり、九州電力は、発電機の出力を上げる作業を延期すると発表しました。九州電力は今のところ運転に問題はなく、原子炉の運転や発電、送電は続けるとしています。
九州電力によりますと、川内原発1号機で20日、発電に使った蒸気を冷やして水に戻す「復水器」と呼ばれる設備に異常があることを示す警報が鳴りました。九州電力が復水器の水の成分を調べたところ、塩分の濃度が通常より高いことが分かったということです。
このため九州電力は蒸気を冷やすために取り込んでいる海水が復水器の中の水に混ざり込んだとみて21日予定していた発電機の出力を75%から95%まで上げる作業を延期すると発表しました。
九州電力によりますと、トラブルがあったのは3台ある復水器の1台で、混ざり込んだ海水は微量とみられ、別の装置で塩分を除去できているということです。九州電力は海水を取り込んでいる配管に穴が開いている可能性があり、異常があった復水器の一部を止めて点検していますが、ほかの復水器に問題はなく原子炉の運転や発電、送電は続けるとしています。
復水器は原子炉の熱で発生させた蒸気を水に戻す装置で、川内原発の場合、蒸気や水に放射性物質は含まれていません。九州電力によりますと復水器の内部を通る海水を取り込む配管は1台当たり、2万6190本あり、今回の再稼働までに行われたサンプル検査で異常はなかったということです。
川内原発1号機は今月11日、国内の原発としては1年11か月ぶりに再稼働し、その後、発電機の出力を徐々に上昇させて異常がないか確認する調整運転を続けています。九州電力は今月25日に原子炉の出力を100%に上げる予定でしたが、復水器の点検のため作業は1週間程度遅れるとしています。
蒸気を冷やして水に戻すための装置
今回トラブルがあった復水器は発電用のタービンを回したあとの蒸気を冷やして水に戻すための設備で、川内原発1号機には3台あります。中には1台当たり、2万6190本の細い管があり、その内側に海水を流して管の外側の蒸気を冷やし水に戻す仕組みで、戻した水はポンプで蒸気を作り出す蒸気発生器に送り出されます。本来、海水と蒸気は混ざらない構造ですが、復水器の細い管に腐食などで穴が開くと、海水が混入し、蒸気発生器に悪影響を及ぼすおそれがあります。
川内原発は加圧水型と呼ばれるタイプで、原子炉で発生した熱で直接蒸気を作るのではなく、放射性物質を含まない2次系の水を蒸気発生器で沸騰させて蒸気を作ります。このため安全上、蒸気発生器の腐食などを防ぐ対策が重要で、今回のような海水の漏えいを想定して、配管の途中に塩分を取り除く装置が設置されているほか、定期検査でサンプル検査をして損傷状況を調べることになっています。
原子炉運転に影響ないと確認
原子力規制庁では、21日午前9時ごろ、九州電力から報告を受けて、現地の検査官がトラブルの状況や原子炉の運転に影響がないことを確認したということで、今後は、九州電力が行う原因の調査や調査結果を踏まえた対処方法を確認していくことにしています。
原子力規制庁の松浦克巳総務課長は、「九州電力は1週間ほどで原因究明や必要な措置を行うとしている。しっかりと確認していきたい」と話しています。
川内原発 トラブルで出力上昇作業を延期
今月11日に再稼働した鹿児島県にある川内原子力発電所1号機で、発電に使った蒸気を水に戻す設備でトラブルがあり、九州電力は、発電機の出力を上げる作業を延期すると発表しました。九州電力は今のところ運転に問題はなく、原子炉の運転や発電、送電は続けるとしています。
九州電力によりますと、川内原発1号機で20日、発電に使った蒸気を冷やして水に戻す「復水器」と呼ばれる設備に異常があることを示す警報が鳴りました。九州電力が復水器の水の成分を調べたところ、塩分の濃度が通常より高いことが分かったということです。
このため九州電力は蒸気を冷やすために取り込んでいる海水が復水器の中の水に混ざり込んだとみて21日予定していた発電機の出力を75%から95%まで上げる作業を延期すると発表しました。
九州電力によりますと、トラブルがあったのは3台ある復水器の1台で、混ざり込んだ海水は微量とみられ、別の装置で塩分を除去できているということです。九州電力は海水を取り込んでいる配管に穴が開いている可能性があり、異常があった復水器の一部を止めて点検していますが、ほかの復水器に問題はなく原子炉の運転や発電、送電は続けるとしています。
復水器は原子炉の熱で発生させた蒸気を水に戻す装置で、川内原発の場合、蒸気や水に放射性物質は含まれていません。九州電力によりますと復水器の内部を通る海水を取り込む配管は1台当たり、2万6190本あり、今回の再稼働までに行われたサンプル検査で異常はなかったということです。
川内原発1号機は今月11日、国内の原発としては1年11か月ぶりに再稼働し、その後、発電機の出力を徐々に上昇させて異常がないか確認する調整運転を続けています。九州電力は今月25日に原子炉の出力を100%に上げる予定でしたが、復水器の点検のため作業は1週間程度遅れるとしています。
蒸気を冷やして水に戻すための装置
今回トラブルがあった復水器は発電用のタービンを回したあとの蒸気を冷やして水に戻すための設備で、川内原発1号機には3台あります。中には1台当たり、2万6190本の細い管があり、その内側に海水を流して管の外側の蒸気を冷やし水に戻す仕組みで、戻した水はポンプで蒸気を作り出す蒸気発生器に送り出されます。本来、海水と蒸気は混ざらない構造ですが、復水器の細い管に腐食などで穴が開くと、海水が混入し、蒸気発生器に悪影響を及ぼすおそれがあります。
川内原発は加圧水型と呼ばれるタイプで、原子炉で発生した熱で直接蒸気を作るのではなく、放射性物質を含まない2次系の水を蒸気発生器で沸騰させて蒸気を作ります。このため安全上、蒸気発生器の腐食などを防ぐ対策が重要で、今回のような海水の漏えいを想定して、配管の途中に塩分を取り除く装置が設置されているほか、定期検査でサンプル検査をして損傷状況を調べることになっています。
原子炉運転に影響ないと確認
原子力規制庁では、21日午前9時ごろ、九州電力から報告を受けて、現地の検査官がトラブルの状況や原子炉の運転に影響がないことを確認したということで、今後は、九州電力が行う原因の調査や調査結果を踏まえた対処方法を確認していくことにしています。
原子力規制庁の松浦克巳総務課長は、「九州電力は1週間ほどで原因究明や必要な措置を行うとしている。しっかりと確認していきたい」と話しています。
九電のプレスはこちらに掲載されている


解せないのは「サンプル」検査しか行っていないこと。復水器配管はチタンチューブ製であり腐食には強いはずだが、2年以上停止期間があったのだから当然すべての復水器配管をチェックしていなければならない(リークがあると今回のように、運転に直結する)。私が2Fに勤務していたときには、定期検査90日程度でもすべての復水器チューブを検査していた。(沸騰水型の場合は、復水器にも原子炉の一次蒸気が環流しているため、重要度はちょっと異なるが)この重要機器を一部しか検査していないとは、私としては信じられない。

私自身2Fにいるときに、起動時に全く同じトラブルに遭遇(私がタービン班の一員として、出力上昇中の中央操作室に詰めていた)し、所属の副長に相談したことがある。
−この副長は豪快な人物で、フクシマのときには協力企業の長としてとりまとめをしていたようだが−
副長は言下に「なんだ、そんなことも知らずに運転しているのか奴らは。給水加熱器のドレーンが流れ込んで上昇しているに過ぎないんだぞ」と原因を言い当て、ことなきを得た。この川内原発のトラブルを聞いて、私が最初に思い浮かんだのは、このエピソードである。
もし、この点検の結果、「チューブに異常のないことを確認しました」などというプレスが出てきたとしたら、それはすなわち九電の技術力のなさを物語るものだといってよい。
そして、この復水器導電率上昇で思い出されるのは、浜岡5号機の大量海水漏洩である。九電が微量の海水で直ちに系統隔離をしたのに比べると、浜岡の異常さがよくわかることだろう。この時の所長の「英断」で、浜岡5号機は廃炉を免れないと私自身は評価している
九電はとりまとめなどしたことのない田舎電力会社、原子力規制委員会は素人の集まり同然。今後、トラブルが起きるたびにますます日本の原子炉は運転できなくなる。トラブルのない原子力発電所などこの世に存在していないのだから。
−トラブルの水平展開
・日本の原発では(フランスでは同じトラブルが何度も起きない限り、その場しのぎの補修しかしていないと聞いた)、トラブルが一つ起きるたびに原因を追及し、同種のトラブル型原発で起きないように水平展開を行っている。水平展開を行うには、各電力、各発電所の調整が必要であり、この調整機構を担ってきたのが、東電であり、電事連、そして関電であった。東電にはその力はもはや消失し、他電力も自前の原発だけで手一杯。そして、ヒアリングを受ける規制委員会は素人同然。こんな状況で、原発の運転はうまくいくと思う方がどうかしてる
関連ブログ
原子力発電入門(5)なぜ、海に面しているのか?2011年08月10日
浜岡5号機細管破断(プレス発表より)2011年05月20日
タグ:川内
東北電に難詰をつけるために敷地移動説をぶち上げた時も「炉形欠陥論」「規制不完全論」で十分なのに何でこのような主張をするのか不思議でした。
まぁ自分のいた会社に文句を言うのは心理的にきついのは分かりますが、福島第二や柏崎刈羽の再稼働、東電東通の建設再開についてどのようにお考えでしょうか。
東電関係者は内心戦々恐々だろう。
久しぶりに
「浜岡5号機」話し
ありがとうございます。
地元原発ネタの基礎知識として
5号機 海水400t
まったく持ってないです。
会話がいっつも止まります。
海水が入ったんだから
体積の移動が無いと
入らないよ。
だから内容物は‥‥‥以下略
5号機は
もう逝ってしまったんでしょうか?
これは首都圏の話だが、関西でも増えている。
http://concertdiary.blog118.fc2.com/blog-entry-2183.html