
・さすが、300年で放射能は無害になる技術があるというデマを平気で発言している社長がトップにいることからも分かるとおり、なかみは少々の真実とデマばかりでつづってある。
・分量が長いため、数回に分けて、どこに間違いがあるかを指摘してみたい。
まず、筆者の石川迪夫から。
石川 迪夫 (いしかわ みちお、1934年3月2日 - )は、日本の原子力工学者。原子力発電とその溶融、廃炉、安全性を専門とする。現在は日本原子力技術協会最高顧問である。
経歴
兵庫県に生まれる。東京大学工学部卒業後、1957年(昭和32年)日本原子力研究所へ入所。安全解析部長、動力試験炉部長、東海研究所副所長などを経て、1991年(平成3年)より北海道大学工学部教授となる。退官後、2005年(平成17年)4月13日から2008年(平成20年)3月15日まで日本原子力技術協会の初代理事長を歴任、理事長退任と同時に同協会の最高顧問へ就任した[1][2]。
1972年 東京大学より工学博士号を得る。論文の題は「暴走出力により誘起される即発性減速材加熱効果の解析」
この経歴を見ても、原子力部門の重鎮であることが分かる。なにしろ、私でも名前を知っていたぐらいなのだから。北海道大学教授時代と私の本店勤務時代(1993-95)がかぶっており、当時でも重鎮として知られていた。経歴
兵庫県に生まれる。東京大学工学部卒業後、1957年(昭和32年)日本原子力研究所へ入所。安全解析部長、動力試験炉部長、東海研究所副所長などを経て、1991年(平成3年)より北海道大学工学部教授となる。退官後、2005年(平成17年)4月13日から2008年(平成20年)3月15日まで日本原子力技術協会の初代理事長を歴任、理事長退任と同時に同協会の最高顧問へ就任した[1][2]。
1972年 東京大学より工学博士号を得る。論文の題は「暴走出力により誘起される即発性減速材加熱効果の解析」
その人物が、あまりにも稚拙な議論でWedgeに投稿しているのである。放射能の被害を認めるかどうかについては「科学的」ではないとして退け、一方時節に対しては「科学的」どころか、自然界に反していることすら平気で述べているのだから恐れ入る。
では、記事を見てみよう。
福島の教訓に基づく 正しい原子力規制とは
Wedge 9月24日(木)12時12分配信
原子力規制委員会による規制基準の強化で、電力会社が追加した安全対策は少なくとも総額約2兆5000億円に上るという。規制委・原子力規制庁と電力会社との長い長いやり取りの末に施された安全対策は、真に原子力発電所の安全性を向上させているのだろうか。
結論から言えば、世界一厳しければ良いという規制委の思い込みから作成された規制基準はバランスに欠け、全体の安全性を損なう可能性すらある。典型的なのは、東京電力福島第一原発事故の後に整備された防潮堤だ。それをも越える高い津波が押し寄せれば、防潮堤は充満した海水を守る貯水池として逆に働く。津波だけなら波が引くまでの時間を耐えれば良いが、防潮堤のせいで排水に余計な時間がかかり、事故対応が阻害される。
Wedge 9月24日(木)12時12分配信
原子力規制委員会による規制基準の強化で、電力会社が追加した安全対策は少なくとも総額約2兆5000億円に上るという。規制委・原子力規制庁と電力会社との長い長いやり取りの末に施された安全対策は、真に原子力発電所の安全性を向上させているのだろうか。
結論から言えば、世界一厳しければ良いという規制委の思い込みから作成された規制基準はバランスに欠け、全体の安全性を損なう可能性すらある。典型的なのは、東京電力福島第一原発事故の後に整備された防潮堤だ。それをも越える高い津波が押し寄せれば、防潮堤は充満した海水を守る貯水池として逆に働く。津波だけなら波が引くまでの時間を耐えれば良いが、防潮堤のせいで排水に余計な時間がかかり、事故対応が阻害される。

想定外に対応する
福島事故が教える教訓は何か。それをはっきりさせないで正しい規制基準を導くことはできない。福島事故の原因は、未曽有の大津波によって発電所全体が電力を失う全電源喪失状態に陥り、しかもその状態が想定を超えて長く(約10日間)続いたことだった。まさに想定外が現実のものとなった。
それなのに、新しい規制基準で議論されていることは、この「想定」を引き上げることばかりだ。防潮堤を築く、活断層の認定を厳しくする、基準地震動を引き上げる……。重要でないとは言わないが、福島事故が教えてくれたのは、自然災害はどれだけ想定しても存在する想定外に対しても、対策を準備しておくことの大切さである。
これもただしい。文句のつけようがない。が、次の段落からトンデモ ペテン文章が始まる。福島事故が教える教訓は何か。それをはっきりさせないで正しい規制基準を導くことはできない。福島事故の原因は、未曽有の大津波によって発電所全体が電力を失う全電源喪失状態に陥り、しかもその状態が想定を超えて長く(約10日間)続いたことだった。まさに想定外が現実のものとなった。
それなのに、新しい規制基準で議論されていることは、この「想定」を引き上げることばかりだ。防潮堤を築く、活断層の認定を厳しくする、基準地震動を引き上げる……。重要でないとは言わないが、福島事故が教えてくれたのは、自然災害はどれだけ想定しても存在する想定外に対しても、対策を準備しておくことの大切さである。
それにはまず、自然災害が持つ脅威を検討評価し技術的対策を立てることだ。想定以上の地震に耐えた耐震設計がお手本と言える。その上でさらに、それを超える最悪の事態に対して準備する。つまり、全電源喪失状態が長く続き、炉心溶融が起きてしまっても、周辺地域に深刻な放射能汚染を及ぼさないようにできれば良い。この点についても、福島事故が大切な教訓を与えてくれる。
これも指摘のとおりで、何ら間違いはないが、人類には核分裂を完全に止める方法も、残留熱を消し去る方法も持ち合わせていない。つまり「全電源喪失状態が長く続き、炉心溶融が起きてしまっても、周辺地域に深刻な放射能汚染を及ぼさないようにできれば良い」
ことなどできっこないのである。放射能を無害化できない限り、不可能である。まあ、彼の論調を見てみよう。ペテン師としては、白を黒と言い換えるここからが本番である。
原発から遠い飯舘村も含むような広大な地域が避難を要するほど汚染されたのは、3月15日の放射性プルーム(放射性雲)が原因だ。
東京電力が発表した、敷地内の正門付近における放射線量の変化(下図)を見てみると、14日深夜を境に100倍ほど上昇している。14日深夜とは、2号機の格納容器から、溶融炉心の放射能が直接空気中に放出された時刻である。
測定された放射線量は、たびたび急激に上がるが一時的で、しばらくするとあるレベルに落ち着くという形を繰り返している。原子炉から漏れた放射能は風により移動し、また空気中に広く拡散されて薄まるからだ。この落ち着いた線量レベル(以降、背景放射線量と呼ぶ)が重要で、これが周辺地域の汚染レベルを決める。
東電の発表データによれば、背景放射線量は、14日深夜の前は毎時4マイクロシーベルト(μSv)で、14日深夜の後は300μSvである。年間に換算するとそれぞれ20、1500ミリシーベルト(mSv)となる。
ここで第一弾が見える。東京電力が発表した、敷地内の正門付近における放射線量の変化(下図)を見てみると、14日深夜を境に100倍ほど上昇している。14日深夜とは、2号機の格納容器から、溶融炉心の放射能が直接空気中に放出された時刻である。
測定された放射線量は、たびたび急激に上がるが一時的で、しばらくするとあるレベルに落ち着くという形を繰り返している。原子炉から漏れた放射能は風により移動し、また空気中に広く拡散されて薄まるからだ。この落ち着いた線量レベル(以降、背景放射線量と呼ぶ)が重要で、これが周辺地域の汚染レベルを決める。
東電の発表データによれば、背景放射線量は、14日深夜の前は毎時4マイクロシーベルト(μSv)で、14日深夜の後は300μSvである。年間に換算するとそれぞれ20、1500ミリシーベルト(mSv)となる。
・空気中に広く拡散して薄まる のは事実だが、風向、地形によって一概には言えない。かなり遠くでタバコをすっているのに、まったく拡散せずに強烈なにおいがしてくる経験をしたことは一度や二度ではないはず。空気中の拡散は、普通に風が吹いているくらいでは、簡単に拡散しないことなど生活の知恵としてみんな知っていることだ。その次では、さらにトンデモ仮定を持ち出してくる。
放射線量の測定地点である正門付近は、原発からほぼ1キロ。住宅地は近いところでも3キロ程度は離れている。放射線量は、風の影響を無視すれば距離の2乗に反比例して下がるから、周辺地域への影響は正門の10分の1程度。つまり、ベントによる周辺地域の放射能汚染は年間2mSv程度と計算できる。ICRP(国際放射線防護委員会)が勧告している避難線量(年間20〜100mSv)より十分に低い。
放射線量が距離の二乗に反比例して下がるのは、放射性物質が隔離されているときだけである。原発事故のように放射性物質が拡散されてしまえば、そのようなものなど何の意味もなくなる。だからこそ、避難するときには風向きが重要となるわけだ。しかも、この時の前提が恐れ入る
・風の影響を無視すれば
いったい風の吹いていないところが、どこにあるというのか?原発事故が起きた周辺だけ真空地帯になるのならまだしても、このようなあまりにもトンデモな仮定を平気で出してくるところなど、ペテンそのものではないか。いったい地球上のどこに、「風の影響を無視できる」場所があるのか教えていただきたい。
それに対し、14日深夜以降の背景線量は年間1500mSvだ。ベントに失敗した2号機からの直接放出は、それ以前のベントを通した放出に比べて約2桁(75倍)も高い。住宅地までの距離を考慮に入れても150mSvで、これはICRPの避難勧告値を上回る。この深刻な汚染が、現在も続く福島の長期避難をもたらした。
2号機のベントが失敗したのは、2つある弁の1つをうまく開くことができず、ラプチャーディスクも破れなかったからと言われている。弁が複数あるのも、ラプチャーディスクがあるのも、平常時の放射能漏れを防ぐため。安全対策の過剰な重複が逆効果をもたらすというのも、福島事故の大切な教訓の一つだ。なぜ規制委は、弁を1つにし、ラプチャーディスクをやめよと電力会社に指示しないのだろうか。
さらにここではひどくなる。そもそもの設計思想は、できる限り放射能を外部に拡散させないというものであった。だからこそ、設計圧になるまでは開放しないラプチャーディスクを系統内に組み込んでいるわけである。これでは、シビアアクシデント時に都合のいいように通常運転状態は、放射能が簡単に漏れてもいい状態にしておけ と言うことであるから、それこそ本末転倒である。ご自身で、「堤防」は何の意味もないと冒頭で指摘しておいて、この論理構成。完全に破綻している。2号機のベントが失敗したのは、2つある弁の1つをうまく開くことができず、ラプチャーディスクも破れなかったからと言われている。弁が複数あるのも、ラプチャーディスクがあるのも、平常時の放射能漏れを防ぐため。安全対策の過剰な重複が逆効果をもたらすというのも、福島事故の大切な教訓の一つだ。なぜ規制委は、弁を1つにし、ラプチャーディスクをやめよと電力会社に指示しないのだろうか。
紙幅の関係で詳述できないが、ベント放出として述べてきた1、3号機からの放射能放出は、1号機溶融炉心からの直接の僅かな漏れの疑いが濃い。この場合ベントの除染効率は更に1桁ほど増加し、1000程度になる。1500mSvの背景線量率は、2号機のベントが成功していれば僅か1.5mSvにまで減少するということだ。これなら避難の必要は全くない。
ベントさえ開けば、あれだけの事故が起きても水の除染効果で避難の必要はない─これが14日深夜の放射線上昇データが示す第1の教訓だ。
ベントラインに放射能除去フィルターが着いていないことが大きな問題になったのに、一度水を通すだけですべての放射性物質がなくなるかのように書くことは大きな間違いである。ヨウ素などの水溶性放射性ガスの一部は水に溶け込むだろうが、希ガスなどはすべて放出される。ベントさえ開けば、あれだけの事故が起きても水の除染効果で避難の必要はない─これが14日深夜の放射線上昇データが示す第1の教訓だ。
いや、そもそも大きな体積の期待を水の中を一度通しただけで、すべて除去できるなどと言うのは、全くのデマである。
お風呂でおならをしたら、出てきたガスはにおいがいない
というのがデマであることを知っているのならば、この石川氏の論理破綻は明らかではないか。そもそも、事故時の対策でベントをつけることが、周辺被曝につながることは建設時から明らかなわけであり、フィルターベントなど無用の長物(なくとも全然問題ない)と主張しているわけで、もうめちゃくちゃである。
(続く)
■関連ブログ
日本原子力安全文化の象徴−浜岡原発の防潮堤2012年12月21日
1270.東電テレビ会議34時間解説 (USB For Win/Mac)発売2015年04月20日

完全にボケの境地に入っているんですね。顔を見れば一目瞭然!同じような状況にいる私から見てもよく判りますよ。昭和九年生まれならそうゆう境地にいてもおかしくない。
ガンガン喝破してやって下さい、応援しております。
昔、一橋大学の先生でおならが燃えるか燃えないか、実際に自分のおならを捕獲して実験した先生がいました。結果はここに書きませんけど。
崩壊過程の末に元の核種が半分になる期間でしか
ないのに意図的に誤用する連中もなんとかならな
いかね。
事故当時、ネットで(反原発として)有名になった専門家が、原子炉の地下に深い穴を掘れば技術的に安全な原子炉になると書いていました。
飛散物が上空に飛んでも(風を考えなければ)落下するだけだから安全だというのです。
プルトニウムは重いから飛んで来ないんじゃないの?と鵜呑み状態の物理学専門が身近にいましたw(粒子の密度と沈降速度の関係さえ考えない...)
かつては学者を専門バカと呼んでいた時代を思い出しますね。
人の性としての「鵜呑みにする者」の自覚を持てるものがどのくらいいるものか...鵜呑みにしているのはあなたですよw>読んでいる人
失礼!
今回の事故においてベントラインの接合部や
湾曲部において、放射線量が異常に高い
場所が有るのはどう説明されます。
高温の蒸気を水などで冷却した場合、内部に気体状や粒子状になっている
化学物質や重金属は凝縮されるのは科学的常識でしょう。
十分な水で十分凝縮出来る温度に保てれば、一概にデマとは言えないんでは無いですか?
事実、ゴミ焼却炉などの排気は2段階に凝集させる事で窒素酸化物やダイオキシンを除去していますよね。
それと、300年で無害になるという事は
再処理で出る、高放射性廃棄物の事だと思う
再処理では燃料からウラン、プルトニウムなど、長期間半減期を迎えない物を取り出し
短期核種が多く含まれて居ます、そのせいで放射線が高いのです。
結局は皆が放射平衡を理解できないって事でしょうかね。
何しても45億年かかってウランが放出するエネルギーを超える
放射線は出ません、これはエネルギー保存則ですね。