・論文の最終段では、電源回復を急げば良かったなどと、現場の状況をまったく無視して、提言を述べている。
・この一言でこの人物はフクシマの現地,あるいは対策に当たった人の話を聞くどころか、報告書にさえも一切目を通していないことが明らかになった。
・過去からの教訓には一切勉強せず、ただカビの生えた自分の知識をひけらかすことのみが、「原子力専門家」の本質、本態であることが明らかになった。
最後の章では、自然科学的にあり得ないことはさすがに書いていないが、事故の経緯、状況についてまったく調べていないことをみずから恥ずかしげもなく暴露している。
福島の教訓に基づく 正しい原子力規制とは(3)
Wedge 9月24日(木)12時12分配信
既存発電所にある安全設備の多くは、電動のものが多い。ポンプしかり、計測器しかりで、長時間の全電源喪失となれば、ほとんどの安全設備が使えない状態となる。福島第一原発はまさにこの状況下に置かれた。
電源なしで使える安全設備は、崩壊熱で生じる蒸気を利用して動くいくつかのタービンポンプ、具体的にはRCIC(原子炉隔離時冷却ポンプ)とHPCI(高圧注水ポンプ)だ。
2号機に備えられたRCICが、設計の8時間を大きく超えて3日間も働き続けたことは特筆すべきことで、駆動蒸気の圧力は下がり、水は混入するという劣悪条件で、ポンプは14日昼頃まで炉心冷却を続けた。3号機は、RCICは稼働1日で手動停止してしまったが、その後HPCIが設計通り作動して13日朝まで働いた。既存の安全設備は設計以上によく働いた─これが第3の教訓である。
これらの設備が動いている間に外部電源を復旧することができれば、2、3号機は安定冷却に持ち込むことができた。災害時の援助は、水のないところへは水を、食料のないところへは食料を、が鉄則だ。全電源喪失に至った福島事故では何を置いても電気の供給が優先されるべきであった。その証拠に、仮設電源が敷設された3月20日頃から、状況は目に見えて好転した。
失われたものが電源のみであれば、電源を復旧すれば元に戻る。ところが、イチエフは津波におそわれ、ポンプ、モーター、そして受電設備が使い物にならなくなったのである。東電はそのことは発表しているWedge 9月24日(木)12時12分配信
既存発電所にある安全設備の多くは、電動のものが多い。ポンプしかり、計測器しかりで、長時間の全電源喪失となれば、ほとんどの安全設備が使えない状態となる。福島第一原発はまさにこの状況下に置かれた。
電源なしで使える安全設備は、崩壊熱で生じる蒸気を利用して動くいくつかのタービンポンプ、具体的にはRCIC(原子炉隔離時冷却ポンプ)とHPCI(高圧注水ポンプ)だ。
2号機に備えられたRCICが、設計の8時間を大きく超えて3日間も働き続けたことは特筆すべきことで、駆動蒸気の圧力は下がり、水は混入するという劣悪条件で、ポンプは14日昼頃まで炉心冷却を続けた。3号機は、RCICは稼働1日で手動停止してしまったが、その後HPCIが設計通り作動して13日朝まで働いた。既存の安全設備は設計以上によく働いた─これが第3の教訓である。
これらの設備が動いている間に外部電源を復旧することができれば、2、3号機は安定冷却に持ち込むことができた。災害時の援助は、水のないところへは水を、食料のないところへは食料を、が鉄則だ。全電源喪失に至った福島事故では何を置いても電気の供給が優先されるべきであった。その証拠に、仮設電源が敷設された3月20日頃から、状況は目に見えて好転した。
「津波で対応困難に」 電源喪失、ポンプ故障 東電が事故報告書
東京電力は9日、福島第1原発事故当時の状況や対応を報告書件にまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。地震後の津波により電源が喪失し重要なポンプが故障、「1〜5号機では注水、冷却設備が全て使えない状態となり、(復旧に向けた)対応は非常に困難な状態だった」としている。
報告書件によると、1〜6号機で原子炉の熱を海に逃がす「非常用海水系ポンプ」が故障。1、2、4号機では中央制御室の計測機器が使えなくなった。3、5号機も非常用バッテリーだけに頼る作業となった。
さらに、非常時に原子炉に注水するために重要な1〜4号機の「復水補給水系ポンプ」はモーターが津波で水に漬かったため、「電源が仮に復旧したとしても、機能を回復できる状況になかった」としている。
東京電力は9日、福島第1原発事故当時の状況や対応を報告書件にまとめ、経済産業省原子力安全・保安院に提出した。地震後の津波により電源が喪失し重要なポンプが故障、「1〜5号機では注水、冷却設備が全て使えない状態となり、(復旧に向けた)対応は非常に困難な状態だった」としている。
報告書件によると、1〜6号機で原子炉の熱を海に逃がす「非常用海水系ポンプ」が故障。1、2、4号機では中央制御室の計測機器が使えなくなった。3、5号機も非常用バッテリーだけに頼る作業となった。
さらに、非常時に原子炉に注水するために重要な1〜4号機の「復水補給水系ポンプ」はモーターが津波で水に漬かったため、「電源が仮に復旧したとしても、機能を回復できる状況になかった」としている。
実際、官邸を含めてフクシマには電源車を配送し、電源回復に対しては十分考えていたのである。
電源復旧が大事なことなど、石川迪夫に言われるまでもなく、全員が分かっていることである。分かっていたのにできなかった。それが事実であるのに、さも重要なことを東電、政府が間抜けで忘れていたと ぬけぬけと話す。さすが厚顔無恥の「原子力専門家」だけのことはある。
以上の3つの教訓からわかるのは、40年以上前に設計・建設された軽水炉は、最悪の事態に陥っても放射能汚染を抑える潜在能力を持っていたということである。問題があったのは、設備ではなく扱う人間の方だ。にもかかわらず、現在適用されている安全規制と規制委は、「世界一の規制」という名のもとに、安全設備を増やすことばかりに傾注しているように見える。
規制委に必要なのは、緊急時にしか使わないような設備の取扱いや、先述の減圧と注水のタイミングに対する理解など、現場運転員の危機対応能力の向上を促し、電力会社が果てしない安全向上に対して能動的に取組むよう動機づける姿勢である。最大の教訓であるベントの確実な実施のためには、福島事故の轍を踏まないよう、政府などの外野が現場の邪魔をしないフローを整備することも欠かせない。規制委は、こういったことを自らの仕事だと考えているだろうか。(構成・編集部)
偉そうにご託を並べいているが本人は、フクシマでいったい何が起きたのか、一切勉強していないし、資料も見ていないし、専門家同士でちょっとした離しもしていないことが、この文章で明らかになった。規制委に必要なのは、緊急時にしか使わないような設備の取扱いや、先述の減圧と注水のタイミングに対する理解など、現場運転員の危機対応能力の向上を促し、電力会社が果てしない安全向上に対して能動的に取組むよう動機づける姿勢である。最大の教訓であるベントの確実な実施のためには、福島事故の轍を踏まないよう、政府などの外野が現場の邪魔をしないフローを整備することも欠かせない。規制委は、こういったことを自らの仕事だと考えているだろうか。(構成・編集部)
このような、恥知らずの人間が平気で推進しているのが原子力なのである。過去の事故の教訓などくそ食らえ。 それが本質であることを、今回の論文が証明してくれた。
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タグ:石川迪夫
でも、こんな文章を読んだふり、わかったふりをして、偉そうにしないといけないから、大人は大変だよなぁと思う。
おまけに、反論するには、こんな文章を全部きちんと読んで、いちいち指摘しなくちゃいけない。本当に大変なことだと思う。
こんなことをなさっている先生には、頭が下がります。
特定の産業とかだけでなく宗教系とか、いろんな主義主張を正当化する研究結果が出したお金に比例して扱いが一流紙でも扱いに…、
しかも風の影響を無視すれば…とか、
なんじゃそれは、
統計で出てるから!、なんかも疑われてる別の原因の〇〇を除外だと平気で全然違う結果に持っていかれたりしますし、
核戦争の漫画の「風が吹く時」の逆の「風が吹かない時」とは…存在自体が漫画みたいな人なのかな…、
風だのみな時点でもうあかんやろ。
毎回毎回、小野先生は
呆れながら精査してるんでしょうなぁ...
しかしほんと、この石川はいったい
いくら金もらってこんな駄文をかいているんでしょうね。
ぜひ奴に教えて貰いたいものです。
>専門家同士でちょっとした離しもしていない
最初は若手の邪魔をしないようにと黙っていたが、メルトダウンを認めない政府に追従したことだかが気に障ったらしく(それは正しい)、何時もの自己主張に回帰。
話はしているのですが、相手はダメなお友達ばかりのようです。某事故調の関係者もベントの下りは石川さんと同じことを言ってましたので、石川さんからなのか、その人からか知りませんが、どちらかの受け売りでしょう。あるシンポでこのベントの話を聞いていたら電力のかなーり偉い技術者も首肯という感じだったので影響力はあるようです。エネルギーに発言する会の面子などは怪しいものですね。
>事故の経緯、状況についてまったく調べていないことをみずから恥ずかしげもなく暴露している。
これは彼に限らず、「偉い人」には結構多いですね。
ちょっと勉強が出来て平時の集団を統率するのが上手かった只の人と考えた方が話は早いです。
大体彼等は原子力の専門家であって物を調べる専門家ではないですから。
しかも疑問を持ってないから調べる動機も無いんですよ。
石川氏がどんな主張だったかはともかく、これはちょっと違います。
地震学や津波工学の進歩で想定のレベルは上がっていき、15mの津波であるとか、311レベルの物までは想像の範囲内にあるという意味でカバーしていた、だから設備なり対応策をそのレベルまで引き上げるべきだったというのは正論かと。
で、東電にはそれは出来て無かった訳です。設備を耐震に配慮したものに更新するのは他の電力はしていたが、東電は引き伸ばしたし、電源車を所内に常備していた訳でもない。新しい津波想定に合わせて配電盤室やポンプ室の防水工事とかもしてない。
http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/201103120030.pdf
この7枚目にあるように確かに電源車は各地から集めるよう指示しています。でも東京から出発とかも多いのです。メルトダウンに間に合わせるには所内にいる位じゃないとダメですよ。一番最初に到着したのは近場の東北小高営業所の1台位です。その辺の配電用に使う小型トラックの低圧電源車じゃないですかね。営業所配置なんて精々440Vの供給で事が足りますから。
大熊町に30mの津波が来たら対応出来ないだろという話を今後していくのは意味がある。浜岡のバカバカしさもその類ですね。