
・調剤用に印刷されているバーコードを用いて、処方をチェックする
・現在対応しているレセコンは、Dynamics, ORCA。RS_Base連携ができていれば、ORCAと同じプログラムで連携可能と思いますが、データがないためわかりません(ご興味のある方は、お問い合わせください)
・Access(ランタイム可)2010以上、Windows Xp/7/8必要。初期データベース登録不要(要 電子レセプトファイル) 利用料 1万円+税/年
紹介ホームページ
まず、最初なデモを紹介します。
先日、熊本市医師会の会報に文章を発表させていただきましたので、ここで紹介いたします。
最先端の調剤チェックシステム−自称−Dubicsy(ドビッシー)
小野・出来田内科医院 小野 俊一
「ピッ、シンバスタ 30錠、2シート、プラス2。ピッ、イミダプリ 30錠、2シート、プラス2」まるで、スーパーのレジのような調剤現場でしょう?
あってはならないけれども、どうしても避けられないのが、調剤ミスです。いかにそれを防ぐか、皆様方も苦労されておられることと思います。
・見た目が似ている薬剤は、間違えないように一覧にして掲示
・同薬名異容量は、可能な限り採用しない
・名前のにている薬剤、間違いやすい薬剤の処方棚はできる限り離す。
しかしながら、調剤が立て込んだりしてきますと、ダブルチェック、トリプルチェックをしてもすり抜けてしまい、患者さんから指摘されて気がつくことも一度や二度ではすまないのではないでしょうか。
こういったミスをなくすために厚労省は、PTP包装の裏に「調剤用バーコード」を印刷することを平成24年6月29日に「「医療用医薬品へのバーコード表示の実施要項」の一部改正について」で義務化し、「バーコードの医療安全への活用」を推進するよう通達を出しています。しかしながら、そのようなソフトが院内調剤むけ販売されているという話は聞いたことなどありませんし、もし販売されているとしても、数十万円の費用が必要となるであろうことは容易に想像できます。(調剤薬局向けにはとてつもない金額で販売されているという噂ですが・・)
ないものは作ってしまえ・・・が私のモットーですので、ソフト作成に昨年12月に乗り出しました。万が一うまく作動させることができなかった時のことも考え、「保険」つきで。
・8インチのWindows タブレット(2万円程度と安く、かつ失敗した場合には流用が可能)
・バーコードリーダーは、もともと在庫チェックに使っているものを使う
タブレット端末が一つほしいと思っていたところですから、失敗してもゴミにはなるわけではありませんし、費用自体も私の小遣いレベルです。
全くのオリジナルソフトですから、基本設計から始める必要があります。どのようなデータテーブルにするか、Dynamicsとの連携はどうすればいいのか、処方名だけではなく錠数もチェックできないか、どのような画面設計にすれば効率的か・・等々。
画面は左側を処方薬剤、右側を調剤薬剤、正しければ「ピンポーン」といった音を出して、間違っていれば、何がどう間違っているのかを場面に応じた音声ファイルを再生することで調剤者に伝えることを基本としました。入力してもらうのは、レジを参考にしながら
・調剤者のバーコード
・患者IDのバーコード
・当日の日付は自動入力
・調剤用バーコード入力
・調剤が完了したら、処方実績をプリンタで出力
「言うは易し」ですが、プログラムにするのは多大の労力が要求されます。採用薬剤のバーコードのデータベースから作成しなければなりません。うまく動作したと思って、現場に持って行くと予期せぬエラーばかり出て、「また、動かなくなったよ。(まったく、こんなの入れて・・・)」という冷たい視線を感じながら、改良し続けました。バグをきちんと取っていくのは・・(プログラムを作成した方ならみんなご存じだとは思いますが)・・本当に大変なのです。
とりあえず、まあ実用上は使える程度にプログラムが完成したのは、1ヶ月ほどたっていたでしょうか。その頃、私自身がいわゆるぎっくり腰に10年ぶりにかかってしまい、その後改良は中断。(歩くことさえ困難で、開業していないのならば入院していたことでしょう)数ヶ月の放置を余儀なくされました。
その後も改良を重ね、
・自動音声合成による薬名、数量チェック(冒頭紹介)
・バーコード入力の半自動化(MEDISデータベースを利用)
し、現在に至っています。開発当初は、Dynamicsのテーブルに直接リンクを張っていたのですが、データベース破損等のリスクを考え、現在では「標準処方ファイル」なるものを自分で作り出して、そのファイルをDynamicsに作成させることで連携を取っています。このファイルさえ作成できれば、ORCAを含む他の電子カルテ・レセコンでも使用できる非常に応用の利くプログラムになったと自負しているのですが、残念ながらそこまで手が回っていません。
このシステムを本格的に導入して以降は、毎月締めで行っていた各薬剤の実際の在庫数と計算上の在庫数(Dynamicsを利用して、入庫数、処方数から計算)の差異がほとんどゼロになりました。ここまでやっている医療機関は日本には他にないと自負しつつ、日々の診療をつづけています。
(追記)システムの名前をどうするか・・覚えやすく、かつパンチのある名称として、DrUg Barcode Information Check System を考え出しました。表題にあるドビッシー(DUBICSY)。Googleで検索すると、私のホームページしか出てこないようです。(笑)
プログラム自体の改良(速度アップ、ORCA対応)と、使いやすさを追求するとともに、導入説明用の動画を一生懸命制作していました。このプログラムの秀逸なところは、「しゃべる」ことです。
0-1.Accessランタイムのインストール、レジストリ設定
0-2.Microsoft Speech for Japaneseのインストール
1-a.Dynamicsとの連携方法
1-b.ORCAとの連携方法(このプログラムを使えば、RS_Base連携電子カルテでも利用可能なはずです)
2.Dubicsy初期設定方法
3.運用方法
付録−詰替、予製
これだけ作ってプログラムを改良(こちらの方が遙かに大変)していると、実際のところブログを書く暇などありませんでした。現在は一応完成してほっとしているところです。
■関連ブログ
1295.医療関連ソフトのご紹介(GS1バーコードによる在庫管理と調剤チェック)
タグ:Dubicsy
私なんかが飲んでいる薬はほんの数種類ですが、大きな袋でどっさりお持ち帰りになるような人も居ますから、間違えが出てもおかしくはない。飲む方は考えて飲んでなんか居ませんからね。
私は朝昼晩2日分を予めケースに分割納入して飲んでいます。飲み忘れもすぐ気が付きますし。
全国的に拡散して欲しいですね。アマゾンに委託販売でしょうか?
まさに本領発揮。
娘が薬剤師になり息子が工学部(IT)を卒業したら子供達に解説してもらいます。(5年後位?)