2015年12月24日

1344.三日坊主実験で、ヒラメには放射能が蓄積しないと結論づけた水産庁

2015122401.jpg・小学生の夏休み自由研究並みの「実験」で、水産庁がヒラメにはセシウムが蓄積しないと結論づけた。
・ヒラメの養殖期間は、約1年。たった3日、しかもたったの4匹で「科学的」結論が簡単に導かれるとは、放射能関連の研究は本当に恐ろしい
・明らかに税金の無駄遣いである。国の機関の発表する論文も第三者機関の査読が必要なのではないか。あまりにも質が悪い研究が目に余る。

 永遠に放射性廃棄物を排出し続ける福島沖で、誠に都合の良い実験結果を水産庁が発表した。

ヒラメの体内にセシウム移行せず 原発5キロ圏で実験2015年12月22日 10時13分 (福島民友)  

 横浜市の水産総合研究センターは21日、東京電力福島第1原発の近海でヒラメの体内に放射性物質が移行するかどうかに関する実験の結果を公表した。原発から約5キロの海域で、放射性物質に汚染されていないヒラメをかごに入れて最長で3日間置いても、放射性セシウムが魚の体内に移行しないと結論づけた。

 いわき市で21日に開かれた県漁連組合長会議で示された。実験は8月に行い、原発から北東、南東それぞれ約5キロの、水深約21メートルの海域で実施。体長約50センチ富山県産ヒラメ4匹を入れたカゴ4個を海底に設置し、12、24、36、72時間後と段階的に1個ずつのカゴを回収、放射性物質の濃度を測った。72時間後に回収したヒラメからは最大で1キロ当たり約0.3ベクレルのセシウムが検出された。
 ヒラメの養殖期間に関しては、十分な知識はないが、体長50センチと言えば、どう考えても十分な大物であろう。つまり、成長しない成魚である。本当に実験するのならば、幼魚を対象にするべきではないかと疑問符がわいてくる。

 さらに驚かされるのは、

・ヒラメ4匹を入れたカゴ4個

とたった4匹で、しかも、その4匹を同時に調べるのではなく、

12、24、36、72時間後

と、最初はたったの半日で、しかも最終が72時間というたった3日で試料を作成している。まさに、これは小学生の夏休み自由研究並みのスピードである。通常自然科学の実験では、複数の検体を用いて検査をするのが常識で、たった4匹を、1匹ずつ検査するなんて、常識的にはあり得ない。最初の引き出しが、たったの半日というところは、逆に水産庁がセシウムを吸収するのを恐れるあまりに、すぐに取り出したと容易に想像がつく。

 なにしろ、水産庁は「生体濃縮」を花から認めていないほどのとんでも官庁なのは、以前にも紹介した。おそらく、一週間以上放置すると、放射能の蓄積が隠せなくなるため、三日坊主実験で結論を急いだのは、まず間違いないところだろう。

 もし、この実験が本当で、セシウムが蓄積しないとするならば、食品の風評被害はこの世から一掃される。そして、水産物のセシウム安全基準を100ベクレルから10ベクレルに下げても漁業にはまったく影響しないことになる。

 それにしても、国の機関が発表する「科学的」発表は、あまりにもひどい。みんなの支払う税金を使って、一企業がやらかした地球環境汚染を隠蔽するとしかいえない結論を出すのだから。もし、これが真実だとすれば、ぎゃくに今までの常識を打ち崩す「ノーベル賞に匹敵する大発見」である。いわきではなく、全世界で発表していただき、放射能に対する「間違った知識」をただしていただきたい。まさしく、STAP細胞級の大発見なのだから。

■関連ブログ
生体濃縮が露見・・ムラソイから25万4千ベクレル2013年01月20日

 
posted by いんちょう at 20:00| Comment(7) | 原子力
この記事へのコメント
有名(副島隆彦)なので、いろんなところにリンクされています。ついクリックしてしまいました:

http://www.snsi.jp/tops/kouhou/1872

「福島の現地では、事故からやがて5年が経つが、赤ちゃん一人作業員一人誰も事故後の放射能のせいで発病している者はいない」そうです。絶句。。。確信犯とは思えないので、よほど思い込みの激しい(自信過剰で事実が見えない)方なんだろうと、むしろお気の毒です。

しかし、この下條竜夫氏という人物は怪しい。自信過剰なだけなのか、それとも確信犯なのか。。。

Posted by 地元民 at 2015年12月24日 22:59
3日で0,3ベクレル有ったという事は1年で36,4ベクレルになってしまう。
結構な数字ですよね。
そりゃあ一月で1Kgもひらめ食べる人は漁師にでもならなきゃ居ないかも知れませんが、魚類全てだったら、日本人なら殆ど超えそう、、。
ヤバイよーヤバイよ〜
Posted by 武尊43 at 2015年12月24日 23:04
 関連ブログとして2013年01月20日の記事が下段に貼られていました。

 眺めてみましたら当方もコメントつけていることが判りましたが、其の中でリンクを貼ったサイトを見ましたらとんでもないところに飛んじゃいました。間違えたのかな?理由は不明です。

 調べて別なサイトをここに貼っておきます。広瀬隆氏の食物連鎖の図面です。

 http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-10890831109.html
Posted by ハマの住人 at 2015年12月25日 06:57
 沖縄では憎まれ役を買った「海上保安庁」ですが、地道な調査役も果たしています。これは大きく評価してやらないと。大抵の皆さんはご存じないかも。

 魚介類を食べることの恐怖が一目瞭然。Sr90とCs137を調べれば最早自明の理でしょう。

 重複しますが再度貼っておきます。

http://www1.kaiho.mlit.go.jp/KANKYO/OSEN/housha/ho2014.pdf
Posted by ハマの住人 at 2015年12月25日 07:17
こちら新潟のマスコミは、今年が新潟水俣病が発見されてから50年ということで、色々な特集を組みましたけど、「生態濃縮」に関しては、水俣病という前例があるのに、福1事故関連のそれに関しては特に問題なしと報道しております。不思議だなぁ(棒読み)。
ついでに言わせてもらいますと、水俣(新潟水俣)病について調べれば、国や国にとっての大事な金蔓である大企業が、自分たちがしでかした不祥事に関してどういう事を行うか、そしてその事から、福1事故に関して国やその金蔓である電力会社がどういう事を行うかがほぼ予測できるのに、それでも国や電力会社を信頼しているかのような報道を行う大手マスコミ・・・。信用する方がバカですね。

あと、以前別の記事でコメントしましたが、こちらの佐渡沖で漁獲された鰈からもセシウムが検出されております。
http://www.fureaikan.net/syokuinfo/topics/t110322sengetsusui.html
日本海で獲れた魚からも検出されているというのに、福島沖で何の問題もないというものおかし過ぎますよね。
そういや、福1から太平洋に流出した放射性物質は、数年もすると、日本海側にも廻って来ると、事故直後から予測されておりましたっけ。
Posted by 新潟県民 at 2015年12月25日 22:07
ヒラメは港の堤防などでも釣れますが、50センチくらいに大きくなると船からの沖釣りです。小アジやイワシなどの「生き餌」で釣ります。海底で砂に隠れて目だけギロギロさせていますから、例えば玄海地方の昔式の仕掛けだと、錘(おもり)の30センチ上くらいに1メートル前後の枝の糸を付けますが、それに生き餌を付けて海底近くをホレホレと移動させると、ものすごい勢いで飛びついてくるわけです。獰猛な肉食ですから50センチぐらいもある成魚なら、72時間あれば相当餌食うんじゃないかと思いますが、そもそもカゴの中で餌は食ったのか??カゴの目が大きかったらイワシなどの魚も入ってくるかもしれないし、砂の上にいるハゼやらカニやらも入ってくるかもしれないけれども、ひょっとしたらひょっとしてカゴの目をうんと小さくして中で絶食させちゃったりして、とか?なるべく内部被曝しないように。実験の装置の絵図がないのでなんかよく分からないです。本当に変な実験!「かかり湯」実験と私は呼びたいです。
ハマの住人様がご指摘のようにストロンチウムが非常に心配です。子供に骨ごと食べさせるとか避けねばいけませんね。
Posted by タナトリル at 2015年12月26日 02:10
「富山県産ヒラメ4匹を入れたカゴ4個」というのは、4匹×4個で16匹ともとれますが、文章を作成した人物の日本語能力ないし論理的思考力の不足によるものでしょう。まあ、16匹でも実験としては少なすぎますけどね…。それと、富山県産と記してあるだけで、元々の放射能レベルは測定していないんでしょうか? 研究がヘボいのか記者がヘボいのかわからないので、「横浜市の水産総合研究センター」のホームページを見てみましたが、それらしい記事は見当たりませんでした。以前、美味しんぼの風評被害により飯坂温泉でキャンセル発生というデマがありましたが、そうした類のものの可能性はないでしょうかね? もし、元となる論文などわかりましたから教えてください。
Posted by 木村裕行 at 2016年01月05日 15:50
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