2016年09月29日

1396.遠隔転移、再発まで認められたフクシマ小児甲状腺癌は、「健診のやりすぎ」

2016092901.JPG・原発事故当初から心配されていた小児甲状腺癌が予想通り激増し、一部にリンパ節転移、肺などへの遠隔転移、さらには再発まで見られることが報告された
・同じシンポジウムで、「福島ではスクリーニング(集団検診)により甲状腺がんが見つかっている」と指摘と主張するイギリス人専門家もいる
・見られている様相はチェルノブイリと全く同じであり、福島県に限らず、近隣各県にまで健診を広げる必要があることが強く示唆された。 服しましょうに甲状腺癌の状況について、福島医科大学の鈴木眞一教授が驚くべき現況を報告した(NHKより。既に削除済み)

甲状腺がん 手術後の再発数%
原発事故の後、福島県が行っている、子どもの甲状腺の状態を調べる検査で、がんと診断された子どもの手術を行っている医師が、手術後に再発したケースが数%あることを初めて明らかにしました。
これは、福島市で26日から開かれている甲状腺がんに関する国際シンポジウムで、県立医科大学の鈴木眞一教授が明らかにしました。
福島県では原発事故当時、18歳以下だったおよそ38万人を対象に甲状腺の状態を調べる検査を行っていますが、シンポジウムで鈴木教授は、県の検査でがんと診断され、平成24年8月からことし3月までに県立医大で手術を受けた125人の詳しい状態や手術の方法などを発表しました。
それによりますと、状態としては、全体の22.4%にあたる28人に首の周りのリンパ節への転移が見られ、2.4%にあたる3人には肺など遠隔部への転移が見られたとしています。
一方、甲状腺がんの種類別では、「乳頭がん」と呼ばれる一般的なタイプが121人と大半を占め、チェルノブイリの原発事故で増えたとされる「充実型」と呼ばれる種類は見られなかったということです。
また、手術の方法については、左右にある甲状腺のうちすべてを摘出したのは11人で、ほかの114人は片側のみの摘出にとどめたとしています。
さらに鈴木教授は詳しい人数は言えないとした上で、手術を行った患者のうち数%の人ががんを再発したことを初めて明らかにしました。
シンポジウムでは27日午後、今後の甲状腺がんへの対応について県への提言案をまとめることにしています。09月27日 13時05分

 小児甲状腺癌は良性疾患であり、手術の必要などない。過剰健診であると主張している御用学者の意見に真っ向からたちむかう報告である。再発が起きる癌が、良性のはずがない。そして、この「肺への遠隔転移が見られる」とする報告は、山下俊一氏の報告 
のなかで
 チェルノブイリの事故後急増した小児甲状腺癌では、早期発見にもかかわらず所属リンパ節転移や、肺転移が多く、進行型が半数以上

に一致する。

 以前紹介したように、甲状腺癌は次のように分類されている。
 甲状腺癌の中でもっとも多く、30−50歳代の女性に好発します。比較的若年者の癌は予後が悪いように見えますが、本症の予後はきわめて良好で、10年生存率は80%以上とされています。被曝によって生じる甲状腺癌のほとんどは乳頭癌で、1986年のチェルノブイリ原子炉事件(ママ)のあとに好発しているのも本症です。また、特に10歳以前に頚部放射線照射を行うと、本症の危険度が増加することが指摘されています。
 甲状腺乳頭癌の亜分類が、チェルノブイリと違うから、被爆の影響ではないと主張する結論が完全に浮いていることがよくわかる。
 即ち、フクシマの小児甲状腺癌を放置すれば、大変悲惨なことになるのが目に見えているのである。
予想通りに、小児甲状腺癌、しかも乳頭癌が増加し、通常は見られない早期発見例での遠隔転移がみられているとなれば、被曝を疑わない方がどうかしている。

 このような研究発表がありながら、大本営 福島民友は下記記事を(同じシンポジウムに対して)投稿している。

「チェルノブイリと異なる」 専門家、福島県被ばく状況で一致
2016年09月28日 09時31分

 東京電力福島第1原発事故後の子どもの甲状腺を巡る問題について議論する国際専門家会議は最終日の27日、福島市で開かれ、「福島の被ばくの状況は、甲状腺がんが多く見つかった旧ソ連チェルノブイリ原発事故の状況とは大きく異なる」と、本県で見つかっているがんについて放射線の影響は考えにくいとの認識で一致した。

 甲状腺検査については、検査自体が対象者の親に心理的ストレスを与える可能性があることや、検査に伴うメリットがデメリットを上回るよう考慮する必要があることを確認。専門家会議は今後、こうした内容を取りまとめ県に提言する。

 日本財団の主催で、原発事故後5回目。チェルノブイリの汚染地域がある国の研究者や国際機関の専門家らが、甲状腺にテーマを絞って議論を行った。2日間の議論を総括する討論で座長を務めたインペリアル・カレッジ・ロンドン(英国)のジェラルディン・トーマス教授は「最も重要な点は『福島はチェルノブイリとは違う』ということ」とした上で、「福島ではスクリーニング(集団検診)により甲状腺がんが見つかっている」と指摘した。
 シンポジウム内の報告を一切無視して、結論ありきの結論を導き出す国際御用学者には恐れ入るが、それをそのままたれながす福島民友の存在価値はいったいどこにあるのか。
 内容と結論が全く違う内容を聞いて納得できる人間がいるのだろうか。

 なお、このトーマス教授はみなさまご存じのこの方。
2016092903.jpg
 容貌を揶揄するのは好みではないが、まさしく白×という表現がピッタリとくる。同じシンポジウムの鈴木真一教授の発表を無視するとは、さすが、国際御用学者と言えよう。彼女は、この手のシンポジウムにはイギリスからわざわざ来日して、全く同じ結論しか話さない人物である。このような人物に大金を支払うのであれば、同じ体系のくまモンにでも来てもらった方がまだましではないのか。

 5年がたち、フクシマ小児甲状腺癌がいよいよ抜き差しならぬ状況になってきたことが伝わってくるシンポジウムであった

■関連ブログ
甲状腺乳頭癌−郡山から避難した30代女性 一例報告2012年05月15日
1211.インペリアル・カレッジ・ロンドンの華麗なる人脈2014年11月11日

  
posted by いんちょう at 20:48| Comment(13) | 原子力
この記事へのコメント
今日の喫茶店の会話

(看護師さんらしい)女性2人。
「驚いたわ。15人!」
いつもは1日、1〜2人の入院患者さんしかいない病院。
お昼に先生が「今日は8人も入院。」と言って嘆いていたのに、結局夜までに15人になったそうです。
ICUも満床。
「もうどこでも空いてるところに手あたり次第入れたわ。」とのこと。

こわっ。

Posted by 風 at 2016年09月29日 21:35
福島県伊達市宇都宮市などで、火葬場が大繁盛のようです。死者数が去年まで、10年度比7〜9%アップ位での推移だった(これでも相当ヤバい)のが、とうとう14%近くまで上がってきてるそうです。いわき市もかなり上がっていて、8%前後です。
コレ福島県発表の死亡者数を元に集計した数字なので、確かでしょう。
尚、相馬市ではそれ程の変化は見えませんし、逆に少ない月まで有ります。会津地方も同じ傾向です。
これを調べてる人曰く、地元産など接食食料品に対する、危機感が少ない地方は死者数が上がってるんだそうです。但し、ココはその方の意見なんで、参考までにして置きます。
 チェルノブイリとフクシマは、放射能の摂取に違いが有るんじゃないでしょうか?そういう研究もしないで、チェルノブイリと違うから、事故の放射能の所為ではない、は成り立たないと思います。
こんな事素人の私でも考えますがねェ、、。
Posted by 武尊43 at 2016年09月30日 00:49
被曝地獄
都会は子育て地獄
終末医療地獄
大口人口密集地帯の医院
良いところ住み易い物価も安い
横浜駅までも近い 1駅

オスプレイとか戦闘機
1機ずつ減らせば簡単なのに
空母作ったり

築地改修 大田1時移転
桝添さんも1000億値切って
洗いざらい辞職らしいから
やはり追い込まれるかと予想
Posted by 農家 at 2016年10月01日 01:51
隣の駅に評判良い徳州会病院が有りますから
2駅目でした。
Posted by 農家 at 2016年10月01日 01:55
喉痛くないですか?
久しぶりに、2日続けて朝起きたら喉が痛いです。

う〜ん・・・。
Posted by 風 at 2016年10月01日 10:37
NHKの記事、一つ大きな誤魔化しがあります。

「全体の22.4%にあたる28人に首の周りのリンパ節への転移が見られ、2.4%にあたる3人には肺など遠隔部への転移が見られたとしています」。

これはあくまでも手術前の診断結果です。本来、臨床データは術後診断のもの(最終診断)が使用されます。鈴木真一によれば、術後診断の結果は、

リンパ転移77.6%

被膜外浸潤40%

遠隔転移2.4%

です。およそ8割がリンパ転移し、予後に甚大な影響を与える被膜外浸潤はなんと4割にも上ります。

https://twitter.com/YuriHiranuma/status/780404896327618562

あえて数値の低い術前診断データを使用するとは、NHKらしい(姑息な)誤魔化しと言えるでしょう(それすら即座に削除するとは、この放送局の腐敗臭は限度を超えています。もはや死んだも同然です)。
Posted by garfunkel at 2016年10月01日 10:40
もう一つ誤魔化しがあります。これはNHKというよりも、ジェリー・トーマスや福島医大の誤魔化しであり、以下のNHKの引用に示されている。

「チェルノブイリの原発事故で増えたとされる「充実型」と呼ばれる種類は見られなかった」

乳頭がん亜種充実型は、10歳未満の小さな子供でしか見られない稀なタイプです。チェルノブイリでは初期10年間の症例は10歳未満の患者が多数いたので、充実型の頻度が高かった。しかし、事故から10年以上が経ち、子どもが大きくなった段階では、充実型は少なくなり、典型乳頭がんが多数を占めるようになった。現在では、チェルノブイリでも充実型は発見されていません。

つまり、充実型は10才未満の低年齢層に特徴的な亜種であり、被曝とは関係ない。福島では今のところ10代が中心なので、充実型が発見されないのも当然です。

「福島では充実型が見られないので、チェルノブイリとは違う」というのは、「福島は被ばく由来ではない」という根拠にはなりえないことは、専門家であれば周知のはずです。

彼ら専門家は人を騙すのが仕事としか言いようがありません。この人たちの犯罪性は、しっかり記録にとどめ、将来必ず責任をとらせる必要があるでしょう。

Posted by garfunkel at 2016年10月01日 10:57
甲状腺がんは激増している癌の一部ですね。伊藤病院は混雑を極めていますが、乳癌の有名病院も検診の予約でさえ1年待たされる有様です。大本営発表を信じて棄民されるよりは自衛しましょう。
Posted by Tokyo at 2016年10月01日 12:16
ふつう転移までしてたら・・、
そしてその後の事考えればスクリーニング効果でたまたま見つけただけで〜はちょっとなぁ・・、
「転移しても安心」とか言い出すのかなぁ。
Posted by 大阪のアホなおっさん at 2016年10月02日 14:48
震災当時この動画は有名司会者が政府の無策を糾弾していますが・・・
今は全然違います。
福島放射能汚染の実態
https://www.youtube.com/watch?v=kEMnM_9M794
Posted by 大和 at 2016年10月03日 19:36
専門家も騙すなど考えているのではないと思う。
理由は比較対象が無いと言う事実に過ぎない
もしくはバズビやガンターゼンの様に反核に染まった専門家もどき
逆もあり得る、それはその人の発言は思想信条に過ぎない。

甲状腺がんは症状が出にくい癌ですから
自覚症状があって病院を受診した患者さんとスクリーニングで見つけた癌を比較して増えたと騒いでみても放射線の影響かどうか判定する事は出来ないです。
実際は、別の病気で亡くなれた人の1/4から1/2に甲状腺がんが存在した報告も有ります。

また、2013年に福島以外の3県でもスクリーニングしてます。
https://www47.atwiki.jp/info_fukushima/pages/267.html

結局は専門家も全てが言う事は
その人の思想信条に左右されているという事です。
反原発に人間は過剰に、親原発は極小化しようとしますが
何方かというと反原発の方が被害を大きく見せようとしていると思う。
実際に、インターネットでは人が死ねば原発事故のせいにしてる人が多いですから。
根本的に注視して頂きたいのは科学的データです、これだけは思想信条に左右されません嘘をつきません。

甲状腺がんの発生比率と汚染マップを重ねれば良く解ると思います。
発生と汚染度は比例しているはずなのに比例していませんよ

言うなれば判断するためのデータが不足している状況なのです。
Posted by Apophis at 2016年10月04日 00:01
甲状腺医療の現場に行ってみる、癌医療の現場に行ってみる、行った人の話を聞いてみる。健康診断の全体的な傾向を調べてみる、色々な方法がある。日常的な疾患なら、タダの風邪が長引く、何度もひく、時季外れの流行をする、秋なのに学級閉鎖が起きる、等々東日本の人は学校や職場での話を聞いてみるといい。
週刊新潮が大口病院の院長を「これほど死んでも気付かない!」と非難していたが、新潮の方がよほど罪深いんじゃないかな。
Posted by Tokyo at 2016年10月04日 19:54
否定派はフランス、ドイツの放送にも是非反論を。
http://useful-info.com/fukushima-france-documentary
Posted by Tokyo at 2016年10月04日 22:04
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