2017年01月12日

1421.原発に将来がないことを定量的に説明する

2017011203.jpg・原子力発電に将来性がないのは、周知の事実だと思うが、説得力のある数字を用いたブログを紹介したい
・ウラン資源の確認埋蔵量、温排水の量を定量的に分析しており(簡単な計算ではあるものの)非常に説得力を持っている
・原子力には将来性が全くないことをこの文章は物語っており、その原子力を事業の柱とするような企業は早晩どこかの会社のように淘汰されるのは明らかである


 原子力は温暖化に逆行し、資源としても石油に劣るとは言われているものの、定量的な評価がされているのを見たことがなかった。このあたりがきちっと書かれている文章を紹介していただいたので、こちらでも紹介したい。孫引きの形になる。

ストレスフリーの資産運用 by 林敬一(フィクストインカムの専門家)
から

原子力発電に未来はあるか
2016年10月29日 | ニュース・コメント

  政治問題を扱わない方針のブログではありますが、今日はあえて原発問題を取り上げます。

  原発問題ではありませんが、昨日の国連総会の1つの委員会で核兵器禁止条約締結を目指す決議案が123票の賛成多数で採択されました。日本はなんと反対に回っています。世界の核兵器廃絶のリーダーたるべき日本が、禁止条約に反対するとはとてもショックだし、それに対する日本政府の釈明は、私には意味不明でした。核武装論者を国防大臣に据え、安全保障に関する違憲立法を強行した安倍政権の本性が再び見えたように思えます。

 一方で国内では、原発の再稼働問題が毎日のように報道されています。私が講演会を予定しているサイバーサロンでもそのことが議論されていています。その議論の一環で、一昨日熊本大学名誉教授の入口紀夫さんが、原子力発電に関する総括的な解説を投稿されました。

  原発について私はなんとなく、「しばらくなしでもやっていけたのだから、この先も再稼働させない方が安心できそうだ」と思っています。それ以上深く考えたことはありません。しかしこの入口先生の解説は、しっかりとした数字の裏付けがあって、数字ヲタクの私にはとても説得力のある解説でしたので、みなさんにも見ていただこうと思い、許可を得て全文をそのまま掲載させていただきます。


以下、入口先生の文章となる。熊大の教授とのことだが、寡聞にして私はこの方のことは存じ上げなかった。

前略

フランスも脱原発に入っており、2002年から新たな原発建設はありません(1基はとん挫)。欧米で建設進行中の原発はフランスのアレバがフィンランドで建設している1基だけです。

それも当初1兆円の予算が、コアキャッチャー(万一メルトダウンしたときに核燃料を地下で受け止めて冷やす「皿」)をつけ、航空機の衝突防止用の「よろい」をつけました。複数の非常用電源をテロから防禦する手立てはなく、すでに3兆円を超えており、稼働は不透明です。
・・
ウラン資源の確認埋蔵量は50京キロカロリーです。原油の確認埋蔵量は150京キロカロリー、太陽光は「毎年」1,300京キロカロリーです。なので、ウランは枯渇しつつある「限定資源」です。

原発1基は100万kWを発電しますが、実は300万kWの出力があって、残り200万kWはタービンを海水で冷却して廃棄されます(1秒間に70トンの海水を7℃上げる)。日本の国土の約6割は森林ですね。日本が緑豊かであるのは、雨がたくさん降るからですが、約38万平方キロの国土に1年間に約6,500億トンの雨が降ります。うち約2,500億トンは地下水となり、約4,000億トンは河川を流れます。日本の54基の原子炉から出る7℃高い海水は約1,000億トンです。原発は二酸化炭素を排出しませんが、自然エネルギーに比較すると「地球温暖化」を推進して近海の生態系を変えます。
・・
正常な原発でも、それを廃炉にして更地にするには、廃炉先進国のイギリスの例では「90年以上」かかる見通しです。原発は通常1基あたり広島原爆約7,500発分の放射能をかかえて稼働させますが、燃料棒をすべて取り出しても原子炉自体が広島原爆数発分の放射能で汚染されていて、それをどう削り取るか、削り取った廃棄物をどう処分するかが将来100年間見通せないからです。
・・
日本には広島原爆100万発分の「放射能廃棄物」があります。海洋投棄は「ロンドン条約」に違反します。また、日本は国土の10倍以上の排他的経済水域(そこで採れた資源はとってよい)をもつ海洋大国ですが、海洋汚染防止義務に違反すると「国連海洋条約」でこれを失う恐れがあります。氷床投棄は「南極条約」に違反します。宇宙投棄は技術的に困難です。政府は、ガラス固体化させて地下1,000メートルに埋める方針ですが、引き受ける自治体がありません。
・・
私には、原子炉は廃炉もできず、技術的に劣った停止中の原子炉と共に暮らす暗い将来しか見えて来ません。このような暗い将来を目指すために我われ日本人は努力して頑張って来たのだと思いたくはありませんが、「原子力発電に未来はない」が私の結論です。


 いかがだろうか。定量的に見ても既に詰んでいる状況である。フクシマで脱原発へと急激に舵を取ったとはいえ、今までの負の遺産は残ってしまう。どうしようも未来・・ 子孫から恨まれるのは間違いないところである。

■関連ブログ
1300.荒唐無稽な「世界一」安全な原発の実態2015年08月17日
田原総一朗の「原子力戦争」−描かれていた燃料破損事故2014年01月05日

  
タグ:原発 温排水
posted by いんちょう at 22:22| Comment(12) | 原子力
この記事へのコメント
自称愛国者が、美しいはずの自国を破壊する自爆テロリストなんですよね。関東の健康被害はもう覆い隠しようもなく、悲惨です。
Posted by Tokyo at 2017年01月12日 22:48
,

世界の核兵器廃絶のリーダーたるべき日本が、禁止条約に反対するとはとてもショックだし、それに対する日本政府の釈明は、意味不明。

⇒ 敗戦国である日本は、戦勝国の米国に服従させられてる。

 薩摩川内原発等国内54基は、オモテこそ電力施設だが、ウラの稼業は核兵器用濃縮ウラン・プルトニュウムの製造死設…

 新幹線だけでなく、高速道路までバラマキのカネは、電気料金だけでなく、世界各国からの闇軍事予算も出所なのだろう…

 非核3原則は、広島・長崎の票欲しさの芝居で裏で米軍は持ち込み放題。

 SF作家大御所の小松左京は『復活の日』で核ミサイルで人類滅亡を描いていたが、2011年4月14日の福島3号機核爆発によるプルトニュウム飛散で人類は事実上終わったのだろうか?…

悲しい。

Posted by 不眠症 at 2017年01月13日 06:09
あのう、「復活の日」ではむしろ核兵器によって、南極大陸に生き残った人類が救われてしまうのですが…。
もっともそれは作中の話。実際にああいう事態が起こったら、核の冬やら放射性物質による汚染で、地球上は人類が住めない状態になってしまうのではないかと。
Posted by 新潟県民 at 2017年01月13日 13:20
「このような暗い将来を目指すために我われ日本人は努力して頑張って来たのだと思いたくはありませんが」
この部分、共感するなぁ。これを認めたくない日本人が多すぎるんじゃないかな。
みんながもっと謙虚に間違いを認めることができたらいいのに、と思う。
Posted by 夢 at 2017年01月13日 13:56
福1事故以降、いわゆる「人類消失テーマSF」、ある地域や国家や惑星からそこの住人が突然いなくなってしまうというあれです、を読むと、いつも次のような事を考えてしまいます。
「その、人が消えうせた地域にも、稼働中の原発はあるのだろうなぁ・・・」と。さて、無人の地で稼働し続ける原発の、行き着く先は如何に・・・?
そういや小松左京の短編で、地球上から満12歳以上の人間が一人残らず消えうせてしまった、という設定の作品がありましたが、いくらなんでも地球上に残された子どもたちには原発はどうにもならないだろうなぁ・・・。

さて上でも触れた復活の日ですが、細菌兵器に汚染され、無人の地と化したかつての文明世界と、汚染を免れ、かろうじて生き残こった人類が暮らす聖地である南極大陸との唯一の連絡手段が米ソの戦略原潜であったり、ある地震学者が人工地震のデータを取りたいからと、原潜の艦長に頼んでSLBMを発射してもらうなど、今読むとなかなか興味深い物がありますよ。
Posted by 新潟県民 at 2017年01月13日 20:09
活動すればするほど汚染が積んで山と為し…、
アホなボンボンが実績作りの為に知り合いの取引先の会社に入社して、ボンボンのパパの会社から美味しいお仕事あげるのでアホボンに箔をつけてね!、
というような状態でやってたような業界なんでしょうからねぇ、
益は少なく後始末がそれをはるかに上回る…、
それを肯定してるのはアホボンとそのパパと取引先の会社だけ…、
まあそんな感じなんでしょうからねぇ、
将来性なんかあるかいな。
Posted by 大阪のアホなおっさん at 2017年01月14日 15:07
この人科学者ですかね?

確かにウランは世界全体で630万トン程度と推定され
100年分ぐらい,とされていますね。
リン鉱石中に含まれるウランを含めると違うんですよ。
その上、海水中には微量のウランが含まれています、最近取り出す技術が出来ましたね。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20101208/217470/?rt=nocnt
>正常な原発でも、それを廃炉にして更地にするには、廃炉先進国のイギリスの例では「90年以上」かかる見通しです。
>燃料棒をすべて取り出しても原子炉自体が広島原爆数発分の放射能で汚染されていて、それをどう削り取るか、削り取った廃棄物をどう処分するかが将来100年間見通せないからです。

これは嘘ですね、原子炉圧力容器や配管などは放射化の問題で置いて有るだけ。
正常に稼働してたなら放射性物質が付着する事は殆ど有りません。
基本的には除染で薬品を使い洗えば済むレベルです。
見通せないは嘘、アメリカでは10基ドイツで1基は廃止処置が終了してます。
http://www.yankeerowe.com/
などがいい例ですね。1992年2月閉鎖2007年8月に終了だから。

嘘までついて体制悪原発論ってイデオロギーにしがみつく姿勢はどうかと思うよ
Posted by Apophis at 2017年01月14日 22:53
リン鉱石にどれだけの量の、ウランが含まれているのか
そのウランを取り出すエネルギーは、どれくらいか
どれだけのエネルギーを使って、海水からウランが取り出せるのか
興味のあるところです
海水中には微量の金が含まれています、最近取り出す技術が出来ましたね
Apophisさん やりませんか?
大金持ちになれますよ
Posted by 中学生 at 2017年01月15日 13:46
皆さん、面白いこといいますねw
ウランがまだあるとも、石油がまだあるともいくらでも好きな解釈はできますよ。
資源の有効活用のために他国が使っていないウランを使おうとも言えるわけだし。

反体制と反原発は本来別物ですよ。一緒にしているのは情弱だけだと思いますけど?
ただ、まともにものを考える人ならば、反体制の考え方をするときもあるでしょう。

さて、90年の根拠は私も不思議だったのですが、毎日新聞の記事からと書いてあるブログがありました。
http://www.magazine9.jp/osanpo/130821/

あながち根拠がないとも思えませんけど。設備の放射化が主要な問題なのでしょう。

簡単な文章で語る人を、この人科学者ですかね、と思うことはよくあることですw

Posted by 夢 at 2017年01月15日 14:33
「基本的には除染で薬品を使い洗えば済むレベルです」
冗談は、そこまで
洗えば済むのか?
この国はこの程度なのか?
若い世代に丸投げなのか?
Posted by 中学生 at 2017年01月15日 21:46
馬鹿に注ぐ薬品無しw
Posted by 岩見浩造 at 2017年01月15日 22:24
多分、九州地区の方は既にご存知と思いますが、今日午後から鹿児島市内で「川内原発を即時停止せよ!」の講演会があります。後藤正志、田中三彦、広瀬隆、秋山豊寛、矢部忠夫さんと5人の反原発有名人が登壇なさるそうです。拡散希望のメールが来ましたので、以下に貼り付け:

皆さま

2.5川内原発・緊急企画、いよいよ今週の日曜日です。

日本を代表する原発の論客5名が、来鹿。
まさに錚々たるメンバーです。
お見逃しなきよう、お願いします。

第1部 14項目安全評価
田中三彦(元原子炉容器設計技術者)
後藤政志(元東芝・原子炉格納容器設計者)

第2部 連続講演
広瀬 隆(作家)
秋山 豊寛(宇宙飛行士)
矢部 忠夫(新潟県柏崎市議)

第1部は、元国会事故調のメンバーによる14項目に上る川内原発の安全評価がなされます。
第2部は、広瀬さんには地震、秋山さんは地震が体験された避難、矢部さんは新潟県知事の権限等をお話されます。
お知り合いはもちろん、行政の原発担当者、首長、議員の皆様には、原発への賛否を問わず、ぜひ、聞いていただきたい内容です。

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2月5日(日)開場 午後1:00 開演 午後1:30〜5:30
会場:鹿児島県歴史資料センター黎明館
   鹿児島市城山町7-2 TEL099-222-5100
参加費:1000円(予約不要)
主催:ストップ川内原発!3.11鹿児島実行員会
-----------------------------

拡散、お誘い方、お願いします。

ストップ川内原発! 3.11鹿児島実行委員会
事務局 向原祥隆

--------
以上
Posted by 地元民 at 2017年02月05日 10:43
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