2017年05月02日

1430.高汚染地帯−浪江−で森林火災。チェルノブイリの時は、あの産経も危険を指摘

2017050202.JPG 福島県浪江の帰還困難区域(300万Bq/m2以上)で、火災が発生。
避難区域の火災収まらず 福島、山林20ヘクタール焼く
2017.5.1 18:41 産経ニュース
 東京電力福島第1原発事故で帰還困難区域になっている福島県浪江町の国有林で発生した火災で、県や陸上自衛隊は1日、消火活動を再開したものの鎮火できず、約20ヘクタールが燃えた。けが人はいない。
・・
 帰還困難区域は比較的放射線量が高い区域。現場周辺の放射線量に大きな変化はない。

 放射能汚染されている地域で火災が起きても、日本のマスコミ各社はなんの問題ないと配信している。

 具体的には、下記の場所のようである。確かに高レベル汚染地帯。


 さて、問題は無いとする産経新聞は、ほんの2年ほど前に下記記事を配信しているのである。
チェルノブイリで第2の放射能汚染の危険 森林火災で大気中に拡散し…
 旧ソ連のウクライナのチェルノブイリ原発周辺で、事故発生から29年が過ぎた今年、新たな放射能汚染の脅威が浮上している。原発周辺の森林や野原で大規模火災が相次ぎ、一部で大気中に基準値を超える放射性物質が検出されたためだ。周辺地域の除染が徹底されておらず、土壌や草木に残る放射性物質が火災の際の強風にあおられ、大気中に拡散したものとみられる。
 ロシアの専門家は独自の調査データから「危険性はそれほど高くない」と分析しているが、環境保護団体は「ガンの発生率があがる恐れがある」と主張。ウクライナ政府に対して徹底した情報公開と対策を要請している。住民の間には事故発生時に真実が発表されなかった国に対する不信感が今も根強く残り、今後の生活に大きな不安を呼び起こしている。

 当時のゴルバチョフ政権は当初、事故の発生をひた隠しにし、消火活動に当たるなどした原発職員数十人が急性放射線障害で死亡、のちに約33万人が強制移住させられた。事故の深刻度を示す国際尺度は東京電力福島第一原発事故と並ぶ最悪の「レベル7」。発生4〜5年後には、子どもの甲状腺がんが急増したことが報告されている。
 大規模火災はこの規制区域内で発生した。最初の発生は4月末。炎は風にあおられて燃え広がり、数メートルの高さの樹木の最上部まで燃えた。ウクライナ国家緊急事態省は数百人の消防隊員を現場に派遣する特別態勢を組み、消火活動にあたった。

 空中から放水するヘリコプターも2機投入されたが、強風の天候が続いて消火作業は困難を極め、火は一時、原発まで約10キロのところまで迫った。

 結局、完全鎮火には約1週間かかった。焼失面積は東京ドーム85個分の約400ヘクタール。燃え広がる森林の映像や懸命な消火活動の様子はロシアや欧州各国でも報じられ、不安視する住民の声が伝えられた。

 ウクライナ政府は沈静化に躍起になった。チェルノブイリ原発自体はもちろん、周囲のモニタリングポストの調査からも「第2の放射能汚染」の危険性はないと強調した。

 さらに原発事故後の30年間、まったく人の手が加えられていないことから、一帯に落ち葉や枯れ木などが積み重なっていることも、火災を誘発する原因となっている。福島第一原発事故後のように、チェルノブイリ周辺では十分な徐染作業や処理が行われておらず、こうした草木にも大量の放射性物質が付着しているとみられている。

 7月の火災で、周囲に設置されたモニタリングポスト1カ所で基準値の10倍に増大したセシウム137を検出した。原発事故で放出された放射性物質である。地元メディアによれば、ウクライナ当局は「健康被害はない」ことを強調し、関連する他の詳細な情報は明らかにしなかった。

 ウクライナの環境団体のトップは地元メディアに「立ち入り禁止区域で起きた火災は極めて危険だ」と指摘した。乾燥した気候が続けば、火はいつでも燃え広がる可能性があるとし、「放射性物質を含んだ灰はその後、風に運ばれて広範囲に広がり、土壌や河川に降り積もる。これは環境汚染と健康被害に対する大きな脅威だ」と警鐘を鳴らした。

 しかし、この立ち入り禁止区域に、ウクライナとは別の独自のモニタリングポストを設けているロシアは「危険性は最小限に過ぎない」と主張した。

 原発専門家は、チェルノブイリ原発周辺では2010年にも大規模火災があったが、健康被害に達するレベルの放射性物質のデータは検出されなかったと指摘。その上で、「すでに、原発事故時の汚染された土壌は地中深くまで浸透しており、大きな影響を及ぼすメカニズムにはない。今回の火災でも異常は検出されていない」と語った。

 山火事は福島第一原発周辺でも発生する恐れがあり、今回の出来事は、日本政府に対しても大きな教訓を与えそうだ。(佐々木正明)
 ロシアの主張は、現在の日本政府およびマスコミの主張そのものである。この記事を配信した産経新聞は、その危険性をきちんと指摘してはどうか。なぜ、配信して2年程度の記事さえも無視できるのだろう。
 ソ連製と日本製の放射能には違いがあるとでも主張したいのだろうか。

■関連ブログ
1379.SPEEDIの有用性を報道した産経新聞2016年06月04日
1283.大本営新聞(産経)までもが認めざるをえくなかった原発の高コスト2015年06月19日

 
posted by いんちょう at 20:24| Comment(8) | 原子力
この記事へのコメント
福島の根元さんからの紹介です。
宜しくお願い致します。
Posted by 青木一由 at 2017年05月04日 18:07
山林火災の温度は800度ぐらい
セシウムは昇華温度は1100℃程度
飛灰移行が800度で20パーセント程度だから
危険性はそれほど高くない
灰が長距離を飛ぶには高度が居るので
飛散はしない

同じレベルセブンでもまだ理解できないの
希ガスの放出量は同じとしても
原子炉内の燃料はチェルノブイリ1基と
福島3基で同じような量です。
チェルノブイリは稼働中に爆発
福島は水素爆発、違いがいまだ理解できないのですか?
大そうに言わないと儲からんからかな?
Posted by Apophis at 2017年05月04日 23:20
抑え込みたいニュースかどうかがわかる。
Posted by こいつの出現頻度で at 2017年05月05日 12:33
セシウムの沸点は641度。蒸発温度は150度くらいです。

ちなみに水素爆発の原因となった燃料被覆管ジルコニウムは2000度くらい。それが解けて水素爆発しているという事はセシウムなどは言うに及ばず。
Posted by タガメ at 2017年05月10日 15:18
タガメさん

水素爆発は化学爆発です。
発生源は金属ジルコニウムが蒸気と反応して
蒸気中の水原子から酸素を奪う現象です。
つまり、水素爆発は金属ジルコニウムが無ければ水素は出来ない物ですよ。
つまり、600度を超えると酸化反応で水素が
発生します。温度が上がるにつれて増えて行きます、約1200度程度で一番活発に酸化反応が起こります
溶けるレベルで有れば、水素は既に発生しつくしてます。
だから、君の言ってることは順番が逆の事なんですよ気が付きませんか。
水素が出るのは溶ける以前です、セシウムは関係ないです。

今回の火事で飛散したとしても海です
まず飛散を気にするするレベルには無いですが。
理由や証拠は簡単にインターネットで探せます
全く知恵が無いようなので書きますが
現代は高性能な気象衛星が有ります、それにちゃんとどっちに流れるか映ってるんですからね。
意味のない事を言っているの解りませんか?
Posted by Apophis at 2017年05月11日 00:26
コメントは、日本語でお願いします。
Posted by いんちょう at 2017年05月11日 12:52
ま、どれだけ隠蔽しようと、
その報いを最大に食らう事になるのは、
彼ら自身。
傲岸不遜の報いと知りなさい。
Posted by 名無しの見届けニャン at 2017年05月12日 05:29
>ソ連製と日本製の放射能には違いがあるとでも主張したいのだろうか

これを皮肉に感じないのが、標準的な日本人の感性だね(笑

>産経新聞は、その危険性をきちんと指摘してはどうか

これは無理でしょう。昔からの性格は変わりませんよ(笑

たくさんの本当の事のを書いて煽りながら、少しの大きな嘘を折り込むという、ある意味、若者だましなことを昔からやっていますから。

結構オープンに物を書くので、本当の事だけを抜き出すことが出来れば、有用なメディアなんですけどね。


Posted by 産経ふぁん at 2017年08月12日 04:07
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