2020年04月11日

PCR検査忌避は、医療崩壊そのものである

 日本だけPCR検査数を極端に絞っているのは、皆様ご存じの通り。その理由がなかなか見えてきませんでしたが、これは、政府、厚労省、そして医師会まで含んだ「方針」であることが徐々に明らかになってきました。

保健所長「病院あふれるのが嫌」 さいたま市の検査数少ない理由
2020年4月10日 21時16分
 新型コロナウイルス感染の有無を調べるPCR検査が、さいたま市では2カ月で171件にとどまったことについて、市の西田道弘保健所長は10日、記者団の取材に「病院があふれるのが嫌で(検査対象の選定を)厳しめにやっていた」と明らかにした。

 さいたま市は2月に検査を開始し、今月9日までに171件。同市より人口、感染者ともに少ない千葉市は同日時点で4倍以上の700件を超えた。

 西田氏は、軽症や無症状の患者で病床が埋まるのを懸念したと説明。「検査を広げるだけでは、必要がないのに入院せざるを得ない人を増やすことになる」と述べ、滞在先施設の確保が必要だと強調した。
(共同)
 まさに大日本帝国を彷彿とさせる「理論」です。ベッドが足りなくなるから、検査を絞る。本末転倒も甚だしい。中国はすぐに間違いに気がついて、都市を封鎖し、病院を建設し、軽症者用の宿泊施設を大がかりに作り上げました。今回の疾病は、まさに戦争ですから、平時の兵站ではとても太刀打ちできません。日本で感染が起き始めたときに、韓国のように検査を徹底記に行うとともに患者を何が何でも、隔離していけば、おそらく100〜1000億円足らずの費用で全部押さえ込みができたはずです。ところが、平時の病床に見合うだけの検査しかしてこなかったため、市中感染がもう防げないほどになってしまいました。
 さいたま市の保健所長がこのような大それたことを自分の責任で言うはずもありませんから、これは中央−厚労省からの指示であることは、まず間違いないでしょう。だから、こんなことになります。



 では、医師会はどうか。実は全く同じ意見です。

かながわコロナ通信より
PCR検査の本当
PCR検査の本当 医療関係者は、もうすでに感染のストレスの中で連日戦っています。その中で、PCR検査を何が何でも数多くするべきだという人がいます。しかしながら、新型コロナウイルスの PCR 検査の感度は高くて70%程度です。つまり、30%以上の人は感染しているのに「陰性」と判定され、「偽陰性」となります。検査をすり抜けた感染者が必ずいることを、決して忘れないでください。
インフルエンザに比べて1/100〜1/1000といわれるウイルスの少なさは、検査結果の判定を難しくしています。とくに早い段階でのPCR検査や治癒過程(10日以降)でのは、決して万能ではないことを理解してください。 治ったと思っても再び陽性となる人もいます。それは前にも述べましたが陰性と判断しても、ウイルスの量が少ないため誤って陰性という判断をしてしまう危険性があるのです。複数回検査しても、陰性になってしまう偽陰性の患者さんが出てきてしまうのです。そして、体調によって症状が再び出現して再燃、つまり症状が出てしまう可能性があるのです。
さっさとドライブスルー方式の検査をすればよいという人がいます。その手技の途中で、手袋やPPE(防護服・予防衣)を一つひとつ交換しているのでしょうか。もし複数の患者さんへ対応すると、二次感染の可能性も考えなければなりません。正確で次の検査の人に二次感染の危険性が及ばないようにするには、一人の患者さんの検査が終わったら、すべてのマスク・ゴーグル・PPE(防護服・予防衣)などを、検査した本人も慎重に外側を触れないように脱いで、破棄処分しなければなりません。マスク・PPE(防護服・予防衣)など必須装備が絶対的に不足する中、どうすればよいのでしょうか。次の患者さんに感染させないようにするために、消毒や交換のため、30 分以上 1 時間近く必要となります。テレビなどのメディアに登場する人は、本当のPCR検査の実情を知っているのでしょうか。そして、専門家という人は実際にやったことがあるのでしょうか。
 いったいいつの情報化と思って、文章の日付を確認してみますと・・・・
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なんと,4月9日一昨日です。韓国でも、米国でも、ドイツでも実施されている手技に難癖(としかいいようがありません)をつける。接触する可能性があるのは、手袋だけですから、手袋だけ変更すればいいのに、防護服すべてを変える必要があるなどと、ふざけたことを公式の文書で書いているのですから、目も当てられません。そもそも、コロナ肺炎の局面の変更は非常に早いので、日付を明記して情報を流すべきなのに、それさえ書いてありません(右上に日付と作成者名を書くのは、文章作成のイロハのイです)。神奈川県医師会は、韓国、米国、ドイツに知り合いはいないのでしょうか。ドライブスルー検査の実態さえも知らずにこんなことを書くとは、ガラパゴスどころか、石器時代に相当します。あなたたちは、米国のドライブスルー検査の手法をテレビで見ていないのですか?テレビさえ持っていないオフィスにいるんでしょうか?インターネットで検索することもできないのですか?
 全く信じられません。神奈川県医師会は海外に知り合いが一人もいないのかも知れません。しかし、日本医師会は、韓国、米国、ドイツにドライブスルー検査のことを聞ける友人が一人もいないんでしょうか?これらの国で二次感染が起きて、検査がストップしたという話は全く聞きませんが。

 医療の検査は、どれも100%ではないことは常識です。70%しかないから、検査に正確性がないというのは全くの間違いで、2回連続して行えば、確率は91%まで上がります。そして、それはそれほど難しいことではありません。

1- 0.3*0.3= 0.91

こんなレベルの低いことを堂々と書くとは、神奈川県医師会は恥ずかしくないんでしょうか。早晩書き替えざるをえなくなると思いますので、スクリーンショットをとっておきます
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 もし、検査をしすぎることで、病床があふれて困るというのならば、医療崩壊がすでに起きていると言うことです。その期間をできるだけ短くするために、何が何でも検査を増やして、それに見合う病棟を建設する必要があります。あるいは、ホテル、体育館などを借り上げて、どんどんと隔離していくことしか、この疾病を押さえ込むことはできません。梅雨になれば〜、夏になれば〜などという「気候」に期待しても無駄なことは、インド、ブラジルの感染のすさまじさを見れば、すぐにわかることです。

 なぜここまで、戦況が読めないのか。未だにそれだけは理解できません。医師会は、自分の作った箱庭のことは忘れてください。なぜ、海外に協力を求めないのでしょう。高いカネをかけてやってきた海外交流は、いったい何だったんでしょう。たんなる、自分たちの「娯楽」だったんですか。
posted by いんちょう at 18:07| Comment(0) | 原子力
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