2020年05月15日

批判的記事の読み方−例題)免疫学の世界的権威が語る

 「時は真理の娘」ということわざがあります。いくら嘘をついても、真実は時が明らかにすると言うことでしょう。コロナ肺炎に対しては、自称専門家が嘘八百をまき散らし、まともな検査態勢さえできいないのがニッポンです。コロナ肺炎がやってきてから4ヶ月以上立つのに、いまだに検査をするかしないかでもめているなんて、情けない以外の言葉がありません。

・批判的に記事を読めない
・専門家の言うことを鵜呑みにする
・自分は専門家だと考えて世間の反対を主張する

よほど、一般の人たちの方が理解しているのは、放射能汚染の時も同じでした。どのようにして記事を読めばよいか。私のやり方を紹介してみます。もちろん、この手法がベストだとは言いませんが、ネットで記事を読む際には必要な手法ではないでしょうか。

終息には“集団免疫”しかない! 免疫学の世界的権威が語る「抗体保有者を増やしていく戦略」5/12(火) 6:00配信  文春オンライン

まず、題名から「世界的権威」といきなり書かれています。私はまずそこが気になります。ホンモノの世界的権威なら、名前だけで通用します。ところが、名前が書いてない。「免疫学」というマイナーな分野であるとはいえ、名前も同時に出すのがエチケットでしょう。まず、これで、おかしいじゃないかと思います。

「新型コロナウイルスとの戦いは、必ず人類が勝利します」

 そう断言するのは、順天堂大学医学部免疫学特任教授の奥村康氏(医学博士)。

2020051501.JPG

名前だけではなかなか思い出せませんが、この顔は見た記憶があり、記事にしました。私のブログを検索してみますと・・・

未だに楽観論を振りかざす現代の関東軍−感染症専門医2020年03月30日 がヒットしました。どれどれ・・

新型コロナ、4月終息説は本当か ウイルスを衰えさせる“湿度”と“紫外線”
3/30(月) 12:10配信 デイリー新潮

「これは風邪のウイルスのようなもので、インフルエンザとくらべても病原性はずっと弱く、どうということはありません」
 と言い切るのは、免疫学が専門の順天堂大学特任教授、奥村康氏である。

「ウイルスの発生地である武漢で発症が止まったのは、気づかないうちに多くの人に抗体ができたから。とにかく免疫に頼るしかないというのが私の考えです。(中略)無理に閉じ込めたりしなければ、4月か5月には落ち着くかもしれません」

 集団免疫を獲得すれば、戦争であるかのように構えるまでもないというのだが、それ以上に「4月か5月」という言葉に期待する向きも多いのではなかろうか。
 4月に収束するどころか、大変なことになっていたのは皆様ご存じでしょう。つまり、この人物は全くでたらめを平気で言うことがよくわかります。そもそも、武漢は1000万都市を封鎖して、1000床の病院を突貫工事で建設して、どうにか食い止めたことはみんな知ってます。それさえ知らないのですから、恐れ入ります70代後半という年齢ではネットから情報を得るのは難しいのかも知れませんが。これも、名前と写真で覚えていたから、前の記事を当たることができます。このような人物は1ヶ月もすればデマだとわかることを平気で垂れ流しますから、たちが悪いです。
 もっとも、私に言わせればこのような人物に取材する週刊誌の方がモラルを欠いていると思います。意表を突く見出しの記事を書けるわけですから、取材したくなるのもわかりますが・・

 念のため、「世界的権威」と主張しているのですから、当然Wikipediaもあります。
島根県出身[1]。1969年千葉大学医学部卒、73年同大学院医学研究科修了、医学博士。スタンフォード大学リサーチフェロー、元東京大学医学部講師、順天堂大学医学部教授、同大学医学部長。2012年定年、名誉教授、特任教授。1977年ベルツ賞、高松宮賞、1994年安田医学奨励賞、ISI引用最高栄誉賞、日本医師会医学賞などを受賞。1990年日本免疫学会会長。(奥村康は、自著において自らをサプレッサーT細胞の発見者としているが、同細胞については発見者とされる東京理科大学生命科学研究所所長の多田富雄を参照。)
 たいしたことをしていないことはわかります。世界的権威と自称する割には、ほとんど何もしていません。免疫学会の会長ぐらいでしょうか。

「免疫は小さな敵にはとりわけ強い。ウイルスなどはサイズが小さいので、免疫にとっては取るに足らない相手なのです」

「極論を言えば、自粛などしないで普通に生活を送ればいい。そうすることで多くの人が感染し、免疫を持つまでの期間を短縮できる。もちろん本当にそんなことをすれば犠牲者が急激に多くなってしまうので現実的ではないが、なるべく犠牲者を少なくしながら感染経験者を増やしていく戦略を、真剣に考える必要がある」

「あとから出てきた人間が、大先輩のウイルスを完全に排除することなど不可能だ。ウイルスと共存し、利用することで免疫を強化し、健康維持に役立てていくべき」
 サイズが小さいから免疫にとって取るに足らない・・・ 人間はウイルスに苦しめられていますが、こんなことを平気でいえるのは才能でしょうね。感染者を増やしていく・・・では、現在の状況はどんな感じでしょう。


【独自】「抗体検査」東京の献血で0.6%陽性、結果にばらつき
 たぶん1〜5%程度ではないでしょうか。その程度の感染でも、東京は医療崩壊していますから、集団免疫で対抗するのは絵空事だとわかります。

 集団免疫作戦を採用している国家は、スウェーデンです。ネットではすばらしいという賞賛の声しか聞こえてきませんが、貴重な実態報告がありましたので、ここで紹介させていただきます。

スウェーデンで何があったの?!私達が日本へ帰らざるを得なくなった理由
2020年04月06日 西田衣利子
コロナに対し特に何の対策もしないまま放置し続けるスウェーデン政府。
自己責任に訴えかけるやり方です。
でも、それでは国民人1人1人の認識が余りにも違いすぎるので、統制が取れるわけもなく、ただただ爆発的に感染者と死者が増え続け、普段からパンク気味の医療体制が、更にパンクしています。

親友や、同じ建物の住人達にもコロナに感染した人が数名います。
しかし、病院に行っても特に治療されず帰されるだけで、自宅のベッドで寝るしかありません。
もう症状が出始めてから特に治療もされないので、1ヶ月も経ち、色んな症状を行ったり来たり、肺が痛く、熱く、咳が止まらず、話す事もままならないようです。
様子を聞いてきましたが、明らかに風邪でもインフルエンザでもないです。

現在の感染者数はもう7000人に届きそうで、死者も450人超えました。
そして、検査もしてもらえず帰されるだけなので、実際はもっといると推測れます。
人口は日本のわずか十二分の一です。
たしかに放置するのが国家の大方針ですから、間違ってはいません。この状況に国民が黙っているのも信じられませんが、そういう国家も存在すると言うことでしょうか。

 集団免疫などと言う絵空事はやめ、きちんと検査、隔離を開始してください。それだけの頭脳もお金も設備も日本にはあるはずです。

未だに楽観論を振りかざす現代の関東軍−感染症専門医2020年03月30日

 
posted by いんちょう at 19:54| Comment(1) | Covid-19
この記事へのコメント
 これは余談なんですが・・・、なんとかアキヱとかいふ有名人がゐますが、その『どういう時に幸せを感じますか?――アッキーのスマイル対談』が、図書館に置いてありました。
井戸端談話ゲストのなかに、奥村康・順天堂大学名誉教授も連なつて <『“健康常識”はウソだらけ』不良長寿のススメ> とあります。奥村医師は医学博士でありながら、禁煙反対論者らしいのですが、WHO(IARC)のガイドラインに勝てる議論とは到底おもへません。
 喫煙論でいふなら、矢崎泰久氏のやうな文化論(『タバコ天国――素晴らしき不健康ライフ』2020年刊)で対抗・反撃するしかないとおもひます。
 このアキヱ・オカルト本ではまた、東京大学総長+文部科学大臣を経験した有馬といふエライヒトの <原発――怖いものにフタでいいのですか?> もあり、政治家にならなければノーベル賞だつた云々・・・と、ズッコケます。
Posted by 渡邉 建 at 2020年05月16日 11:33
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