2020年05月18日

唾液PCR検査の有用性は明らか。陽性者の少ない今こそ、唾液検査を拡大しよう

唾液でのPCR検査が5月中に認められる方向となりました。

新型コロナ 唾液でPCR、認可へ 検査数増加に期待 政府方針
会員限定有料記事 毎日新聞2020年5月12日 東京朝刊
 唾液を検体に使って新型コロナウイルスの感染を調べるPCR検査法を厚生労働省が早ければ5月中に認める方針であることが11日、分かった。現在主流となっている鼻の奥の粘液を綿棒で取る方法よりも安全で簡単に検体を採取でき、検査数を増やせる可能性がある。
 鼻の奥の粘液を取る方法は、せきやくしゃみが出やすいため、検体を採取する人が感染するリスクが高い。感染防止策を徹底して検体採取を行わなければならず、検査体制拡充の足かせとなっている。日本医師会も唾液によるPCR検査の実用化を求めていた。
個人的には、インフルエンザはどうだろうかと考えますが・・コロナがつばでうつるのか、いくつかニュースをまとめてみました

「コロナ持っている」 叫ぶ男に唾吐かれた駅員死亡[2020/05/13 06:19]
 イギリス・ロンドンの駅で新型コロナウイルスに感染しているという男につばを吐かれた駅員が死亡していたことが分かりました。

 3月下旬、ロンドン中心部のビクトリア駅の切符売り場で働いていた駅員の女性2人に男がせきをしながら言い掛かりをつけてつばを吐きました。この時に男は「自分は新型コロナウイルスにかかっている」などと叫んだということです。数日後、女性は2人とも感染したことが分かり、そのうち1人は先月5日に死亡しました。警察は男に関する情報提供を呼び掛けています。イギリスでは他にも感染者だと言って医療従事者や警察官などにつばを吐く事件が起きています。
そのものずばりのニュースです。つまり、唾液にコロナウイルスが含まれているのは、どうも確かなことのようです。では、「唾液」が原因で感染が拡大した事例は??

合唱団のクラスターと認定 ジム含め12人、岐阜県
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岐阜県は27日、感染者が相次いでいる可児市の合唱団について、クラスター(感染者集団)と認定した。二つの合唱団と、合唱団参加者が通う市内のスポーツジムと合わせ、計12人(愛知県集計の2人を含む)の感染が判明。ただ、もともとの感染経路は分かっていない。

県によると、二つの合唱団では、掛け持ちする参加者を含めて計7人が感染。このうち3人が市内のジムに通っており、ジムの利用者や家族ら5人の感染が分かった。3人のうちの1人、可児市の70代男性が重症で、それ以外は軽症か無症状という。

二つの合唱団は、2月16日に美濃市で開かれ、約550人が参加した屋内の合唱祭にも出場していた。県はここで感染が広がった恐れもあるとみて調べる。古田肇知事は県の対策本部会議で「警戒水準を上げる必要がある」と話した。〔共同〕
合唱はどうしてもつばが飛びますね。これは唾液感染だと考えて良さそうです。もちろん、ブラスバンド、オーケストラもどう考えても危ない。(弦楽器だけなら大丈夫ですが)

米国でも


そして、中国のこの研究
これは、つばの浮遊と考えると説明がつきそう。風向きにそって広範囲に広がっていることを考えると、屋外でも安心はできない感じは受けます。

 日本では感染が海外に比べるとそれほどは広がっていません。

・発音に破裂音が少なく、つばが飛びにくい。
・公衆の面前ではあまりしゃべらない
・家では土足を脱ぐ

こういったことが作用していると考えても矛盾はしないかも知れません。また、逆につばにウイルスを含んでいる人には強力な拡散能力がありますから、つばを検体にするのは、感染防御の点からも非常によい考えでもあります。(つばにウイルスが含まれていなければ、他人に感染させる能力はかなり低くなりそうです)

山中先生のホームページから
Wyllie et al., Saliva is more sensitive for SARS-CoV-2 detection in COVID-19 patients than nasopharyngeal swabs. medRxiv
file:///C:/Users/Shinya%20Yamanaka/OneDrive/On%20going/Reprint/Covid-19/Saliva%20vs%20nasopharygeal%20swabs.pdf
(内容)
査読前の論文。アメリカYale大学からの報告。新型コロナウイルスのPCR検査の検体として、通常行われている鼻咽頭(鼻の奥をゴシゴシして採取)と唾液を比較した。44名の感染者、合計121検体について解析した。陽性サンプル(唾液39検体、鼻咽頭43検体)で比較すると、唾液の方がウイルス量が約5倍多かった。29名では自己採取した唾液と、医療従事者が採取した鼻咽頭サンプルの同時比較が可能であった(38検体)が、やはり唾液検体の方がウイルス量が多かった。また唾液が陽性で鼻咽頭サンプルが陰性であったのは8例、唾液が陰性で鼻咽頭サンプルが陽性であったの3例であった。以上の結果から、唾液はPCR検査の検体として信頼できると考えられた。
手技が危険で巧拙が問われる鼻咽頭のぬぐい液よりも本当に良さそうです。

 この唾液検査ならば、ほとんど危険性はありません。全国津々浦々にあるクリニックで検体を採取し、検査をしていきましょう。それこそが経済再生への最短の道筋です。未だに感染症指定機関のみでの検査では流行を防ぐことはできませんし、それこそ手遅れになります。

国民には自粛を呼びかけておきながら、国会議員たちは・・
「3密どころか酸欠」自民のコロナ対策会議 議員殺到 席詰めて白熱4時間超
毎日新聞2020年5月8日 06時00分(最終更新 5月9日 12時00分)
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多くの議員が集まった自民党経済成長戦略本部・新型コロナウイルス関連肺炎対策本部合同会議=衆院第1議員会館で2020年5月7日午後1時35分、竹内幹撮影

 自民党は7日、経済成長戦略本部と新型コロナウイルス関連肺炎対策本部の合同会議を国会内で開いた。あらかじめ広めの会場が用意されたにもかかわらず、政府に物申したい議員が殺到。立ち見が出るほどの満員状態となり、期せずして「3密」に近い状態となった。
 あと一週間もたてば、必ず国会議員の間でコロナがはやるのは明らかでしょう。こんなに危機感がない人たちが政策を決めているのですから、まともなことなど決まらないのは残念ながら仕方がないのかも知れませんね。。。自分たちの身体で体感していただくしかなさそうです。

 しかしながら、、、つばでうつるのですから、向かい合って食事をしたり、全員で集まっての会食など、絶望的ですね。残念ながら。

「オウム真理教症候群」・・高IQが陥りやすい罠

  
posted by いんちょう at 19:47| Comment(2) | Covid-19
この記事へのコメント
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020051800309&g=cov

タカラバイオ 唾液PCR発売

唾液用試薬 200万人 月 生産
Posted by 農家 at 2020年05月19日 04:33
精力的な活動お疲れ様です。

唾液だけは生理的なものだけでなく、能動的にも出しますからね。日本語がそのように発達したとすると、古代に感染症で痛い目を見たのかもしれません。ただ、皆様経験の通り、ただ口を開けて息を吐くだけでも結構な量の唾が飛ぶことがあるので、当面は無口、マスクにならざるを得ないですね。

PCRで唯一嫌だった綿棒鼻ツッコミも無くなるので、ありがたいことです。

さて、小生もコロナ関係記事を2本書きました。

1本は小野様のブログを紹介しています。

医療報道評価におけるコロラド先生の誤りと欠如モデル理論の限界
http://iwamin12.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-744b93.html

【マスクしないで】元厚生技官の木村盛世氏はネトウヨに感染【激飛ばす】
http://iwamin12.cocolog-nifty.com/blog/2020/05/post-f1dd42.html
Posted by 岩見浩造 at 2020年05月19日 12:04
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