2020年06月02日

集団感染はあったが、クラスターは起きていない

 国内でも検査件数の多い北九州で、学校集団感染が起きました。

【速報】渦中の北九州市…小学校でクラスター
5/31(日) 20:08配信 RKB毎日放送
きょう北九州市の検査で判明した12人の新型コロナ患者のうち4人は小倉南区にある守恒小学校の児童だったことが分かった。守恒小学校は感染者の集団、クラスターが発生している状況。小学校はすでに消毒され、休校となっている。
12人の中には、企救中学校と思永中学校からそれぞれ生徒1人、医療スタッフ4人も含まれている。
「第2波」の渦中にある北九州市では、連日、2桁の新型コロナの感染者が報告されていて、クラスターの発生も相次いでいる。
このように北九州で患者が激増している背景には、濃厚接触者を症状の有無にかかわらず検査していることがあるようです。

無症状で登校、手打てず…悩む学校 北九州でクラスター
2020/6/1 6:00 (2020/6/1 12:59 更新) 西日本新聞 社会面 東 祐一郎
 北九州市の小学校で新型コロナウイルスのクラスター(感染者集団)が発生し、新たに小中学生6人の感染が判明した31日、関係者に衝撃が広がった。感染者が急増する同市では、学校が本格的に再開した5月25日以降に児童、生徒らの感染が相次いで確認され、小中学校など5校が休校に追い込まれている。市幹部は31日の会見で「全国的に児童の感染は見られていなかった。複数の児童が感染した状況を重く受け止める」と苦悩の表情を見せた
これらの患者は比較的軽症ではあるようです。


 市によると、守恒小で最初に感染が確認された10代の女子児童は5月12日以降、37度前後の発熱が続いていたが、登校再開日の25日には熱が下がり、同日から4日間登校。登校前に37度台の熱がある日もあったが、登校時の検温によるチェックでは36度台で引っかからなかった。感染が判明したのは、同じ時期に熱発し、症状が約2週間続いていた母親の感染が分かったからだった。

葛原小の児童も無症状で25〜28日に登校。家族の知人の感染が確認された後、検査を受けて感染が判明した。

 児童、生徒の濃厚接触者は、28、29両日に感染確認された守恒小と企救中、思永中の3人だけでもクラスメート、教諭、家族など30日時点で50人を超える。市によると、複数日登校していることから、濃厚接触者がさらに増える可能性も否定できないという。

 守恒小に5年男児が通う40代の父親は「学校からは保護者に何の情報も伝えられず、うちの子どもが感染していた児童と接触したかも分からない」と不安な様子。今後、感染した児童も含めて同小の児童や家族が周囲からいじめや差別などに遭わないか心配だとした上で、「これまでコロナは人ごとだったのに、急に身近になってしまった」と驚きを隠せなかった。 (東祐一郎)
無症候の感染者が、このコロナをばらまいているのは明らかです。それには、検査を徹底的にやるしかありませんし、諸外国がそちらの方向に舵を取っているのは、皆様ご承知の通り。ところが、いまだにこんなことを言うガラパゴス人間がいるのが、哀しいながら日本の現状です。

コロナ「全国民検査」は無意味である
2020年06月01日 PCR検査|新型コロナ|生命・医療
検査結果は曖昧、それでも知りたい必然性がある人だけ受けるべきもの
高橋真理子 朝日新聞 科学コーディネーター
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朝日新聞 科学コーディネーター。1979年朝日新聞入社、「科学朝日」編集部員や論説委員(科学技術、医療担当)、科学部次長、科学エディター(部長)などを務める。著書に『重力波 発見!』『最新 子宮頸がん予防――ワクチンと検診の正しい受け方』
 なるほど、子宮頸がんワクチン推進派ですね。

全国民検査」は意味がない。お金がかかりすぎるとか、手間が大変とかいう問題より以前に、そもそも意味がないのである。なぜなら、検査結果には常に曖昧さが伴うからだ。対象を全国民に広げてしまうと、その曖昧さが手に負えないほど大きくなってしまう。検査とは、曖昧であっても結果が欲しいという必然性のある人だけが受けるべきものだ。コロナ対策として大事なのは、必然性のある人の検査が速やかにできる態勢を築くことである。従って、医療現場や介護現場のために検査能力をもっと充実させるべきだという主張には賛成する。だが、全国民に検査を強いるのは的外れと言うしかない。
この方は、武漢で全数検査をしたことさえご存じないのでしょうか。無症候者を隔離しない限り、このコロナ肺炎の拡散は止まらないからこそ、武漢だけではなく世界各国でできるだけ検査を受けさせています。この理論の原理は、もう明らかになりました。特異度99%理論が出てくるのは、火を見るよりも明らか。なぜ、朝日新聞の高給取りで有りながら、PCRの原理、正確さを勉強していないのでしょうか。本当に理解に苦しみます。
 これこそ、「オレオレ詐欺」にひっかかる日本人特有の脇の甘さだと私は考えています。あるいは、「オウム真理教症候群」に陥ってしまいるようです。

その部分・・
このため、感染者が正しく陽性と判定される「感度」は70%程度といわれる。もっと低いという説もあるが、ここでは70%と見ることにしよう。一方、非感染者が正しく陰性と判定される「特異度」は高い。これを99%と仮定して、1億人に検査した場合にどうなるかを見てみよう。感染者の数はわからないのだが、100万人いると仮定してみる。
このひとは、特異度99%を高いと主張しているだけで、何の根拠もありません。100万人という6桁の数字を1%の偽陽性という1桁の精度で検査をすれば、当然偽陽性患者が山のように出てしまうのは、当たり前です。 科学専門家と言いながら、小数点があることもご存じないとはいくら何でもあきれます。こんな理解で、量子力学を理解することができるのでしょうか。
 99%と100%の間には、99.999%も含まれます。その精緻な議論をせずに1%の誤差で100万人を見たら、めちゃくちゃになりますよと言うわけですから、話にならない。

 もう、みなさんもPCR検査無意味派の理論構成はおわかりになったことでしょう。特異度、感度をふりまわして、100%じゃないから99%だ、だから全数検査を意味がないと説明するだけ。まさに、

「99%おばさん、ここに登場」

というわけ。このひとのいう「あいまい」な検査は「抗体検査」です。20世紀の後半に人類が手に入れた遺伝子工学(PCR)には、曖昧さは一切ありません。

さて、この集団感染に対して、政府は驚くべき発表をしました。
北九州でクラスメート5人が感染しても「クラスターと判断せず」 菅長官会見詳報
毎日新聞2020年6月1日 20時09分
 新型コロナウイルス感染症を巡って、1日の菅義偉官房長官の記者会見で質疑があった。感染者が増えている北九州市で同じ小学校の児童5人の感染が確認されたことについて、菅氏は「現時点でクラスター(感染者集団)と判断しているわけではない。感染経路や感染源、学校内で感染が拡大したかどうかを含め、現在、調査・分析中だ」と述べた。
 誰がどう考えてもクラスターですが、学校では集団発生は起きないと専門家委員会が「決定」していますから、今更変えることは許されないわけです。、

新型コロナ、子供は学校で感染せず
2020.4.1 22:34ライフからだ
 政府の専門家会議が1日に示した提言では、子供は新型コロナウイルスの感染拡大の役割をほとんど果たしていないとの見方が明らかにされた。インフルエンザと異なり、学校内で感染拡大が生じた事例が確認されておらず、子供への感染の多くは家庭内で起きているという。


富山でも学校の集団感染がおきていますが、ここクラスターではないと「判断」されました。現実にあわせて方針を変えなければならないのに、方針にあわせて現実をねじ曲げるのですから、科学的態度もなにもあったものではありません。東京も本来アラートを上げなければならないのに、全く無視


古くは、「敗北を転進」といいかえた日本帝国軍、最近では「爆発」を「爆発的事象」と言い換えた政府を思い出させます。ウイルスは、こちらの都合なんて全く気にしてくれませんが、「神の国」は特別だと考えているのでしょうか・・・

学校再開は、愚者の思考だ2020年04月05日
ついに起きた小学校のでのクラスター感染2020年04月22日
「オウム真理教症候群」・・高IQが陥りやすい罠2020年05月17日

  
posted by いんちょう at 15:19| Comment(7) | Covid-19
この記事へのコメント
99%詐欺で、「99%おばさん」よろしいですね。

科学記者だと、しかるべき学部、大学院を卒業したでしょうに、分かっていて国民を教化してやろうとしているのか、オウム真理教症候群なのか。だとしたら、「重力波 発見!」も大丈夫か、と思ってしまいます。
Posted by くまひろ at 2020年06月02日 18:09
記事の話題とは変わりますが、コロナ本。一般書は5〜6月刊行予定のは目次見た限りどれもダメですね。

作者が元々やっていることを無理矢理コロナに結び付けて免疫つけるとか、フェイクニュースを打破するとか。

フェイクとかカッコいい言葉使う前に、PCRでどちら側の立場にいるか、帯に書いとけばいいだけです。

岡田晴恵さんのは筋は良いですが、生活のどのシーンで気を付けたらいいか、という所はパンフレットレベルでぬるい。

以前もどこかで書きましたが、トングの例で言えば、使われる場面は意外に多様。パン屋サンかもしれないし中華料理の大皿かも知れないし、バーベキューかも知れないです。で、トング使うようなシーンでは距離の確保は無理です。バイキング/ビュッフェ形式の時、テーブルによって来る人数制限するのが精々。

考えても分からない人、想像力の欠落は、自分を含め99%の人には起こります。馬鹿臭くてもちゃんと書けばいいのに。

ああ、でも先生の日記は以前のように本にまとめると良い感じだと思いますよ。
Posted by 岩見浩造 at 2020年06月02日 21:58
99%とか子宮頸がんとか、一部に根強い人気がありますね〜。笑

5/28(木)のテレビ朝日モーニングショー、玉川徹氏の「そもそも総研」のテーマは、PCRの精度についてでした。先生のこちらのブログからも、着想を得ているのではないでしょうか。

その中で、PSS社の田島社長がインタビューに応えており、「PCRの精度は、検体採取、サンプル処理、DNA抽出がちゃんとしていれば、ほぼ100%です。PCRの機械に目標のDNAが入れば、正確な応答をしてくれます。日本は1999年〜2014年まで献血中のウイルス混入をPCRで調べていましたが、毎年約500万人から献血を集めていても、C型肝炎・HIVの感染症例は年間1例以下(2000年以降)に抑えられていました。PCRには、そのくらいの識別能力があります」と言われていました。

ちなみに、2014年以降は、PCRとは少し原理の異なるNATという検査手法を、日本赤十字社は採用しているようです。

https://www.bs.jrc.or.jp/hkd/hokkaido/process/m3_01_01_02_00000138.html

このNAT検査は、臨床での感染症診断には用いられていないのでしょうか? その理由や、PCRと比較しての得失など、またブログやツイキャスで教えていただければ幸いです。
Posted by 宮田 将 at 2020年06月03日 11:32
https://twitter.com/ncc170116/status/1267464716718272514
元衆院議員の豊田真由子さんは、厚労省出身で感染症の仕事も経験があるそうです。
「この、ハゲー」発言のことを延々持ち出している方もいますが、関心事はPCRなのでそれを見てみると。。。。

見識はハゲてなかった!豊田真由子氏のPCR検査コメントがまともで話題
http://agora-web.jp/archives/2044781.html
2020年03月11日 16:01

「検査には、ある程度のスキル、経験が必要。人材、機材、ウイルス検体を安全に採取し安全に運ぶのには、想像以上にかなりの手間がかかること。いろいろな限界がある中で、優先順位付けは必要」と医療体制上、即時に全員の検査はできないことを強調した。


先生、決戦の時です!!!!1
Posted by 岩見浩造 at 2020年06月03日 11:33
生ウイルス輸送方式は
やめてもらいたい 感染研方式

最新機器は、最初の試薬で
エンペローブを 溶かして、感染力をなくすらしい

山梨は従来方式検査機器で150%up
したとか新聞に掲載。 
公式400/day 人口辺り日本一とか

高速PCR PSS社が2台と たぶん院内用
産能研が有ります 山梨大病院
Posted by 農家 at 2020年06月03日 12:42
イスラエルで学校の集団感染が起きてると
昨日の毎日の夕刊(大阪の7面)に出てますね
生徒同士とか生徒から大人とかどの程度あるんだろうか?
Posted by 玉砕したくねえ at 2020年06月03日 16:46
7面でなく6面でした
Posted by 玉砕したくねえ at 2020年06月03日 16:47
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