坂本と大城は「微陽性」 専門家が見解「感染から回復後、かなりの時間経過」 早期合流目指す
[ 2020年6月3日 18:49 ]スポニチ
巨人は3日、坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性と判定されたと発表した。
球団によると、全選手や監督、コーチ、スタッフに希望を募った上で、希望者全員に都内の大学医学部の研究に参加する形で、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施。5月29日から31日に希望者全員218人の採血を行い、選手とスタッフの計4人から新型コロナウイルスの感染後に回復したことを示す抗体が確認された。
何気なく読んでみましたが、これは「研究」ですね。巨人は自分の金は使わずに、「研究」に参加することで感染の有無を確かめようとした。全例PCRを行うと表明しているJリーグとは、正反対のアプローチであることがわかります。研究ですから、当然PCRではありません。抗体検査。[ 2020年6月3日 18:49 ]スポニチ
巨人は3日、坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)が新型コロナウイルスのPCR検査で陽性と判定されたと発表した。
球団によると、全選手や監督、コーチ、スタッフに希望を募った上で、希望者全員に都内の大学医学部の研究に参加する形で、新型コロナウイルスの感染歴を調べる抗体検査を実施。5月29日から31日に希望者全員218人の採血を行い、選手とスタッフの計4人から新型コロナウイルスの感染後に回復したことを示す抗体が確認された。
IgG陰性・・・現在コロナにかかってるか、かかっていないか
IgG陽性・・・現在コロナにかかっているか、すでに治癒したか
抗体検査をしても現在コロナに罹患しているかどうかを判断することはできません。
この研究で一番意味があるのは、最後の数字。
218名中4名の陽性者 陽性率 1.8%
だけです。集団免疫には少なくとも40%以上と言われていますから、現時点ではほど遠い数字であることがわかります。しかし、集団の中に陽性患者がいたとすれば大変です。その人物がコロナにかかったのは確実ですから、PCR検査をする必要があります。(抗体ができていても、ウイルスを排出している可能性がある)
とうぜん、巨人を研究対象とした大学も、まず陽性者のPCR検査を勧めます。
慎重を期すため専門家指導の下、都内の医療機関に協力を依頼し、2日夕方にPCR検査を4人に実施。3日午前に2選手の陽性判定が明らかになった。
坂本と大城について、新型コロナウイルスの遺伝子量(CT値)は微量で、正常値ぎりぎりの「微陽性」にあたる上、ともに回復を示すIgG抗体を持っていることから、専門家からは2選手とも感染から回復した後、かなりの時間がたっているとの見解を得ているため、明日以降、管轄の保健所の指導に従って入院した医療機関において、PCR検査を連日実施し、陰性が確認でき次第、早期にチーム合流することを目指すとしている。
PCR検査に「微陽性」があるとは、知りませんでした。核酸増幅検査ですから、陰性か陽性かは確実に判定出来ますが、定量検査ではありませんので、そもそも遺伝子量を測定することはできません。それを抗体ができているから、「微陽性」と読んでいるのですから、各方面から失笑されています。坂本と大城について、新型コロナウイルスの遺伝子量(CT値)は微量で、正常値ぎりぎりの「微陽性」にあたる上、ともに回復を示すIgG抗体を持っていることから、専門家からは2選手とも感染から回復した後、かなりの時間がたっているとの見解を得ているため、明日以降、管轄の保健所の指導に従って入院した医療機関において、PCR検査を連日実施し、陰性が確認でき次第、早期にチーム合流することを目指すとしている。
そして、
「専門家からは2選手とも感染から回復した後、かなりの時間がたっているとの見解」
の一文はかえって問題です。逆に言えば、感染から回復してかなりの時間がたっているのに、未だにウイルスを排出しているわけですから、問題としては深刻です。
専門家のコメントも、意味がわかりません。
▼専門家チーム座長の賀来満夫・東北医科薬科大特任教授の話

「抗体検査でIgG抗体が確認されていることから、2名の選手とも感染から回復して、かなりの時間がたったと思われる。よって他人に感染させるリスクは高くないと推察されるが、感染防止に努めるという判断に立って練習試合を中止し、濃厚接触者を特定してPCR検査を実施するという慎重な判断は支持したい」
上記の訳のわからない発言は、この人物でしょう。正直、専門家を名乗る資格があるのか、はなはだ疑問です。「抗体検査でIgG抗体が確認されていることから、2名の選手とも感染から回復して、かなりの時間がたったと思われる。よって他人に感染させるリスクは高くないと推察されるが、感染防止に努めるという判断に立って練習試合を中止し、濃厚接触者を特定してPCR検査を実施するという慎重な判断は支持したい」
▼専門家チームメンバーで政府の専門家会議の委員も務める舘田一博・東邦大医学部教授の話

「PCR検査結果からは、ウイルスの遺伝子量がかなり少ないと考えられる。一方で、念には念を入れて入院待機をさせるという球団の判断は妥当。今回の検査によって、抗体検査をウイルス・キャリアのスクリーニングに応用できる可能性が示唆された。抗体検査でスクリーニングし、陽性者に対してのPCR検査を実施するという対応も考えてよいのではないか」
今回のこの結果は、抗体検査が全く意味がないことを示しているとしか思えないのですが、いったいなにを寝ぼけたことを言っているのでしょうか。そして、この人物が、現在の「日本感染症学会」ボスであることを知っておくべきでしょう
「PCR検査結果からは、ウイルスの遺伝子量がかなり少ないと考えられる。一方で、念には念を入れて入院待機をさせるという球団の判断は妥当。今回の検査によって、抗体検査をウイルス・キャリアのスクリーニングに応用できる可能性が示唆された。抗体検査でスクリーニングし、陽性者に対してのPCR検査を実施するという対応も考えてよいのではないか」
で、結局、PCR陽性者が見つかってしまったために、全員のPCR検査をすることになってしまいました。
1軍選手、首脳陣スタッフ全員PCR検査 新承認の唾液検体も導入 https://t.co/yKMCjN5qls #巨人 #ジャイアンツ #giants pic.twitter.com/wSFJVez85k
— スポーツ報知 巨人取材班 (@hochi_giants) June 3, 2020
もしPCR陽性者がいなかったら、巨人はそれで検査をやめていたのでしょうか。抗体陽性者がいれば、集団の中で誰かが、ウイルスを排出している可能性があるわけで、感染を防ぐためのまともな対応をとるのならば、全員のPCR検査をするしかないわけです。
あいまいな「微陽性」会社で検査精度に差…注意必要
[2020年6月3日22時51分]
2選手とも自覚症状はなく、正常値からわずかにはずれた「微陽性」のため、再度のPCR検査で陰性が確認されれば早期復帰が可能。6月19日の開幕戦に間に合う可能性がある。
循環器及び感染症専門の愛知医科大・後藤礼司医師 抗体検査とは新型コロナウイルスに感染して体に免疫ができているかどうかを調べるものです。コロナを発症して2週間前後経過すると、IgGという抗体が出てきます。これが出てくると、免疫を持っているということになります。
「微陽性」という表現があいまいで分からないのですが、IgGの値がほんの少しだけ上がっていると推察されます。よって、坂本、大城両選手が症状もなかったと言っているので、無症候性感染者であったと考えられます。ただし、抗体検査はどの会社のものを使うかによって精度が違うので、注意が必要です。
この専門家も、PCRに「微陽性」があり得ないと知っているわけで、IgGの検査結果を「微陽性」と勘違いしています。「感染症専門家」がまたも、「新語」をつくって、目くらましにきているのは確実です。[2020年6月3日22時51分]
2選手とも自覚症状はなく、正常値からわずかにはずれた「微陽性」のため、再度のPCR検査で陰性が確認されれば早期復帰が可能。6月19日の開幕戦に間に合う可能性がある。
循環器及び感染症専門の愛知医科大・後藤礼司医師 抗体検査とは新型コロナウイルスに感染して体に免疫ができているかどうかを調べるものです。コロナを発症して2週間前後経過すると、IgGという抗体が出てきます。これが出てくると、免疫を持っているということになります。
「微陽性」という表現があいまいで分からないのですが、IgGの値がほんの少しだけ上がっていると推察されます。よって、坂本、大城両選手が症状もなかったと言っているので、無症候性感染者であったと考えられます。ただし、抗体検査はどの会社のものを使うかによって精度が違うので、注意が必要です。
抗体検査は、その集団で既感染者がどれだけいるかをモニタするのには役に立ちます。巨人軍の陽性者の割合が経時的にどのように変化していくかは、「論文」として大変興味深いデータとなるでしょう。ですから、どこかの大学病院が「研究費」を使って、巨人のデータをとっているわけ。患者個人に役に立つようなことは「研究費」ではおとさず、「自費」でしますよね。
そして、PCR陽性患者が出たにもかかわらず、NBPは予定通り開幕すると主張
巨人の坂本、大城がコロナ感染 練習試合中止 NPB「19日開幕に影響ない」
毎日新聞2020年6月3日 18時01分(最終更新 6月3日 21時53分)
プロ野球・巨人は3日、坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)が新型コロナウイルスのPCR検査を受け、陽性と判定されたと発表した。球団によると、2選手は発熱などの症状はないが、感染拡大を防ぐために3日の西武との練習試合を中止。4日午前までに1軍の選手、監督、コーチ、スタッフ全員を対象にPCR検査を実施する。2日の練習試合で対戦した西武は検査しない予定。日本野球機構(NPB)は約3カ月遅れとなる19日の開幕には影響ないとしている。
野球選手は試合後に歓楽街(夜の街)に出かけ、各地を転戦します。どう考えても感染を広める方向にしかならないと思いますが、本当に開幕するんでしょうか。毎日新聞2020年6月3日 18時01分(最終更新 6月3日 21時53分)
プロ野球・巨人は3日、坂本勇人内野手(31)と大城卓三捕手(27)が新型コロナウイルスのPCR検査を受け、陽性と判定されたと発表した。球団によると、2選手は発熱などの症状はないが、感染拡大を防ぐために3日の西武との練習試合を中止。4日午前までに1軍の選手、監督、コーチ、スタッフ全員を対象にPCR検査を実施する。2日の練習試合で対戦した西武は検査しない予定。日本野球機構(NPB)は約3カ月遅れとなる19日の開幕には影響ないとしている。
「我が巨人軍は永遠に不滅です」
と引退の時に挨拶した選手がいましたが、怪しくなってきました。高額年俸、試合中止、無観客でもはや開幕するしかないのでしょうが、ここまで追い込まれてしまった日本プロ野球。本当に大丈夫?
コロナ肺炎抗体検査は、形を変えた人体実験である2020年04月01日
PCRの増幅回数を減らして、わざと陰性に持っていっていないかが心配です。この増幅回数は、何か決まりがあるのでしょうか。ネットで検索すると、通常は25〜40サイクルだとか、コロナウイルスのRT-PCRは40〜45サイクルだとか、色々出てきます。行政検査(国立感染研の手順?)は40サイクルだとTVで報道されていたのを目にしました。
リアルタイムPCR法(下の参照リンク)だと、10, 20, 30, 40, …サイクルといった増幅中も、ずっとリアルタイムでモニターして解析しているようです。だから例えば、「う〜ん、37サイクルくらいでPCR産物量が上がってきたな。ギリギリ陽性だな〜」という判断をする人(検査技師)もいそうです。
そして、全く未知のサンプルでも検量線を引けば、当初サンプル中のDNA(RNA)量が測定できるようです(0か1かの評価ではない)。新型コロナでは検量線は既に出来ているはずですので、時間もかからずに定量評価ができると思われます。
http://catalog.takara-bio.co.jp/product/basic_info.php?unitid=U100009037