2020年06月21日

東京都知事選挙を勝手に分析する

 2020年東京都知事選挙が、6月18日に公示されました。立候補者は今まで最多となる22人。
ぱっと見て、N国のホリエモンがえらく目立ちます。この手法は、参議院選挙でもこの政党が得意とした手法です。
上記の写真(告示当日の午後?に撮影されたとおもわれます。)N国の立候補者が目立ちますが、気になったのは1番 山本太郎 のポスターがあいていること。おそらく、この方のお住まいの地域は彼の「重点地域」にはなっていないのでしょう。


分析にするには、過去の実績を見る必要があります。Wikiから持ってきました

当選者の名前と得票数
1975年 みのべ亮吉 2,688,566 50.48%
1979年 鈴木俊一 1,900,210 43.28%
1983年 鈴木俊一 2,355,348 60.16%
1987年 鈴木俊一 2,128,476 49.94%
1991年 鈴木俊一 2,292,846 49.94%
1995年 青島幸男 1,700,993 36.60%
1999年 石原慎太郎 1,664,558 70.21%
2003年 石原慎太郎 3,087,190 70.21%
2007年 石原慎太郎 2,811,486 51.06%
2011年 石原慎太郎 2,615,120 43.40% (次点 東国原 169万)
2012年 猪瀬直樹 4,338,936 65.27%
2014年 舛添要一 2,112,979 43.40%
2016年 小池百合子 2,912,628 44.49%

これをみますと、猪瀬前知事の得票数がすさまじかったことがわかりますが、対立候補が宇都宮健児だけだったため、政党の足並みがそろったからの得票でしょう。ざっと見ますと45%以上の得票があると権力の維持には問題がないことがわかります。現在の人口であれば300万票。

1.小池百合子が300万票にどれだけ迫れるか
まず、そこに着目したいと思います。近ければ近いほど彼女の基盤は安定しますが、200万票前半では舛添と同じく、大都会東京の舵取りが困難になることが予想されます。

2.宇都宮健児は、次点になれるか。
 現時点での分析は、共産党、立憲民主党、社民党が推薦している宇都宮健児といわれています。彼は 2012年,2014年と既に2回挑戦し、いずれも次点。特に2014年の都知事選挙は、反原発候補として元総理大臣の細川護煕もしており、一本化が画策されたにもかかわらず、頑として拒否。このあたりは非常に残念だったので、当時ブログにまとめています。今思い出しましたが、脱原発候補として、落合恵子の出馬がほぼ決まっていたのに、中央突破をはかったのが彼でした。ネットの使い方は、共産党が支援しているためかたいへんうまく、もしかすると「当選」するのでは?と言った勢いを醸し出すこともあるでしょうが、今回の注目点は10%(法定得票数)に達することができるか、そして2位を確保出来るか。2位さえ確保出来れば、彼らにとっては「勝利」なのです。なぜ、当選を目指さずに立候補出来るのか、私にはさっぱり理解出来ませんが。
 3位ならまだしも、4位になる可能性もあるかもしれません。時を生かせなかった共産党の凋落、そしてはやばやと推薦を決めてしまった立憲民主党もしかり。とくに立憲民主党は都知事選挙で弱体化が進み、山尾志桜里の入った国民民主党が力を握ってくる可能性が高くなります。
 枝野の政治を見る目は残念ながらないと言わざるをえません。立憲民主党は、消費増税を断行して民主党を滅ぼした野田をきって、消費増税廃止に向かう必要がありましたが、もはや手遅れではないでしょうか。

3.山本太郎は、法定得票数に届くか。
 野党教頭候補として山本太郎の名前があがったようですが、「れいわ」からの出馬に固執して消滅したとの報道がありました。脱原発として有名となりましたが、原発事故以降の対応、細川の出馬したときの対応、プライペーとを全く明かさない手法、天皇直訴事件、など?ばかりの対応が私には目立ちます。とくに脱原発選挙として有名となった2014年都知事選挙にたいして、「分裂」しているから旗幟を鮮明にできないと発言したのは心底がっかりしました(ブログ参照)。
 もちろん、山本太郎自身も当選するとは全く考えていないはずです。公職選挙法ぎりぎりのやりかたで「れいわ新撰組」から、2名の当選者を出したものの本人は落選。選挙をなめていると言えば、あきらかになめていますし、制度の盲点を突いたやりかたで感心出来ません。天皇直訴事件を引きおこした彼からすれば、「れいわ」も、新撰組も全く違和感などないのかも知れませんが、「権威」にすがって政治をするという考え方を改めない限り、将来は暗いのではないでしょうか。今回も2番手どころか、3番手になる可能性さえあります。彼自身は、次の衆議院選挙を狙っているはずです。いくつか狙いを定めた衆議院小選挙区で重点的な活動を行い、そこからの当選を目標としていると思います。区別の得票数は必ず発表されますから、そこに注目しています。

4.維新の候補「小野 泰輔」はどこまで票を伸ばせるか。
 かれは、46歳と山本太郎と同世代です。立候補するまでは熊本県副知事をしていましたから、一応名前は知っています。蒲島熊本県知事をこれまで2期8年支えてきました。おそらく、県知事は彼に重要なことを相談して政策を決めていたはずです。しかしながら、この知事は評判が悪い。いちど熊本県医師会100周年記念の会合に呼ばれて、挨拶をしたのですが、出てきたのは自分の自慢話ばかり。医師会への感謝(政治家なら、支持母体に謝意を示すのは当然のはずです−たとえ、本当になんの支援がなかったとしても)もなければ、なにもない。自分の政策の自慢話(熊本地震の創造的復興)だけでした。国立病院の式典の際も、「もっとがんばれ」と言った感じで、辟易としたことを思い出します。
 彼は東大時代の蒲島の教え子だったらしく優秀だったのでしょう、請われて副知事となりました。しかしながら、ほんの数回しか「演説」を効いたことしかない私でもいやになるくらいですから、9年近く下で過ごしていたとすれば、ストレスは大変なものとなっているはず。やめるための「正当」な理由として都知事立候補をぶち上げたのだと推理しています。が、さすがに優秀だけあって、なんらかのつてで「維新」の推薦を受けることになりました。
 今回のと知事候補の中で台風の目です。かれが、2位になって法定得票をえるとすれば、維新の発言権がまします。そして、山本太郎の地盤沈下が明らかになります。かなりの得票をとって2位になれば、大阪都構想、および改憲がいよいよ現実味を帯びてくるのではないでしょうか。この候補を推薦するところに、「維新」のしたたかさを感じざるを得ません。立憲民主党とは真逆ですね。

(きわもの候補)
5.N国ポスター
 ホリエモンを3連発でのせて有名になりました。かれらは、目立つことだけを考えています。日本人がいかにバカかというリトマス試験紙のようです。なお、複数のポスターで選挙運動をするのは、じつは以前禁じられています。
『NHKから国民を守る党』の参院選7連ポスターがNGのワケ
「公職選挙法の144条4項は『1枚のポスターのサイズが長さ42センチ、幅30センチを超えてはならない』と規定しています。7枚のポスターを組み合わせた全体が1枚のポスターであると判断され、公職選挙法違反となる可能性があることを指摘しました。また、『過去には類似する判例がある』という旨をお伝えしています」

 こんな突拍子もないアイデアに“前例”があったのだ。1968年11月に大阪高等裁判所が下した判決である。

 1966年に行なわれた兵庫県川西市の市長選で2枚を横並びで掲示するとひとつの顔になるポスターが掲示された。強烈なインパクトが後押しとなったのか、候補者は当選。

 ところがその候補者陣営で、ポスターを製作・掲示した関係者2人が公選法違反に問われ罰金1万円と公民権の2年間停止の有罪判決を受けた。

 当時の新聞記事によれば、この手法はかなり“ブーム”だったらしい。

〈事実上野放しに近い“組み合わせポスター”に一つの基準を示したものとして、こんごの選挙運動にも影響しそうだ〉(朝日新聞1968年11月13日朝刊)
ホリエモンは、立候補者ではないから問題ないと言うわけでしょう。しかも、当選など考えてもいない泡沫候補ですし。しかしながら、明らかな選挙違反を放置しておくのは問題だと思いますが。

コロナはただの風邪、選挙運動は自由とはいえ、ひどい候補もいたものです。

 いぜん、Youtubeだったと思うのですが(検索したが見当たらず)、東京都知事候補全員にインタビューする動画を見たことがあります。著名人は全員画面に出てきましたが、訳のわからない候補(どこにいるかわからない、インタビューにも答えない)もいました。当選する可能性のなく、選挙運動もしない人がなぜ出馬するのか、未だに理解ができません。浮動票を幾らかでも取り込むことが目標なのでしょうが、それにしても理解に苦しむ人がたくさんいました。

 今回の都知事選挙。残念ながら当選者は決まっているとは思いますが、いろいろと分析しながら結果を見ると今後につながりそうです。

都知事選挙に感じた違和感の理由−なぜ、脱原発陣営が分裂したのか2014年01月30日
1071.ついに脱被曝まで投げ出した変遷する山本太郎2014年05月16日
つくられた「四面楚歌」−東京都知事選挙中盤情勢2014年02月01日

  
posted by いんちょう at 22:10| Comment(2) | Covid-19
この記事へのコメント
立候補した小野という人はネトウヨ発言が晒されているが、ネトウヨにしても知性を全く感じない。それなりの屁理屈を作ってだから中韓はダメなんだというなら、まだ分かりますが、正直産経の煽りにも及ばない。

つまり、政策を考えたり選んだりする力も無いということ。
Posted by 岩見浩造 at 2020年06月22日 00:32
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200622/k10012479561000.html

上手に 素早く 安く 大量に
供給出来れば、良いですね
Posted by 農家 at 2020年06月22日 19:09
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