2011年03月21日

甲状腺とヨード

 原子炉の核分裂で生成されるヨード 131が、原発の周りの各県で検出されるようになりました。

 今回は、これと甲状腺がどうつながるかについて、説明いたします。(やっと医学らしい話になりました)

下記は、大学自体の内分泌の教科書(STEP 内科 代謝・内分泌 P154)から抜粋しました甲状腺ホルモンの構造式です。
2011032101.jpg

 学生時代に苦しめられた亀の子の先に ヨード(I)がくっついているのおわかりでしょうか。

以下、記述を写します
 甲状腺ホルモンの分子構造を見ればお分かりのように、合成にはヨードが不可欠です。ヒト成人が正常な甲状腺機能を営むためには、1日150マイクログラムのヨードが必要です。ヨードは海藻類に多く含まれ、海鮮物の接種の機会が多い我が国では十分に足りていますが、中部ヨーロッパやアメリカ中部ではヨード欠乏症を見ることもあります。

 摂取されたヨードは、ヨードイオンとして腸管から吸収され、循環血中に入ります。甲状腺のろ胞上皮細胞は能動輸送によりヨードイオンをとり込み、細胞内で濃縮した上、さらに酸化してヨードに変えます。そして、サイログロブリンにヨードを分泌します。

 甲状腺ホルモンは、アクセルと同じで、
・思考回転を早め
・心拍数も増加
・糖吸収を早め
・コレステロール値を下げ、
・蛋白を異化する。


代謝に必要不可欠なホルモンなのです。採取しにくい元素のため、一度取り込まれますと、なかなか体外排出されず、このため放射線のヨードを摂取しますと、甲状腺癌を発症しやすくなります。
 ヨード剤を内服しますと、放射性ヨードの体内摂取を減らすことができます。(悪いヨードの中に、いいヨードをたくさん入れると、結果として取り込みれるヨード中の放射性元素の割合が低下します)

 幸い、ヨード131の半減期は8日ほどですので、核分裂生成物の発生さえ抑えられれば、一ヶ月も立ちますと、1/8程度と減少します。

 チェルノブイリ事故のときも、子供の甲状腺癌が多発し、ずいぶんと問題になりました。
タグ:O
posted by いんちょう at 21:23| Comment(1) | TrackBack(0) | 日記
この記事へのコメント
突然のコメントで失礼します。甲状腺の嚢胞とヨードとの関係を知りたくてコメントさせていただきました。
現在、福島県の子どもたちのためにヨードを含む昆布とリンゴの飲料水を届ける活動を続けています。飲んでいた方々の中から、嚢胞がある子どもにはヨードの摂取は避けた方が良いという情報が流れています。
果たしてどうなのか判断が出来ず戸惑っています。何らかのアドバイスをいただければ幸いです。届けているのは北海道の**市で製造しているタングロンという飲み物です。
Posted by 小**一 at 2013年03月10日 12:36
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