それに対して、各国から「それは評価が高すぎる。LEVEL 7まではない」とロシア、米国、フランス各国が発表しています。
代表的と思われる、下記記事に対しての私の意見を書きたいと思います。(なぜかしら、署名がありません)
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110413/dst11041303140003-n1.htm
保安院の発表には矛盾がある。福島事故で放出された放射性物質の量は、チェルノブイリの10分の1に過ぎないと認めているではないか。レベル7の根拠は、2号機が爆発した3月15日ごろの数時間、最大で毎時1万テラベクレル(テラは1兆)の能力を持つ放射性物質が外部に放出されていたと報告されたことである。しかし、今はその1万分の1に減っている。
INES 事故評価
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E9%9A%9B%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E4%BA%8B%E8%B1%A1%E8%A9%95%E4%BE%A1%E5%B0%BA%E5%BA%A6
放射性物質の重大な外部放出:ヨウ素131等価で数万テラベクレル以上の放射性物質の外部放出
毎時1万テラベクレルを認めるのであれば、この文章は誤り。チェルノブイリだって、石棺をつくりあげ、外部放出はとめています。(どなたか、石棺を作り上げ、放射能の飛散がほぼ止まった日を教えていただけますと幸いです)
福島事故とチェルノブイリ事故は重大度が全く違う。チェルノブイリ4号炉は、運転中に暴走して大爆発を起こし、炉心ごと吹き飛んだ。だから外部にばらまかれた放射能の量も汚染面積も比べものにならない。
重大度はどちらが大きいのでしょうか。かたや、無理な実験による臨界事故+水蒸気爆発。今回は、外部事象−自然災害(地震+津波)による事故です。複数炉心が同時にやられ、なおかつ現在も余震が終わっていません。ヒューマンエラーは防止できないこともありませんが、このような自然災害は想定外。原子力に与えるインパクトは、今回のほうが格段に高いと思います。
放射能の量と汚染面積は、まだ評価が終わっておらず、簡単には言えません。福島の小中学校ほとんど全てで、放射能物質が測定されたという報道もあります。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110413-00000503-yom-sci
福島県の20小学校で土壌検査、19校から検出
読売新聞 4月13日(水)12時2分配信
福島県災害対策本部は13日、福島第一原発の放射能漏れ事故を受け、県内の小学校20校で実施した土壌検査の結果を発表した。
4月5、6日、各校で校庭の表層5センチの土壌を採取し、放射性ヨウ素とセシウムの濃度を測定。19校で土壌1キロ・グラムあたり874ベクレル〜5万9059ベクレルを検出し、最高は川俣町立山木屋小で土壌1キロ・グラムあたり5万9059ベクレル。南会津町立田島小では検出されなかった。 最終更新:4月13日(水)12時2分
川俣町立小学校は、作物を育てることができない放射能レベルです。ところで、土壌1キログラムなのでしょうか。面積なので、平方メートルで評価すべきだと私は感じます。
福島事故では放射線被曝(ひばく)による死者が皆無であるのに対し、チェルノブイリでは約30人の発電所員らが死亡している。
これは、わかりません。ベータ熱傷で入院した3人の作業員の方たちは、その後どうされているのでしょうか?
福島では、4基の原発から放射性物質が漏れたのに加え、収束に日数を要しているものの最悪の方向には進んでいない。
これこそ、問題です。最悪の方向には今のところ至っていないだけで、冷温停止までどのように持っていくか、まだスケジュールすら出ていません。
今回の災害は
・複数炉心(チェルノブイリは1基だけ)
・燃料プールの問題(放射能物質は、格段に多い)
・すでにチェルノブイリの3倍以上の期間、収束出来ていない(チェルノブイリは、事故の発生から避難まで、10日間。石棺の完成は調べましたがよくわかりません。)福島は、どのくらいかかるのでしょう。
チェルノブイリ事故については、Wikiが比較的まとまっています。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%AB%E3%83%8E%E3%83%96%E3%82%A4%E3%83%AA%E5%8E%9F%E5%AD%90%E5%8A%9B%E7%99%BA%E9%9B%BB%E6%89%80%E4%BA%8B%E6%95%85
ちょっと記述してみます。
4月26日1時05分 実験開始
1時23分47秒までに、原子炉出力は標準的な運転出力の10倍であるおよそ30GWまで跳ね上がった。燃料棒は融け始め、蒸気圧力は急速に増大して蒸気爆発を起こし、原子炉の蓋を破壊し、冷却材配管を破裂させ、屋根に穴を空けた。
推測では爆発は2度あり、2度目の爆発によりおよそ1,000tあった蓋が破壊された。
事故による高濃度の放射性物質で汚染されたチェルノブイリ周辺は、居住が不可能になり、約16万人が移住を余儀なくされた。避難は4月27日から5月6日にかけて行われ、事故発生から1ヶ月後までに原発から30km以内に居住する約11万6千人全てが移住したとソ連によって発表されている。しかし、生まれた地を離れるのを望まなかった老人などの一部の住民は、移住せずに生活を続けた。 放出のスピード、事故の範囲と明らかに違いますが、それでも事故の翌日には30km以内の人を非難させています。
ソビエトの科学者の報告によると、28,000km2が185kBq/m2を超えるセシウム-137に汚染した。約83万人がこの区域に住んでいた。約10,500km2が555kBq/m2を越えるセシウム-137に汚染した。このうち、ベラルーシに7,000km2、ロシア連邦に2,000km2、ウクライナに1,500km2が属する。約25万人がこの区域に住んでいた。これらの報告データは国際チェルノブイリプロジェクトにより裏付けられた。(このデータと、今回の福島のデータが、単位が違うため比較できません。)
複数炉心、使用済燃料プールの問題が残っており、収束が見えないことから、IAEAで新しい概念が作られるのかもしれません。