2011年04月16日

福島の思い出(2)・福島第一での初期研修

 福島第二原子力発電所に配属となりましたが、さらに数週間は、福島第一原子力発電所で福島第一原子力発電所配属組(15名程度)と一緒に原子力初期研修となりました。

 この福島第一原子力発電所は、とてつもなく広大です。まず、所内には2つ以上の信号機があり、請負企業棟に設置されている自販機の売上は、東北一と紹介されました。昼休みに運動のために事務棟(発電所の近くにあります)から正門まで歩いてみましたが、1時間の休み時間内には往復できず、途中で断念しました。おそらく片道で40分はゆうにかかる距離です。現在お住まいの場所から、歩いて40分程度の場所を思い浮かべてください。発電所の大きさがある程度おわかりになるかと思います。

 研修途中で見せてもらった福島第一原子力発電所の記録映画。発電所ができるまでは、なんにもないというのは、こういった状況を指すのかというくらい本当になんにもないところ。葦だかなんかのくさが一面に生えているような映像でした。もともとは、塩田があったらしいのですが。。。
 その当時に赴任した人に話を聞きますと、肉を買いに行くにも車で1時間以上走る必要があったらしい。まあ、私が赴任した80年代後半にもコンビニがないくらいでしたので、まあそのくらいは当然でしょう。
 平野もそこそこあって、雪も殆ど降らない、寒さもある程度厳しいものの仙台などに比べるとそれほどでもない。それなのに人口がかなり少なかったという事実は、何らかの理由があったのだろうと思われます。海岸沿いに都市が発展していない地域というのは、この福島だけではないでしょうか?

 本店にいる際にも、資源エネルギー庁のひとから、「日本で、一番立会いに行きたくない発電所なんだよねぇ。」と言われたこともあります。まあ、これは余談ですが・・・

 一番端にある4号機(今回燃料プールが爆発しました)と事務所の間も結構な距離がありますので、巡回バスが走っています。また、協力企業の事務所がある場所はさらに離れていますので、各会社とも専用のバスを持っています。たぶん、事務所から4号機まで歩くと15分以上はかかります。
なにしろ、通常の人間の想像をはるかに超える大きさであるのは間違いありません。

 研修中には、BWR運転訓練センターなるものも見せてもらいました。通常の原子力操作室(中操とよばれます)がつくってあり、コンピューターでいろいろな警報、その操作によるプラント挙動を模擬します。警報装置は、たぶん140くらいあるのでしょうか。重要な警報赤字で表示されています。
警報はもちろん日本語で、たとえば

燃料プール水位 低
燃料プール水位 低低 (たぶんこれは赤字)

といった感じです。(この名称は適当)ちなみに、福島第一1号機は、GE製ですので、警報も英語表示

Fuel Pool Water Level LOW
Fuel Pool Water Level LOW LOW

といった感じと聞きました。むかし、1号機で勉強した人たちは、英語のほうが分かりやすいと言ってました。

 もし、1号機の中操の写真が出てくるようでしたら、このあたり確認してみてください(福島第一の1号機に実際に入ったことはないのです)
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posted by いんちょう at 21:26 | TrackBack(0) | 原子力
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