母乳から微量の放射性物質=市民団体が検査−福島
福島第1原発事故で水道水や農作物から放射性物質が検出された問題を受け、市民団体「母乳調査・母子支援ネットワーク」(村上喜久子代表)は20日、福島市内で記者会見し、福島など4県の女性9人の母乳検査で、茨城、千葉両県の4人から1キロ当たり最大36.3ベクレルの放射性ヨウ素131が検出されたと発表した。
厚生労働省は水道水の放射性ヨウ素が同100ベクレルを超える場合、粉ミルクなどに入れて乳児に摂取させないよう求めているが、母乳については明確な基準はなく、村上代表は「今回の数字が高いとも低いとも判断できない」としている。(2011/04/20-20:14)
牛乳から検出されたという話を聞いて、母乳もと思いましたが、この測定値が発表され、愕然としました。
このような記事がありました。
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/90da673c7303f4584e2abd397391e9f1/
WHOが、日本の水道水に関する放射性物質の規制基準は国際基準の10倍厳しいと記載 - 11/03/24 | 13:13
WHO(世界保健機関)が3月22日に発表した東日本大震災に関する報告書「Japan earthquake and tsunami Situation Report No. 13(SITREP NO 13)」によれば、日本での水道水における放射性物質の規制基準は、国際基準に比べ、およそ10倍厳しい。
日本では、飲料水の規制基準は、ヨウ素131が1キログラム当たり300ベクレル、セシウム134・セシウム137が1キログラム当たり200ベクレルとなっている。
乳幼児に関しては、厚生労働省により、各1キログラム当たり100ベクレルとしており、23日に発表された東京都金町浄水場で検出されたヨウ素131の濃度(22日)は、1キロあたり210ベクレルで、これにより乳幼児では飲用を控えるように呼び掛けられた。
WHOの報告書の13ページでは、日本の規制基準の値は、国際的に合意された規制基準より厳しく、国際基準では、ヨウ素131が1キログラム当たり3000ベクレル、セシウム134が1000ベクレル、セシウム137が2000ベクレルと記載している。
また、IAEA(国際原子力機関)のガイドラインをもとに、ヨウ素131は低比放射性のために重大な放射線発生源ではないとしている。
(東洋経済オンライン)
これだけ読むと、日本の基準は、十分厳しいように思えます。
原文を当たります。
http://www.wpro.who.int/NR/rdonlyres/55CDFAF4-220A-4709-A886-DF2B1826D343/0/JapanEarthquakeSituationReportNo1322March2011.pdf
の13ページ
It should also be noted that the Japanese guideline value is an order lower than the
internationally agreed Operational Intervention Levels (OIL's) for I-131 (3,000 Bq/kg), Cs-134
(1,000 Bq/kg) and Cs-137 (2,000 Bq/kg). Iodine-131 is not a significant source of radiation
because of its low specific activity (ref. IAEA General Safety Guide No. 2:
http://www-pub.iaea.org/MTCD/publications/PDF/Pub1467_web.pdf)
確かに、10倍厳しいとは書いてありますが、もんだいはこの文章の中の
Operational Intervention Levels (OIL's)
です。これは、
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1458433534
でわかるように、
防護対策を実施するための測定可能な指標で表された判断基準のことです。
すなわち、非常時の基準。
もう、複雑すぎてよくわかりません。
通常の基準(正常の状態)は、ネットよりの参考値です。
世界の水道水放射線基準値
●世界の基準値
WHO基準 1ベクレル(Bq/L)
ドイツガス水道協会 0.5ベクレル(Bq/L)
アメリカの法令基準 0.111ベクレル(Bq/L)
●3/17までの日本の基準値
ヨウ素 I-131 10ベクレル(Bq/L)
セシウムCs-137 10ベクレル(Bq/L )
●3/17以降・現在の日本の暫定基準値
・ヨウ素(I-131)131 300ベクレル(Bq/L)
飲料水 300 Bq/kg
牛乳・乳製品 300 Bq/kg
野菜類 (根菜、芋類を除く。 ) 2,000 Bq/kg
・セシウム(Cs-137)137 200ベクレル(Bq/L)
飲料水 200 Bq/kg
牛乳・乳製品 200 Bq/kg
野菜類 500 Bq/kg
穀類 500 Bq/kg
肉・卵・魚・その他 500 Bq/kg
少なくとも現在の基準値は、以前の基準と比べてかなり甘くなっています。
母乳が安全かどうかは、上記基準から各人で判断するしかなさそうです。
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