そもそもが、この日勤勤務は有給休暇を取るための勤務ですから、全員そろうこともなく、非常にのんびりしていました。ただ、全員が休むとそれはそれで問題なので、班の中(10名)で調整してとります。
われわれは、東京電力が得意なOJTです。On Job Trainigの略で、ようはみながら覚えろということ。
パトロールにもいきますが、原子力とは直接関係ない、海水熱交換機建屋。スクリーン(取水口)をみたり、海水の熱交換器(今回の津波ではここがすべてやられました)のチェック。ときどき、取水口のゴミとして、木戸川を遡上する鮭があがったり、ウニがあがったりします。当時は、まだ怖いもの知らずでしたので、取水口にあがったウニを食べていました(1回だけですが)。その話を実家にすると両親から、さんざん怒られました。
〜まったく、大げさなんだから〜〜
今考えてみますと、濃度が低いとはいえ原子力発電所から放射性廃棄物も廃棄されています。やはり、食べない方が無難だったとおもいます。
・・・
隣の広野火力発電所にある放水口近くでは、有料釣り堀が解放されていましたが、原子力発電所にはそういった施設はありませんでした。両方とも漁業権は放棄してある地区なのですが、東電の中でも区別していたようです。
パトロールは、機器がきちんと動作しているかどうかをチェック。(チェックシートがあったような気がします。)モーターの音を金属棒を通して聞いたり、ポンプのシール部からの水漏れなどを発見すると、保修課にたいして修理依頼をします。
こうやって、当直員、日勤で発電所全体のチェックをしながら、運転管理をしていきます。もっとも、通常は大きなトラブルに見舞われることもなく、(まあ、仮にあったとしても3交代勤務なので、引き継ぎすれば帰宅)のんびりとしたものでした。
早々と、運転勤務に入った同期に話を聞きますと、
・原子炉の中は、5階建てのフロアー
・アラームメータを持って、管理区域に入るらしい。
・パンツ一枚だけで、あとは全部着替えて管理区域に行く。
・管理区域内には、トイレはない
・タービン建屋は3階建て
なんて、話を聞かされましたが、実際中に入らない限りぴんとこないものです。実際の建物に入ることを夢見ながら、日勤業務を続けました。

福島第二原子力発電所
当時の写真はほとんどなく、この写真も東京電力のホームページから拝借したものです。
タグ:M