2011年05月09日

臭い物に蓋(ふた)・福島表土汚染問題

ちょっと信じられない記事を見ました。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110508-OYT1T00590.htm
表土と下層土入れ替えたら…放射線量大幅に低下

 原発事故の後、福島県内の一部学校の庭の表土で比較的高い放射線量が計測された問題で、文部科学省と日本原子力研究開発機構は8日、福島市内で校庭の表土と下層土を入れ替える土壌改良実験を行った。

 放射線量は大幅に下がったが、下層からは校庭に使えない砂利や粘土が出てくるなど新たな課題も見つかった。

 同機構職員らが福島大付属中を訪れ、校庭で50センチ四方、深さ20センチ、併設する幼稚園の庭でも80センチ四方、深さ50センチをスコップで掘り、表土と下層土を入れ替えた。中学校では入れ替え前に毎時2・0マイクロ・シーベルトだった土壌表面の放射線量が0・8マイクロ・シーベルト、幼稚園では同2・1マイクロ・シーベルトから0・2マイクロ・シーベルトといずれも大幅に低下した。

(2011年5月9日00時01分 読売新聞)


 放射能は表面に降り注ぐのですから、水で浸透しない限り、汚染は当面表面にとどまります。従いまして、この表面土を剥がして、下部の土地を入れ替えれば、下部にある放射能にほとんど汚染されていない土で放射能がいわばブロックされるわけで、当然線量が下がります。そんなの当たり前。が、汚染された土地の放射能は、数十年にわたり放射能を保持します。低レベル廃棄物を容器にも入れずに、土地に埋めて良いのだったら、いままで原子力発電所でやってきた廃棄物管理はいったい何だったのでしょうか。

 こういう小手先の対応を

臭い物に蓋 といいます。

《読み方》
くさいものにふた

《意味》
悪いことが世間に知られないようにごまかすこと

《使い方》
臭い物に蓋の処置では、根本的は解決にはならない

 こんな処理をしてしまうと、放射能の除去が困難になるだけです。毒物(放射能)の埋まっている土地で、子供を遊ばせるというとは、いったい誰の発案なのでしょうか。
とりあえず表面線量が下がれば、いいのですか?
原子力安全委員会、あるいは、放射能の専門家に意見を聞いたのですか?
そういった経緯を明らかにして、しかも責任者をはっきりとさせてから、実行してください。
教育委員会も、役所が決めたからという理由で、この工事を全学校でさせたら、当然共犯ですよ。

 表土は当然削って、ビニール袋に入れる。そして、放射能をまき散らしたところにお返しする。

当然のことだと思いますし、こういった処理方法を決定するのが、日本国政府のすることだと私は思います。
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posted by いんちょう at 17:17| 原子力