2011年05月18日

原子力規制の実態・上から目線の斑目委員長

 先日は、少し筆が滑りすぎてしまいました。もう少し、マイルドに書いていきます。
文章を読んで、気分を害されたかたがおられましたら、誠に申し訳ございません。

 現在の原子力行政は、どのような形になっているのでしょうか。今回の報道を見る限り、

政府

原子力安全委員会

原子力保安院

東京電力

プラントメーカー(日立、東芝、GE、・・沸騰水、三菱・・加圧水)

となっているようです。

米国は、NRC (Nuclear Regulatory Commission) で、
http://www.nrc.gov/
という立派なホームページがあります。従業員 4,000人ということらしいです(日本語のソースしか見つけられません)

かたや、日本の人数はどのくらいでしょうか。

原子力安全委員会 よくわからないので問い合わせ
(03-3581-9919)
委員長を含めて、5名。 事務員 60名

原子力安全・保安院もよくわからないので問い合わせ。
10分以上待たされ、返答がないので、切りました。
なぜ、こんな簡単な質問も答えられないのでしょう?不思議です。

しかたないので、ネットで検索 2005年版ですが、次のような資料を見つけました。
http://www.nisa.meti.go.jp/koho/nisatu/files/02_02-03.pdf
2011051801.jpg
この資料から読み取ります。
まず、一番はじめに、

原子力の安全確保については、まず事業者が責任をもって行うことが大前提です。事業者の安全対策を規制しチェックする機関として、NISA、原子力安全委員会やJNESがあります。

と、びしっと書いてあります。

原子力安全委員会の概要
【組織体制】
・内閣総理大臣が任命する委員: 5人
・専門分野の有識者:約140名
・事務局スタッフ(約100名)

JNESの概要【 独立行政法人原子力安全基盤機構】
【組織体制(平成17年4月現在)】
職員数:約450名

NISA【原子力安全・保安院】
【組織体制・平成17年4月1日現在】
職員数:約440名(うち、原子力の安全規制業務は約350名。産業保安監督部を除く。)


ということみたいです。まあ、米国の1/8程度でしょうか。これは、技術職員ではなく、事務職員も含めた人数ですから、実働部隊としては100名足らずでしょう。

 では、東京電力はどうか。

福島第一には、おそらく1,000名たらず(最高でも)でしょうが、これは現場部門で、全体計画・安全の方針を決めてはおりません。
 では、本店はどうか。全部で100名もいないでしょう。ちなみに、私がつとめていた原子炉の安全関係を司る部門は、

課長−副長−副主任−担当

の4名でした。これでは、資料をつくることはできません。実際の実働部隊(ワープロを打ったり、計算をしたり、書類、図面を作ったり)は、東芝、日立となります。

 こんな感じです。

先日、はちょっとひどい病名をつけてしまった斑目氏ですが、その場その場で率直な発言をされているだけだと思います。今回は、その発言からいくつかをとりあげ、規制の実態をえぐってみようと思います。

http://mainichi.jp/select/today/news/20110517k0000m010078000c.html
福島第1原発:班目氏、保安院を批判 炉心溶融見解示さず
2011年5月16日 20時15分 更新:5月16日 20時54分
衆院予算委で阿部知子社民党政審会長の質問に答える班目春樹原子力安全委員会委員長。後方は海江田万里経産相=国会内で2011年5月16日午後4時19分、藤井太郎撮影 内閣府原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長は16日の委員会定例会議後の会見で、東京電力福島第1原発1号機で起きた炉心溶融について、経済産業省原子力安全・保安院が見解を示さないことに対して批判した。
 班目委員長は「(安全委が指摘してきたにもかかわらず、これまで)制御棒だけ溶けずに残るなど物理学的常識からあり得ない図を持って来ている」と指摘。「もっと適切なイメージを持ってきなさいと言っているが、持って来ないのは遺憾。また(東電が炉心溶融を認めたにもかかわらず)保安院の考えが出されないのが残念だ」と話した。
 一方、1号機で起きた原子炉圧力容器内の蒸気を冷やす「非常用復水器」の機能喪失については、「東電、保安院から事実関係を聞いていない」とし、津波だけでなく、地震や作業員の操作などが原因で起きた可能性も否定できないとの見方を示した。【野田武】
 これは、いったいどういうことなのでしょうか?
原子力安全委員会は、原子力トップのはずです。保安院が見解を示さないのならば、ご自分で示すべきではないのですか?イメージがおかしいのならば、得意のイラストの才能を生かして、国民に見せてください。あとから、自分もそういうことを考えていた、わかっていたとは決していわないでください。
 結局、何もわかっていないから、ご自分から意見を発することが出来ない。そういうことではないのですか。でてきた、書類を追認することしかできないといったら、言い過ぎでしょうか。格納容器爆発を誰よりも早く予見できた、才能を是非とも生かしていただきたいです。
 すくなくとも、解答を出すのが遅いとただ一方的に文句をいえばよい傍観者ではないはず。

http://www.yomiuri.co.jp/feature/20110316-866921/news/20110418-OYT1T00857.htm
東電工程表、実施に相当の困難と班目委員長
. 内閣府原子力安全委員会の班目春樹委員長は18日、東京電力が発表した事故収束への工程表について「相当のバリアがある」と述べ、実施には困難が伴うとの認識を示した。
 また「工程表の精査はできていないが、スケジュールありきで安全がおろそかになることは避けてほしい」と語った。
 班目委員長は「一番難しいのは2号機対策」とし、理由としてタービン建屋地下に高濃度の放射性物質を含む汚染水があることを挙げた。フランスから導入予定の浄化処理技術についても「本当に(高濃度の汚染水に)使えるのか、安全委員会側として承知していない」と効果に未知数の部分が多いことを挙げた。
(2011年4月18日20時19分 読売新聞)


 いつになったら、精査が終わるのでしょう?安全委員の仕事とは何?

http://www.asahi.com/special/10005/TKY201104050218.html
姿見えぬ原子力安全委 事故時の助言役、果たせず
2011年4月5日12時16分
班目(まだらめ)春樹委員長が初めて会見したのは、地震発生から12日後の3月23日。「助言機関として黒衣に徹してきた」と釈明した。2号機の建屋外で高濃度の放射能汚染水が見つかった28日の会見では、「どんな形で処理できるか知識を持ち合わせていない。保安院で指導してほしい」と自らの役割を否定するような発言も飛び出した。


 ここまで書くともうあきらかです。その職をまっとうできない人間が、日本の原子力行政のトップに祭り上げられているだけ。「みこしは、かるくて、●●がいい」 という声が聞こえてきそうです。

 保安院は?東電のデータを吟味もせず、発表。質問しても適切な答えが返ってくることがないのは、よくご存じのことでしょう。そもそも、公式に発表している人数で、事故解析などが出来るはずもありません。

 では、東京電力は?ここも、無理です。実際にコンピューターを回したり、図面を書いたりするソフトすらもないはずです。

 結局、事故の収束は、東芝、日立、GE、あるいは建設業、そのほかが一生懸命考え、プランを練り、東電と相談している(それが現実的かどうかは、東電の現場経験者の助言が必要)のが実態でしょう。原子力行政側には、それは不可能。
 もし、本当に全部自分のところで評価を行い、報告書を作成するのであれば、米国のように4,000人程度の人数がいないと不可能なのです。

 官僚主義で滅んでしまった清朝末期のように実態を知らない人間がトップとなり、現場に負担を強いているのが、原子力村の実態。

 格納容器ベントの評価すら行っていなかった原子力村で、溶融燃料の取り扱い研究などしていた人などいるのでしょうか?
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posted by いんちょう at 13:25| 原子力