2011年05月19日

原発の工程表-見直しされず・・

 5月17日に武藤副社長が工程表の見直しを発表しました。
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今回の工程表(今後参照するために、東電ホームページより)
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報道より
東電、福島原発工程表を改訂―汚染水浄化を優先
2011年 5月 17日 20:28 JST
東京電力は17日、福島第1原発の事故収束に向けた「工程表」について、原子炉格納容器の冠水作業に先立って、汚染水の浄化・再利用を優先する改訂計画を発表した。
 東電は、計画変更の理由として、2号機に加え、1号機でも格納容器から冷却水が漏れていることが判明し、3号機でも同様のリスクがあることを挙げた。東電によると、仏原子力大手アレバによる浄化施設の設置作業は計画通りに進んでいる。
 また、使用済み燃料プールの熱交換機設置も当初計画より前倒しされる。
 東電は、4月に公表した当初の工程表で、6〜9カ月で原子炉の「冷温停止」を目指すとしていたが、この点についての変更はない。
 東電は15日、1号機の炉心が溶融していたほか、2号機、3号機も炉心に大きな損傷を受けていたことが明らかになったと発表した。1号機の炉心溶融は3月11日の地震発生から16時間後だったとしている。


うっかりすると、読み飛ばしそうですが・・・・

4月に公表した当初の工程表で、6〜9カ月で原子炉の「冷温停止」を目指すとしていたが、この点についての変更はない。

ここは、一ヶ月たったので本来なら5〜8ヶ月に変更されなければ、おかしい。実は、原子力村お得意の表現。

一例としては、高速増殖炉。
最初は、20年後といっていたのが、だんだんと伸びて、今では50年後になっています。

つまり、いつまでたっても半年先としかいえないのです。(見通しが全くたっていない)・・・お気づきになられたでしょうか。

もし、本当の工程表ならば、どこの配管に、どれをつかって、どういう人数で、どういう手順で行うかが書かれています。ところが、まだ建屋にも人が入っていないのですから(ごく一部除く)、工程表など作れるわけがないのです。本来なら、この会見の場で、これより詳しい工程表を一部でよいから見せてくれという質問が出るべきで、現場の監督をしたことがある人間ならば、誰に聞いてもあれでは,何も出来ないよ。というでしょう。

 たとえば、一軒家を建てるときの工程表。施工主に見せるのは、この程度の工程表になる(基礎がいつ、棟上げがいつとか・・)でしょう。しかし、そのうらの発注業者には、何本の柱が必要で、どういった内装を使うか、また電気の引き込み、内装の種類など、事細かく必要なことはよくご存じのことでしょう。東電発表の工程表のにあるべき、こういった詳細工程表の姿が全く見えないのですから、なにをかいわんや です。(いったい、どんな設備が、どれだけ必要なのか?)

 こういったあまり現実的でない工程表を、現場が突きつけられると極端に疲弊します。

 私が入社した年に、福島第二3号機で再循環ポンプのトラブルがあり、2年ちかく発電所が止まっていたことがあります。この時も常に起動が半年後で、非常にストレスでした。(詳しくは、東電の思い出で触れることもあるかも)
 政治的には必要なのかもしれませんが、もう少し実現可能なプランにしないと、発電所の現場、また福島の避難民の方もやりきれないと思います。ここは、是非ともお願いしたいです。

 また、作業員委の環境整備に関して。この地区には、ゴルフ場が複数あり、そこには立派なホテルが建っています。再開は非常に困難でしょうから、このホテルを東京電力が買い上げてしまい、そこを拠点とした方が環境は遙かによくなります。仮設の住居を造るのは、無駄以外のなにものでもなく、貴重な人的資源を消耗することになってしまいます。どうして、こんな意見を出す人がいないのでしょうか?非常に不思議です。

 今回の工程表で落第点をつける理由は、下記の通りです。
・使用済燃料プールにほとんど触れていない
・いまだに大量の地下たまり水(約100ton/day)が発生している5,6号機のことが全く乗っていないことです。

おそらく、経営陣が5−6号機の廃炉を決心していないために、その状況を明らかに出来ないのではないでしょうか?早急に、どこから水が漏れているかを公表し、燃料を取り出しドライキャスクに移動してしまう必要があります。(そうすれば、なにがあっても環境への影響はほとんどなくなります)

 少し明るい話もありました。ようやく,2号機燃料プールを熱交換機で冷却をすることが決まったことです。
 以前、報道をきいていたときに、
「2号機は、建屋が損傷していないため、中の状況がよくわからない。」
などというとんでもない発言がありました。
 これは大きな間違いです。なにかあっても放射能飛散はかなりおさえられ,また雨水が直接入ってくることもありません。この冷却がうまく動けば、一番最初に燃料プールから燃料を取り出せる要素があるのがこの2号機です。

 とんでもない状態は続いていますが、ひとつひとつ確実につぶしていくしかありません。
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posted by いんちょう at 17:21| 原子力