生茶葉の出荷制限、500ベクレル超で決着
福島原発
東京電力福島第一原子力発電所の事故で、生茶葉から暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された問題で、政府は18日、出荷制限の基準について、生茶葉から1キロ・グラムあたり500ベクレルを超えるセシウムが検出された場合とする方針を固めた。
厚生労働省が茶葉(規制値500ベクレル)での規制、農林水産省が茶飲料(同200ベクレル)での規制を主張し、調整が続いていた。
生茶葉ではこれまでに神奈川県の6市町村、茨城県の2町で、規制値500ベクレルを超えるセシウムが検出されているが、政府が出荷を制限していないため、生産者が出荷を自粛していた。
同セシウムは茶飲料にすると生茶葉の段階から9分の1〜6分の1に薄まるとされ、農水省は「お茶は飲むもので、茶葉の段階で規制するのは非合理」と主張。厚労省は「飲むときに薄まるといっても、規制値を超えた茶葉が流通することに消費者の理解が得られない」としていた。ただ、厚労省は生茶葉を乾燥させた「荒茶」についても500ベクレルを上回れば制限すべきだと主張。荒茶の場合、生茶葉と比べて約5倍の放射性物質が検出されるため、生産者側から反発の声が上がっており、荒茶については検討が続いている。
(2011年5月19日10時28分 読売新聞)
この記事を見ますと、農家の出荷を出来るだけさせようと思う農水省と、国民の健康を守ろうとする厚労省というようにみえます。
この記事の悪いところは、農水省と組織しか出ていないことです。どこの、何課の誰が主張していることを記事にしていただかないと、その後の経過が読めず、また、主張していた課長は異動してしまい、責任をとれません。
農水省に電話しました。
出られたのは、消費者担当の F氏
・お茶の流通については、 生産局 生産流通課 が担当している。
http://www.maff.go.jp/j/org/outline/dial/seisan_ka.html
にあります。局長の名前は、公開されていますが、課長の名前は私にはわかりませんでした。
(このあたりを報道ではしっかりと書いていただきたいです)
・農水省が甘くしようとしていることはない、厳しい方向で厚労省と調整している。
とのことでした。やはり、よくわかりません。
こちらからは,
・お茶は葉を洗わずに、蒸す。表面に降り積もった放射能がお茶を作るときに、生産設備に移行して、放射能の含まれたお茶の葉を作った農家が、2度とまともなお茶を作れなくなる可能性が高い。
・加熱の過程で、そこらじゅうにセシウムがばらまかれる。
・今年無理矢理作ることは、百害あって一利なし。
・お茶を購入するのは、通常は女性層。現在の報道を見る限り、今年のお茶がまともな価格で売れるとは思えない。
・通常の状態に戻るまで、がまんして生産設備を温存している方が、結局は得になる
といった話をさせていただきました。
もし、今年お茶を作ってしまいますと、生産設備が汚染されてしまいます。
農家の方々、よくよくお考えください。
ところで、この記事にある生葉は当然、水洗いせずに測定するのですよね?ごく一部を水洗いして、測定し、その後水洗いをしていない葉でお茶を作ると、とんでもない高レベルの放射能茶ができあがり、また生産者の方も高レベルの内部被曝をすることになります。それとも、ガスマスクをつけて、生産されるのでしょうか?
水洗いせずに収穫物から製品を作るもの・・・ワインもそう。
今年の収穫物には、よくよく気をつける必要がありそうです。
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