2011年05月21日

海水注入を遅らせた真犯人

 東京電力の生データが出てきたことで、現場の切迫した状況が明らかになってきました。

今回は、時系列的にまとめてみます。

http://fukumitsu.xii.jp/syu_f/FukushimaGenpatsu_1.html
から(今回の報道前に保存していたバージョンとともに)
3/11pm2:46稼働中に緊急停止
3/11pm3:42全交流電源損失
3/11pm4:36非常炉心冷却機能不能
3/12am10:17ベント開始
3/12pm3:36爆発音
3/12pm8:20海水とホウ酸注入
3/12燃料棒露出
3/22原子炉温度383℃に上昇
3/23am2:33給水系から注水
3/25pm3:37淡水注入開始

(以上、5/15のホームページ)より

(以下は、今回の報道などを受けての見直しが含まれた分)
3/11pm2:46-2:47稼働中に緊急停止
3/11pm2:52非常用冷却システムの非常用復水器系が自動起動
3/11pm2:58津波警報発令
3/11pm3頃、非常用冷却システムの非常用復水器系一時停止
3/11pm3:42全交流電源損失
3/11pm4:36非常炉心冷却機能不能
3/11pm3半頃津波到達
3/11pm3:37交流電源、全損失
3/11pm3:50計測用電源喪失水位不明
3/11pm6:20頃東北電力に電源車依頼
3/11pm7:30頃燃料全露出溶融始まる
3/11pm11最初の電源車到着
3/12am1:48非常用冷却システムの非常用復水器系完全停止
3/12am5:46消防ポンプ淡水注入開始
3/12am10:17ベント開始
3/12pm2:53淡水注入停止
↑3/11〜12の一部は読売新聞から
3/12pm3:36爆発音
3/12pm7:4消防ポンプで海水注入開始
※淡水が足りなくなったため、切り替え
3/12pm7:25海水注入中止。※首相が安全委員会斑目氏に問い合わせて、再臨界の危険があるとして一旦中止。
その後安全委員は問題ないとして、再開を指示した
3/12pm8:20海水とホウ酸注入
3/12燃料棒露出
3/22原子炉温度383℃に上昇
3/23am2:33給水系から注水


 以上の時系列をご確認の上、記事をご覧ください。

(爆発後の枝野氏の発表)
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110312-OYT1T00810.htm
原子炉に海水注入決断、廃炉も…福島第一1号機
 地震による自動停止で原子炉内の圧力上昇と過熱を引き起こし、炉心溶融が心配されていた東京電力福島第一原発1号機に、東電は海水を注入するという決断をした。
 枝野官房長官が12日夜の記者会見で明らかにした。
 海水は、海から引いてたくさんの量を使用できるので、冷却の効果が高い。もともと原発には緊急用の海水注入系があり、温めた蒸気の冷却などに海水を使用している。原発が海辺に建設されるのは、このためでもある。特に、今回の緊急冷却では、海水にホウ酸を添加して使用する。原発の水は、冷却材であると同時に、中性子の速度を落として核分裂反応を起こしやすくする効果がある。
 水を注入した結果、再び核分裂が活発化しないよう、反応を抑えるのがホウ酸の役目だ。ホウ酸注入は、非常時の冷却では効果があり、軽水炉には専用の注入システムが常設されている。問題は、1号機の今後だ。海水を使用した場合、設備の復旧が難しくなる。特に今回の事故では、核分裂によって生じた放射性物質が外部に放出されていることから、ウラン核燃料の少なくとも一部が、金属被覆を溶かして露出し、融解を引き起こしている可能性がある。
 そのような深刻な汚染が起きたうえに海水を注入した原子炉を、再び健全な状態に戻すのはコストもかかり、実現はかなり難しい。
 仮に、原子炉を廃炉にする場合、国への審査手続きが必要になるほか、放射能の高い核燃料の冷却、施設の放射能汚染を取り除く作業(除染)などが必要になる。また、構造物も40年にわたる運転で中性子線にさらされ、放射化しているため、放射線の影響を防ぐための措置を講じた上で解体する必要がある。
( 2011年3月12日23時16分 読売新聞)


 確かにホウ酸水とともに、注入と発表しています

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110409/dst11040908190006-n3.htm
原発事故1カ月…水失った原子炉、崩れた「神話」
2011.4.9 08:11 (3/3ページ)
 綱渡りの注水を続けていた1号機では炉内の水位が低下を始め、計器は午後0時半に4メートルある燃料棒のうち1・7メートルが水面から露出していることを示していたた。
 「計器が故障している可能性があります」。東電は、より多くの量を確保できる海水の注入を見送り、保安院も報告をうのみにする。午後3時36分、1号機で水素爆発が起き、建屋上部が吹き飛んだ。


ここでは、海水注入をためらったのは、東京電力のサボタージュとしています。・・厳密に言いますと、爆発の前ですから、今回報道された局面とは違います。

本日出てきた記事
首相の意向で海水注入中断…震災翌日に55分間
. 福島原発
 東京電力福島第一原子力発電所1号機で、東日本大震災直後に行われていた海水注入が、菅首相の意向により、約55分間にわたって中断されていたことが20日、分かった。
 海水を注入した場合に原子炉内で再臨界が起きるのではないかと首相が心配したことが理由だと政府関係者は説明している。
 臨界はウランの核分裂が次々に起きている状態。原子炉内での臨界には水が必要だが、1号機は大震災直後に制御棒が挿入され、水があっても臨界にはなりにくい状態だった。
 東電が16日に発表した資料によると、1号機の原子炉への海水注入は震災翌日の3月12日の午後7時4分に開始された。それ以前に注入していた淡水が足りなくなったため、東電が実施を決めた。
 複数の政府関係者によると、東電から淡水から海水への注入に切り替える方針について事前報告を受けた菅首相は、内閣府の原子力安全委員会の班目(まだらめ)春樹委員長に「海水を注入した場合、再臨界の危険はないか」と質問した。班目氏が「あり得る」と返答したため、首相は同12日午後6時に原子力安全委と経済産業省原子力安全・保安院に対し、海水注入による再臨界の可能性について詳しく検討するよう指示。併せて福島第一原発から半径20キロ・メートルの住民に避難指示を出した。
 首相が海水注入について懸念を表明したことを踏まえ、東電は海水注入から約20分後の午後7時25分にいったん注入を中止。その後、原子力安全委から同40分に「海水注入による再臨界の心配はない」と首相へ報告があったため、首相は同55分に海江田経済産業相に対し海水注入を指示。海江田氏の指示を受けた東電は午後8時20分に注入を再開した。その結果、海水注入は約55分間、中断されたという。
(2011年5月21日06時00分 読売新聞)


 せっかく現場(および東電本店)が断腸の思いで決めた海水投入を現場のことを全くわかっていないあの斑目氏が止めたのです。そして、その判断を持って首相指示でとめた。どうして、現場の判断を尊重せずにあのへらへらして、全く責任感のない斑目氏の意見を聞いたのか・・そのまま海水注入を続けていれば、どうなっていたかはわかりませんが、ここでの1時間の遅れは、本当に致命的です。現場の怒りを想像できます。おそらく今まで、封印していたのでしょう。
 斑目氏は、「あのときはそう思った。間違いだったと反省している。」とでも発言するのでしょうね。この方は、水蒸気爆発は起きないと発言したことといい、万死に値します。
 首相は、この斑目氏にすべての責任を負わせることでしょう。(部下の責任をとらないのはトップとしていかがかと思いますが・・)

 ここで大事なのが、「複数の政府関係者」の言葉。ついに政府内部から、これではいけないと重要情報がリークされてきたのがわかります。
現在でも、現場の方針がことごとくつぶされているのが目に浮かびます。

 これら判断をした人たちを原子力災害の担当から早急に外してください。そして、現場にすべての権限を移行してください。アドバイザーが必要と考えているならば、政府から現場に派遣してください。

 お願いします。もう、時間がありません。
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posted by いんちょう at 06:49| 日記