2011年05月25日

つながってきた点と点(2号機 1000mSv/hr汚染水)

 まず記事を時系列に列挙していきます。

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110525k0000m040135000c.html
福島第1原発:1号機と2号機の格納容器に穴の可能性
福島第1原発の現状と東京電力による解析結果※カッコ内は地震発生後の時間 東京電力が24日公表した福島第1原発2、3号機で炉心溶融があったとする報告書の中で、1号機は原子炉圧力容器の外側にある格納容器に直径7センチ相当の穴、2号機では格納容器に直径10センチ相当の複数の穴が開いている可能性が初めて示された。東電は炉心溶融による2、3号機の圧力容器の損傷について「限定的」としているが、高濃度の汚染水がタービン建屋に漏れ出すなど、圧力容器やその外側の格納容器の健全性は元々疑問視されていた。東日本大震災から2カ月半。対応に問題はなかったのか。事故収束に向けた工程表の履行も危ぶまれる。【平野光芳、八田浩輔、久野華代】

毎日新聞 2011年5月25日 2時30分(最終更新 5月25日 12時57分)

 本日のニュース。ついに原子炉圧力容器だけでなく、格納容器まで損傷されていることを公式に認めました。

http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20110414-OYT1T00938.htm
溶融燃料「粒子状、冷えて蓄積」1〜3号機分析
 注水冷却が続けられている東京電力福島第一原子力発電所1〜3号機について、日本原子力学会の原子力安全調査専門委員会は14日、原子炉などの現状を分析した結果をまとめた。
 3基は核燃料の一部溶融が指摘されているが、専門委は「溶融した燃料は細かい粒子状になり、圧力容器の下部にたまって冷えている」との見解を示した。
 専門委では、東電や経済産業省原子力安全・保安院などが公表したデータをもとに、原子炉の状態を分析した。
 それによると、圧力容器内の燃料棒は、3号機では冷却水で冠水しているが、1、2号機は一部が露出している。1〜3号機の燃料棒はいずれも損傷し、一部が溶け落ちている。溶融した核燃料は、冷却水と接触して数ミリ以下の細かい粒子に崩れ、燃料棒の支持板や圧力容器下部に冷えて積もっていると推定している。これは、圧力容器下部の水温が低いこととも合致している。沢田隆・原子力学会副会長は「外部に出た汚染水にも、粒子状の溶融燃料が混じっていると思われる」と説明した。
(2011年4月14日22時44分 読売新聞)


 このニュース見逃していましたが、汚染水にも溶融燃料が混じっていると認めています。

元記事が消去されていますので、ブログから
http://adhocrat.net/adhocblog/2011/03/post-910.html
<2号機の水、放射能濃度1000万倍 保安院「核分裂継続か」
 東京電力福島第1原子力発電所の2号機地下にたまった水の放射性物質(放射能)濃度が通常の1000万倍に達したことは、2号機の損傷の深刻さとともに、原子炉で核分裂反応が続いている可能性を示すものだ。
 ............
 これほどの数値が出たのは、14日に炉心の水位が下がって空だき状態となり、燃料棒が激しく損傷したためとみられる。汚染された水が配管を通じてタービン建屋に流れ、継ぎ目などから漏れた公算が大きく、京都大原子炉実験所の宇根崎博信教授は「炉心はかなりシビアな状態」と話す。
 水には核分裂反応で生じる放射性のヨウ素やセシウムが含まれていた。原子炉内には震災直後に核分裂を止める制御棒が入れられたが、「すぐに核分裂反応を止められるわけではない。核分裂はペースを落としながらも続いているとみられる」(経済産業省原子力安全・保安院)とされる。>(<2号機の水、放射能濃度1000万倍 保安院「核分裂継続か」/msn 産経ニュース/2011.3.27 20:24>)


 半減期の短いヨウ素、セシウムが含まれていると最初に発表


(4) <福島第1原発:2号機 安全委がデータ誤りの可能性を指摘
 東電福島第1原発2号機のタービン建屋地下の水たまりから通常の1000万倍もの高濃度の放射性物質が検出されたことについて、内閣府原子力安全委員会は27日、データが誤っている疑いがあるとして東電に再測定を指示した。同日夜会見した代谷誠治委員は「核分裂反応が起きているなら出るはずの他の放射性物質が検出されておらず理解できない。測定が正確でないのではないか」と述べた。【山田大輔】>(<福島第1原発:2号機 安全委がデータ誤りの可能性を指摘/毎日jp/2011年3月27日 20時35分>)

 これに対して、原子力安全委員会が、疑義を投げていますが、今となっていれば赤字のところが正しく、汚染水中で核分裂反応が起きていたことを示しています。そうでなければ、1000mSv/hrを超える線量にはならないはずです(そう考えると、3号機1000mSv/h瓦礫の問題の答えがわかるような)学者の意見であって、現場を知らない人が言いそうなきれい事(ちょっとでも放射能をかじった人には、だまされた人はいないでしょう。)

 しぶしぶ、東京電力が悪者になります。

http://www.jcp.or.jp/akahata/aik10/2011-03-28/2011032801_02_1.html
2011年3月28日(月)「しんぶん赤旗」
2号機 たまり水1000ミリシーベルト超
東電 「1000万倍」の発表訂正
 東電は27日午前、2号機のタービン建屋地下のたまり水に含まれている放射能の濃度は、通常運転の原子炉内の水の約1000万倍に上ると発表しました。半減期が約53分のヨウ素134の濃度が水1立方センチ当たり29億ベクレルあったとしていました。

 しかし、夜9時になって、半減期が約77日のコバルト56とヨウ素134を取り違えたとして午前中の発表は誤りだったと説明。水1立方センチ当たりの放射能濃度は、通常運転中の原子炉の水の10万倍になると訂正しました。東電は再調査を進めています。

 放射性物質に詳しい専門家は、「運転を停止しているのに半減期が約53分のヨウ素134の濃度が29億ベクレルとなったら、異常な事態だと考え、間違いである可能性も含め、その理由をいろいろ考えるはずなのに、検討もせず発表してしまうのはお粗末としかいいようがない」と批判しています。


 そもそも測定のプロが、ヨウ素134とコバルト56なんかを取り違えるはずがありません。これは、是非生データを出してもらわないといけませんし、測定機器も公開すべきです。ここにでている「放射性物質に詳しい専門家」 というのは、自分で機器を扱ったことのない、デスクワークの人だと断言できます。おそらく、どこかの原子力推進派の教授でしょう。自分の不明を恥じてください。

 何らかの情報操作のために、東京電力がばばを引かされたよい事例だと思われます。
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posted by いんちょう at 20:17| 原子力