
(この制服は本来現場用であり、本店勤務の時に着用したことは私にはありません。本店時代は背広とネクタイでした。・・・左胸のTEPCOマークが印象的です。1987年に導入されています。)
最初の仕事は・・・お茶くみです。次のような表があらかじめ作られており、その通りに各直のはじめに用意。
当直長 コーヒー、クリープ2杯、砂糖1杯、マイカップ
副長 日本茶
枝野主任 紅茶、砂糖1杯、マイカップ
岡田主任 コーヒー、さとうなし、くりーぷなし マイカップ ぬるめ
前原副主任 日本茶、マイカップ
北沢運転員 コーヒー、クリープ1杯、砂糖2杯、マイカップ あつめ
石原運転員 日本茶、マイカップ
石井 コーヒー、クリープ2杯 マイカップ
前田 紅茶、砂糖3杯
出口 コーヒー、砂糖2杯、マイカップ
などという、各人の好みに合わせた飲み物を用意するのです。どれが誰のマイコップかを記憶して、毎回この通りに作るのですから、大変な手間。中操には女性は全くいませんでしたので(最近は違うようです)、全部一番の下っ端が担当します。(夜食も)
現場のパトロールのポイントは、副主任が教えてくれました。これは、燃料プールのスキマサージタンク、水位がこれ以上下がったら、8mまで水はり(手動)意味も何もわかりませんが、とりあえず覚える。そんな感じ。
また、配管図の読み方も教わりました。そもそもバルブの記号など、全く勉強したことなどありません。ところが、現場ではそれが大事。いつも
「だから、学卒社員は使えないんだよな。このくらいもしらないの?」
と小馬鹿にされていました。
発電所の配管図というのは、それはそれは膨大でA3-B4?サイズの見開きで、100ページ以上あります。
たとえば、こんな配管図というのは、私の目から見たら、本当にお子様の絵画にすぎません。

計装用の細かい配管が縦横無尽に走り、それらが互いに関連しています。一つの系統が、別の系統につながり、枝分かれしていく。原子炉に入る配管の本数も100以上あり、それでも模式図。さらに詳しくみていくためには、該当ページを繰らなくてはわかりません。
手動弁、チェッキ弁、バタフライ弁、AO弁、MO弁、オリフィス、・・・
記号の例
中央操作室の一例(1F-3号機) 東京電力提供

・左から、右にかけてすべて3号機の操作パネル
・上にある四角いパネルが、警報装置。1区画に60くらい?(かなり点灯しています・・
・真ん中に人が集まっているところが、制御棒操作の場所
・右側にぽつんと人がいる場所が、当直主任の座る場所(定期検査中でちょっと忙しい?)
・やや傾斜のあるところについている操作スイッチは弁操作用 緑が開、 赤が閉(開のバルブが多いようです)すべてAO弁かMO弁(空気作動弁か、電動弁)現場にあるバルブの1/1000もあるでしょうか?いや、1/10,000くらい、もっとでしょう。
・垂直に立っているところは、各種の計器、チャートが配置されています。写真一番左上は、原子炉の簡易系統図が表示されており、上は赤色ランプがついていますので、
・真ん中に人が集まって、なにやらさし棒で示しています。これは、おそらく燃料関係を管轄する技術課のひとたちでしょうか?
・なおこの後ろにも 3−4つの この写真と高さが同じで、幅が半分くらいの大きさの垂直ラックがあり、無数のリレー、チャートがこれまたついています。
何しろ膨大な機器を使用しているのがおわかりでしょうか?これでも、原子力発電所の中では、最も重要な装置を配置しているだけで、現場には現場の操作パネル、警報装置があります。
運転員たちは、これらの機器をある程度理解し、中操に出てくる警報を元にバルブを操作して、現場をパトロールすることになります。(当然、シミュレーターで訓練することになります。)
運転シュミレーターでの訓練、実際のパトロールの様子などは、下記CMをご覧ください。
時々懐かしくて、何度かみてしまいます。パトロール時には、この動画に出てくるように、伝音棒?(なまえわすれました)を使って、モーター、ポンプの回転音を聞き、配管を手で触って、異常な温度になっていないかなどのチェックをよくしていました。
(再掲です)
志が高い(原子力問題を真剣に考えている)とまではいきませんが、みんなまじめに仕事をしています。
タグ:M