(詳細な内容は、紙面をご覧ください。)2011.06.06 11:07改訂

よくまとまっています。
・浅草の土産物経営者が、外国人観光客が現現していると嘆く。「原発事故の風評被害だ」
・まだ福島原発の災害は、大量の放射能をまき散らしており、出口が見えない。
・そんな状況下で、高い料金を払って、愛する家族とともにわざわざ日本にやってくる人はそう多くはない。
・欺瞞の限りを尽くし、真実を語ろうとしないジャパンの「安全宣言」をだれが信用するか
・日本製品がそっぽを向かれているのは、永田町が世界の善良な市民の信用をドブに捨てた報いであって、「風評」という次元ではない
・原子力専門家の被曝比較のほうが、「風評」
・内部被曝と外部被曝をごっちゃにするなんて、医者が内服薬と外用薬を混同するようなもので、わざとやっているなら犯罪的だ。
・悪質な専門家たちは、きっと責任逃れの自主避難計画も密かに練っていることだろう
すみません。要約が下手です。重要な文章だと思いますので、アップさせていただきました。
日本国内においても、自分に都合のよいように測定方法を変更し、放射能の基準値を下げ、政府の信用をなくしていっています。幸い国内向けには政府・自治体の信用が残っていますので、今のうちに方針を変更しておかないと、どこかの国のように政府の発表、自治体の発表は全く信用されなくなってしまうことが、そう遠くないない時期にやってきます。
では、専門家の例(同じく本日の朝刊から)

このような記事を全国紙をご購読の方、お読みになっているでしょうか?今回の原発については、共同通信が比較的、事実を怖がることなく配信しているように思います。
この山下俊一氏、あちこちで出ています。もう、とんでも発言でおなじみで、このブログを読まれている方はよくご存じでしょう。(名前が同じというのが・・・)
(発言の例)
「放射線の影響は、実はニコニコ笑ってる人には来ません。クヨクヨしてる人に来ます。
これは明確な動物実験でわかっています。酒飲みの方が幸か不幸か、放射線の影響少ないんですね。
決して飲めということではありませんよ。笑いが皆様方の放射線恐怖症を取り除きます。」
「100ミリシーベルト浴びてもガンになるのは100人に一人ですよ〜。セシウム浴びても筋肉に溜まるだけですよ〜」
この記事には、また 広大の 谷川攻一教授
・放射線のリスクより緊急で短時間の避難に伴うリスクの方が高い。
ともいっています。原発事故時にも、緊急避難させない方がいいそうです。
その割には、福島全県民の健康調査を行う と。
矛盾しているように思えるのは、私だけでしょうか。これこそ最初の記事であげた風評被害に当たるのではないのでしょうか?
2011.3.18 の週刊誌広告です(クリックで拡大)

今まで、医院の雑誌として、週刊新潮を買っておりましたが、この広告を見て、記事をぱらぱらと立ち読みして、今後の購読はしないことにしました。いまは、かわりに文春、現代を買うようになっています。
この頃と言えば、原発事故の対応で大変だったとき。この編集方針は、大きななにかの力が働いているとしか思えません。私にできることは、ただ一つ。
「こんな週刊誌は買わない。」
それだけなのです。
最初にあげた記事、熊日は少ないとはいえ、良心的な記事を掲載してくれています。私が直接読む機会はないのですが、東京新聞も原発事故については、よい記事が多いという投稿をよく見ます。新潟日報、宮崎日々新聞など、
・4年前の新潟県中越沖地震で、被害を受けた
・口蹄疫で言われなき差別を受けた
よく書き込まれています。
全国紙(読売、朝日、毎日、日経)は読んでいないのでわかりませんが、共同通信が配信しているローカル新聞を購読されることをおすすめいたします。ネットだけでは、情報収集に漏れが出てしまいそうです。
一昨日の京都新聞に載っていたアーサー・ビナード氏の記事が、
私が原発の「風評」について常々感じていたことをスッキリまとめて書いてあったので紹介します。
===
風評被害で、日本は大変なことになっている。それは、ぼくも認める。みんなで力を合わせ、風評被害に立ち向かい、払拭しなければならないと、ぼくも本気で思っている。ただ、日本のマスコミが取り上げる「風評被害」と、ほくが理解する「風評被害」の間には、かなりのギャップがある。
たとえば東京は浅草、仲見世の土産物店の経営者が、外国人の観光客の激減を嘆き、売り上げは9割も落ち込んでいるとため息をもらす。そしてそれが「原発事故の風評被害」と、話がまとめられる。しかし本当にそうなのかと、ぼくはうたぐる。
実際、福島第1原子力発電所の1号炉も2号炉も3号炉もメルトダウンをきたし、大量の放射能汚染を海に垂れ流し、大気にまき散らして、制御不能の悪夢はいまだに出口が見えない。そんな現況下、好きこのんで高い料金を払い、愛する家族といっしょに国際線に乗り、わざわざ日本へやってくる人は、そう多くはないだろう。当たり前の用心というか、最低限の自己防衛と言うべきか。観光客激減を「風評被害」と呼ぶ者に対して、ぼくは聞いてみたい。「この25年の間にベラルーシやウクライナへ遊びに行きましたか?」
また、日本政府が「安全だ」と宣言しても、メード・イン・ジャパンの品物を対象に各国の港で放射能測定が行われたり、海外の消費者が敬遠したりしている現状が大きく報道され、やはりこちらも「風評被害」によるものと、結論づけられる。でも3月11日から情報を隠蔽(いんぺい)しつづけ、「レベル4」だの「レベル5」だの「格納容器は健全である」だの欺瞞(ぎまん)のかぎりをつくし、真実を語ろうとしないジャパンのお偉い方たちの「安全宣言」を、誰が信じるというのか。日本製品がそっぽを向かれているのは、永田町が世界の善良な市民の信用を溝(どぶ)に捨てた報いであって、「風評」という次元ではない。
では、ぼくが正真正銘の「風評」として憂慮しているのは何かといえば、原子力の専門家たちの「被ばく比較」がその最たるものだ。
「マイクロシーベルト」という単位を巧みに使って、福島第1原発がもらす放射性物質にさらされている人々の被ばく量と、胃のレントゲン検査のそれとを比べ、「人体への影響はない」とのたまう。あるいは、飛行機で太平洋をわたった場合、乗客1人当たりが浴びる放射線も、もっともらしく比較対象に使って、「心配はない」と言い張る。ところがレントゲンを何回撮られても、筋肉をしつこくむしばむセシウム137が体内に入ることは考えにくい。国際便で頻繁に飛んでも、骨をじりじりやっつけるストロンチウム90につけこまれることは、まずない。
内部被ばくと外部被ばくをごっちゃにするなんて、医者が内服薬と外用薬を混同するようなもので、わざとやっているなら犯罪的だ。これぞ風評被害。
本当のことをいうと、内部被ばくには「安全」といえるレベルが存在しない。どんな微量でも、とりこんだ体の組織次第で、病気になる可能性がある。ただし「ただちに」ではなく、数年後に影響が出るので、悪質な専門家たちは今のうちに被ばく比較の風評を堂々と吹いていられる。彼らはきっと責任逃れの「自主避難計画」も、ひそかに練っていることだろう。
セシウム137の半減期が約30年で、ストロンチウム90のそれは約29年だ。本物の風評被害について、ぼくらもそれくらい粘り強い記憶を、持ち続けなければならない。
アーサー・ビナード
(Arthur Binard )アメリカ合衆国、1967年7月2日ミシガン州生まれの詩人・俳人、随筆家、翻訳家。妻は詩人の木坂涼。
詩集「釣り上げては」で中原中也賞。