2011年06月06日

なぜ、こんなことが・・東電報告1000件誤り

http://sankei.jp.msn.com/economy/news/110604/biz11060414300008-n1.htm
東電報告1000件誤り 昨夏最大使用電力 大口需要家が混乱
2011.6.4 14:27
 経済産業省は3日、電力使用制限令の発動対象となる大企業など大口需要家の昨年夏の最大使用電力に関する東京電力の報告に約千件の誤りがあったと発表した。経産省は1日に企業などに対し、誤った情報に基づいて今夏の使用電力の上限を通知した。誤りに気が付いた企業からの問い合わせがあるなど、一部で混乱が生じた。経産省は東電に対し、6日夕までに正確な情報と再発防止策を報告するよう求めた。
 経産省によると、数字の誤りが大半で、実際の最大使用電力より小さい報告も大きい報告もあった。宛先のミスも約100件あったという。3日未明、東電が経産省に「大量の間違いがあった」と報告した。
 資源エネルギー庁の細野哲弘長官は3日、東電の清水正孝社長を呼び出して注意。「多数の需要家に多大な混乱を招いた東電の責任は極めて重い」と記した文書を手渡した。東電は「経産省から算定方法を見直すよう指示があったが、見直し前の算定方法で報告していた」としている。
 数字に訂正が必要な企業などには改めて通知し、電力使用制限令は予定通り7月1日から発動する。東電管内で電力制限対象となる契約電力500キロワット以上の大口需要家は約1万5千カ所


 初めて聞いたときは、信じられないニュースでした。電気料金は、お金の絡む話。1円でも誤りがあってはいけません。たとえば、クレジットカード会社から、1年分の明細が送られてきたとしましょう。その
・購入した物品の数量
・金額
・宛名
が間違えているようなものです。こんなことは手書きの時代ならばいざ知らず、現在は絶対に起きてはいけません。
 もし、これがデータ記載のミスならば、毎月の電力料金の支払い明細をきちんとみておかないと、ごまかされているかもしれない。そんな、大きな話です。銀行が取引明細を間違えるのに等しいミス。

 通常は絶対に起こらないことがなぜ起きたか。全くの想像ですが、このとりまとめをおそらく東京電力お得意の人海戦術でやったのではないかと思います。
 通常は、この種のデータはコンピュータで処理すべきもの。しかしながら、現在のソフトではこのデータ取り出しができない。仕方ないので、伝票を打ち出して、それを手入力でまとめていった・・・で、課長、部長、営業所長が確認の印鑑を押した・・・ そして、それを本店がとりあえずまとめて、経産省に提出した。

 確認体制を強化するのではなく、コンピュータソフトの手直しをして、データを取り出せるように変更することを東京電力担当部門には、おすすめします(おそらく、目の飛び出るようなソフト改修費用を請求され、あきらめたのではないかと勝手に想像しています)

 新入社員研修で、非常に記憶に残っているTQC活動があります。詳細は忘れましたが、
「どこの道路に電線が埋まっているかの問い合わせに対して、的確に答える。」
とかいった内容だったと思います。新入社員の私からすると、そんなの当然と思っていましたが、たしか、返答率は20%程度(とにかく低かった記憶だけ)。それを、図面を整理して答えられるようにすると行ったTQC活動でした。目標が60-70%程度だったか?

 電力会社として当然管理されているべき情報さえ、きちんとしていないことを知り、大変驚いた記憶があります。
(現在は電子化され、しっかり管理されているかもしれません。あくまでも20年以上前の私のあやふやな記憶です)

 誰もがうらやむ一流企業だったはずですが・・・
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posted by いんちょう at 14:35| 原子力