高村光太郎 『智恵子抄』より
智恵子は東京に空が無いという
ほんとうの空を見たいという
私は驚いて空を見る
桜若葉の間に在るのは
切っても切れない
むかしなじみのきれいな空だ
どんよりけむる地平のぼかしは
うすもも色の朝のしめりだ
智恵子は遠くを見ながらいう
阿多多羅山の山の上に
毎日出ている青い空が
智恵子のほんとうの空だという
あどけない空の話である
本当の空があるとうたわれた 自然豊かな福島
鳥のさえずり、大地の喜び、
そういったものでいっぱいでした。
今は、
鳥はさえずるのをやめ、大地には喜びもなく、悲しみもない。無になりました。
杜甫は、かつて唐の都長安で争乱にあい、次のように詠みました。
春 望
五言律詩。長安の賊中にあって、春の眺めを述べる。
国破山河在 国破れて山河在り
城春草木深 城春にして草木深し
感時花濺涙 時に感じては花にも涙を濺ぎ
恨別鳥驚心 別れを恨んでは鳥にも心を驚かす
烽火連三月 烽火 三月に連なり
家書抵万金 家書 万金に抵る
白頭掻更短 白頭 掻けば更に短く
渾欲不勝簪 渾て簪に勝えざらんと欲す
なくなるはずのない山河が毀損されました。
すべては、人類の作り出した原子力発電所による災害のため。
原子力を推進した側の人間はもちろん、それを受け入れた現代の人間たちがすべてその責を負わなければならないのです。
浜岡原発停止要請、地元・御前崎市長が反発(消去されています)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110507-OYT1T00229.htm?from=main2
2011年5月7日09時54分 読売新聞(前略)
これに対し、原発が立地する御前崎市の石原茂雄市長は、「突然の話で、驚いている。言葉もない。5日に浜岡原発を視察に訪れた海江田経産相の『結論は急ぐな』という発言は、何だったんだろうか」と憤まんやるかたない様子。さらに「4、5号機を止めるなら、日本の全原発を止めなくてはならない。日本の原子力行政すべてを見直してほしい。東海地震は、初めから想定されていた。なぜ、この時期に安全でないと止めるのか、分からない。電力不足の問題もある」と批判は止まらない。
浜岡原発から約600メートルの場所に住む御前崎市原子力対策特別委員会委員長の柳沢重夫市議も「1967年から、地域住民の意見を集約して建設を進めてきた。地元は粛々と原子力行政を受け入れてきたのに、信じられない。今まで地元、地元と言ってきたのは何だったのか」と不信感をあらわにした。さらに、「これで交付金も減るし、市の財政も大変な状況になる。地元で約1200人が働いているが、雇用にも影響が出る。国が止めると言ったのだから、当然それなりの対策を講じてもらいたい。一気にこういうことになると、市の存亡にかかわる。それだけ大きい」とまくし立てた
http://www.asyura2.com/11/genpatu11/msg/338.html
投稿者 確信犯の冤罪主張 日時 2011 年 5 月 17 日 12:08:16: 2yHiEg4.qWD0A
いま大金を貰えるなら100年後、50年後に生まれてくる子供が全部カタワモンでも仕方ない。
これが、1983年1月26日に石川県羽咋郡志賀町で開かれた「原発講演会」(地元の広域商工会主催)での当時の高木孝一敦賀市長が明言した言葉である。
立地県のこうした言葉に、違和感を感じます。目の前に、土地を追われてしまった同胞たちがいるのにもかかわらず、目先の金に左右され、自分のところには決して起きないと思えるその神経に。
この構図、どこかでみた(déjà-vu)とおもっていましたが、この前ハタと思い当たりました。
そうなんだ、
原子力は産業のアヘン
なんだと。
ひどい終末を迎えてしまうことがわかっていながら、いったん依存するとやめられない。
利用すると、最初のうちは何でも出来る。消費も回る。地元も潤い、自分も莫大なお金を得られる。お金さえ払えば、電力を湯水のように使える便利な生活が送れる。
その夢のような期間が過ぎると、苦しむようになり、こんどは手に入れるためには何でもするようになる。
やめようとすると禁断症状(計画停電、雇い止め、税収不足・・)のために、とてもやめることが出来ない。
そっくり。
このアヘンと手を切れるか、それともあきらめてしまい清朝のように滅ぶしかないのか。
生命の大地である母親たち(女性)が、その鍵を握っている
そう思います。
20万アクセスありがとうございました。