東京電力福島第一原子力発電所4号機で3月15日に発生した火災に伴う爆発の際、使用済み核燃料一時貯蔵プールに、爆発の衝撃で隣接する場所から水が偶然流れ込み、プール内にあった核燃料の過熱を食い止めた可能性があることが、東電の調査でわかった。
過熱が続いていれば核燃料が溶融し、現状を大幅に上回る放射性物質が放出される最悪の事態もあり得たとしている。
同原発は、3月11日の東日本大震災で津波に襲われ、外部電源が途絶。4号機の燃料プールへの冷却水注入も止まった。東電は現在、プールから1日約70トンの水が蒸発しているとみて、生コン圧送機で注水しているが、水位は計算通り上がっていない。東電はプールから水が漏れている疑いもあるとして調べたものの、原子炉建屋下部への漏水は確認されていない。
爆発は原子炉建屋の側壁が崩落するほど激しく、水素爆発が起きたとみられる。水の漏出先として東電が有力視しているのは、可動式のゲートを挟んでプールに隣接する「原子炉ウェル」。ゲートは爆発で破損し、水は原子炉ウェル側に漏れている可能性が高いという。
(2011年4月28日14時31分 読売新聞)
(イメージは拡大されません)

これを読んだときには、意味が全く分からず、いい加減なことを言っているなと考えておりました。
その約2ヶ月後
東京電力発表資料
2011年6月20日 1F4原子炉ウェルおよび機器貯蔵プールへの注水について(29.8KB)から
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爆発ではなく、燃料プールの設計時のたまたまの構造で、悲劇的な状況が避けられました。
その結果、DSピットから水が蒸発し、
(現在は、ネットからは削除されています)
4号機 機器貯蔵プールに注水(NHK)
6月20日 5時2分
東京電力福島第一原子力発電所の4号機で、原子炉内から取り出した大型機器を貯蔵するプールの水位が下がり、機器が水から露出して強い放射線を出しているとみられることから、東京電力は、作業員が活動できないとして放射線を遮るためにこのプールに注水を始めました。
東京電力福島第一原発の4号機では、3月の巨大地震の際、定期検査中で、運転中、原子炉の周辺に設置されている大型の機器は取り外され、機器みずからが発する強い放射線を遮るため、原子炉建屋の最上階にある貯蔵専用のプールに収められていました。東京電力がこのプールの水位を初めて詳しく調べた結果、今月11日に底から2.5メートルと満水時の3分の1程度に低くなっていて、大型機器が水から露出し、周囲に強い放射線を出しているとみられています。このままでは4号機の最上階で作業員が活動できないとして、東京電力は放射線を遮るために19日からプールへの注水を始めました。東京電力は「現状のままでは、4号機の原子炉建屋の最上階は、人が立ち入れないほど高い放射線量になっているが、機器が水で覆われれば放射線量は相当下がると思う」と話しています。
現在は、次図にしめされるように原子炉底から給水を行っています。

4号機燃料プールの補強工事は順調。
2011年6月20日 福島第一原子力発電所4号機原子炉建屋使用済燃料プール底部の支持構造物の設置工事(鋼製支柱設置作業の完了)(270KB)

関連ブログ記事
福島原発4号機の燃料プール補強工事 2011.6.9
4号機燃料プールの解説 2011.5.1
4号機燃料プールの動画(東電公表)
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