2011年07月04日

独、伊 と 英、仏、米

今回のFUKUSHIMAに対する反応は国によって全く違います。第二次世界大戦の戦勝国と敗戦国にわけるとなにやら見えてきます。

敗戦国側
ドイツ
ドイツ下院「脱原発」法案可決 自然エネルギー発電2倍に 2011/6/30 22:57 日経

イタリア
原発凍結賛成は94% イタリア国民投票、開票終わる2011年6月15日7時0分 朝日新聞

こちらは、日本でも大々的に報道されていますので、ご存じの方がおおいでしょう。

戦勝国側
イギリス
(熊日7月2日 朝刊)
2011070403.jpg

 「事故はテレビで見るほど劇的なものではなく、原子炉は安全だ」と3月13日には分析できているとのこと。

ここで思い出したいのが、福島のIAEA調査団。IAEAメンバーChief の仕事(同じ穴の・・)出紹介しましたとおり、Chiefはイギリス人

 このブログから英規制当局の報告書の抜粋
ウェイトマン長官は4月1日付けでHSEに新たに設置された原子力規制機関(ONR)のトップであり、原子力施設のサイト許可に関わる安全管理や放射性廃棄物輸送などの規制を担当。国際原子力機関(IAEA)が24日から6月1日までの日程で福島原発に派遣した事故調査専門家チームの団長でもある。
中間報告段階における結論として同長官はまず、「福島事故から学ぶべき教訓はあるが、国内原子力発電所の運転を縮小する必要はない」と断言。合理的で適切な対策により、原子力の安全性をさらに高めることが可能かを判断するため、産業界や政府、規制当局がレビューすべき25の勧告分野を特定した。


 確かに全くぶれてません。たいしたものです。

次にフランス(個人の方のブログEisbergの日記から)
福島原発事故についてのあるフランス人の見解(抜粋)
「 フクシマ事故が起こってから、私は毎日、ドイツとフランスのニュースを見て、その違いに驚かせられました。ドイツ人もフランス人も同じヨーロッパ人で、ごく一般的には考え方にそう大きな違いはないと思っているのですが、いくつかの特定のテーマに関しては両国民は正反対の反応を示すことがあります。原子力はその一つだと思います。

 ドイツの悲観的報道とは対照的に、フランスのメディアは『フクシマのような事故はフランスでは起こりえない。フランスには地震や津波の危険はない』ことを強調するのに始終していました。フランスでも原発事故は起こっていますが、ほとんど報道されないか、たいしたことはないという過小評価が行われています。

 フクシマ事故が起きて以来、フランスにいる親兄弟や友人とフランスのこれからのエネルギー政策について話をしようとしました。でも、返って来る返事はいつも同じです。『原子力をやめて、どうすれと言うんだ?代替エネルギーがないじゃないか』フランスの経済は原子力に依存しています。だから、原子力は危ないかもしれない、でもどうしようもないというところで思考停止してしまうのです。特に年配の人達は聞く耳を持ちません。

 フランス人が原子力に対してドイツ人ほどの恐怖心を持っていないのは、原子力産業のプロパガンダのせいでもありますが、それだけではない気がします。第二次世界大戦の結末が両国民の核というものに対するイメージを変えていると思うのです。ヒロシマ?ナガサキに投下された原爆はドイツ人の心に大きな衝撃を与えたでしょう。ドイツは日本やイタリアと共に敗戦したのですから。ドイツ人の心には原爆というものはとてつもない破壊力を持った恐ろしいものだと刻み込まれたことでしょう。だから、原子力に対してもとても批判的なのだと思います。フランスは戦勝国ですから、フランス人はドイツ人ほどの衝撃を持って原爆投下を受けとめて来なかったのかもしれません。


米国
 在住の日本人の方にお聞きしますと、

たぶんフランスよりひどい。だれも、何も言わないし、関心もない。関心のなさはテレビ新聞の報道が皆無に等しいことが主な理由か。しかし、インターネットベースのジャーナリストでさえ、初期の外国報道を見て「あれは行きすぎで、危機感をあおっているだけの扇情的な報道でよくない」と報道していた。

オバマ大統領が将来のエネ政策公表 「原子力、今後も推進」2011.4.13
米国のB.オバマ大統領(=写真)は3月30日、米国の将来のエネルギー供給保証政策に関する包括的な計画(ブループリント)を公表した。ニクソン政権以降、歴代大統領が取り組んできた輸入石油への依存脱却に主眼を置いたもので、今後十数年の間に国内での石油増産やクリーン・エネルギーの活用により、1日に1100万バレルという石油輸入量の3分の1削減を目指す。原子力はこれまで通り、石油を代替するクリーン・エネルギーの1つと位置付けられており、福島事故後も変わらず原子炉の新設を進めていく方針が示された。

ブループリントの狙いとして提示されたのは次の3点。すなわち、(1)米国が世界のエネルギー経済をリードするため、国内で一層安全かつ信頼性の高いエネルギー供給技術を開発(2)燃料効率の高い車や耐候性のある家屋の導入等を通じて、消費者に省エネとエネルギー経費削減の機会を提供(3)最先端の次世代技術研究に予算を付けるなど、クリーン・エネルギー開発を通じて米国経済を強化し、未来を勝ち取る――である。


 原子力を今でも強力に推進している国は、すべて核兵器を持っています。

日本はなぜ、独・伊 に続けないのでしょうか。

関連ブログ
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posted by いんちょう at 20:14| 原子力