2011年07月06日

リラッキングは破滅への道−玄海

原発ごみも難題 再稼働で3年後にも満杯 玄海3号機
2011年7月4日 07:02 カテゴリー:九州 > 福岡 九州 > 佐賀 社会
 九州電力が玄海原発3号機(佐賀県玄海町)で計画している「使用済み核燃料プール」の貯蔵能力増強(リラッキング)工事が、着手できない状況になっている。国はリラッキングを認可する方針を固めていたが、福島第1原発事故の発生後に一転して再審査を始めたためだ。原子炉が4基ある玄海原発では、使用済み核燃料の実質的な貯蔵率がすでに8割近い。運転再開問題に揺れる2、3号機を再稼働できたとしても、このままリラッキングが認められなければ、3年後にも「核のごみ」の保管場所がなくなる恐れが出てきた。

 リラッキングをめぐり、九電は昨年2月、原子炉等規制法に基づき、経済産業相に玄海原発の原子炉設置変更許可を申請。3号機の貯蔵プールについて(1)使用済み核燃料の配置間隔を詰めて貯蔵量を倍増するリラッキングの認可(2)1、2、4号機の貯蔵プールとの共用化−などを求めた。

 その安全性を審査した経産省原子力安全・保安院は昨年12月「防災上、支障がない」と判断。内閣府の原子力安全委員会と原子力委員会に諮問し、今年3月7日までに「妥当と認める」とする答申を得た。文部科学相の同意も得て「間もなく認可できる」(保安院)状況だった。

 ところが、保安院原子力発電安全審査課によると、3月11日の東日本大震災に伴い福島第1原発事故が起き、保安院は認可の手続きを一時中断。事故で得た新たな知見を踏まえ、認可の是非を見直す。現状では可否を判断できる時期のめどは立っておらず、同課は「速やかな審査が必要だが、スケジュールありきではない」という。

 九電によると、玄海原発では約1年ごとの定期検査で、使用済み核燃料が1基に付き40−70体ほど発生する。これを敷地内の貯蔵プールに一時保管するか、青森県六ケ所村にある日本原燃再処理工場内の貯蔵施設に輸送しており、4月末現在の玄海原発内の貯蔵容量は4基全体で78・1%。

 ただ、再処理工場は技術的なトラブルが続発し、稼働予定は当初計画より15年ほど遅い来年10月にずれ込んでいる。同工場の一時貯蔵施設も容量の94・5%が埋まっており、新たな受け入れ余力は乏しい。

 六ケ所村の受け入れが止まっても、3号機のリラッキングを済ませれば2020年ごろまで延命できる貯蔵容量が、リラッキングなしでは14年度にも満杯になるという。九電関係者は「そうなれば、玄海原発が稼働できないという問題が現実味を帯びる」と危機感を隠さない。

 一方、リラッキング自体の安全性を危ぶむ声もある。明治大学の勝田忠広准教授(原子力工学)によると、使用済み核燃料を当初の設計よりも“過密”に貯蔵すれば発熱量が高くなるため、事故時に燃料露出や溶融の時間が早まり、再臨界のリスクも高まるという。

 勝田准教授は「福島第1原発では、リラッキングによって事故が大きくなったのか技術的な分析がなされていない。事故の新知見を得るまでは、拙速にリラッキングをしない議論が必要だ」と指摘した。

■リラッキング

 原発から出る使用済み核燃料(燃料集合体)の一時貯蔵プールの貯蔵能力増強。使用済み核燃料を1体ずつ収納する棚(ラック)の配置間隔を詰めることで、貯蔵容量に余裕をつくる。各地の原発でプールが満杯に近づいている。玄海3号機の場合は、使用済み核燃料の間隔(中心部から中心部の距離)を現行の36・5センチから28・2センチに縮めることで、貯蔵容量を1050体から2084体に倍増する計画。

=2011/07/04付 西日本新聞朝刊=


誰も公式にはコメントしていませんが、1F-3の最初の爆発は、燃料プールからです。
福島第1原発3号機使用済み燃料プールで燃料集合体を1体発見?


日本の原発はトイレがなく、仕方なくこのリラッキングをして使用済燃料を貯蔵しています。福島の例でも分かるように、燃料プールは一度事故が起きると全く手に負えなくなります。

 そのあげくに・・・ 爆発です。

そもそも運転中の原子炉の近くに、使用済燃料をおいておくこと自体が間違い(今回の事故の収束過程でも、燃料プールに苦労しているのが報道からも伺えます)

・リラッキングは許してはならない。
・使用済燃料はドライキャスクに移動させる

それ以外にありません。使用済燃料を原子炉建屋内に入れたまま運転するのは、決して許してはなりません。リラッキングなんて、もってのほか。

 使用済燃料プールは、ゴミ捨てではない

のです。


 原付をいたずらされてしまい、エンジンが止まらなくなってしまったことがありました。しかたなく、バイク屋に持って行きました。一体どうやって止めるのだろうと思ってみていましたら、排気ガスが出るところをサンダルの底でふさぎました。しばらくして、エンジンが停止。
 出すものを出せなくなると何でも止まるのだなぁと感心した記憶を思い出しました。

関連記事
日本の設計は「安全より経済優先」ロシア人原発専門家が批判 2011.3.16

関連ブログ
3号機は燃料プール・・学会認めていた 2011.6.23
原子炉より危険なプール2011.6.20
原発の工程表-見直しされず・・2011.5.19 燃料プールの処理は、別工程が必要
1F-3燃料プール(2)・・燃料ラックの変形2011.5.11
3号機燃料プールの分析(動画)2011.5.10
驚きの1F-3号機(建屋崩壊、内部写真)2011.4.19
タグ:G
posted by いんちょう at 15:24| 原子力