2011年07月12日

セシウム牛−水増しでごまかす

 セシウム牛、かなり深刻な問題になってきました。

地域限定で全頭検査 福島産肉牛 「飼料不足やむなく」
 福島県南相馬市の農家が出荷した肉用牛11頭から暫定基準値を超える放射性セシウムが検出された問題で、県は11日、計画的避難区域と緊急時避難準備区域から出荷する牛の枝肉を全頭検査し、他地域の牛も農家1軒につき1頭を出荷前に枝肉にして検査する方針を決めた。
 国は3月19日、屋外保管していた飼料を家畜に与えないよう通達。しかし、農家では稲わらは昨秋の収穫後から水田に保管、牧草は原発事故後に刈り取り牛に与えていた。県には「事故前に収穫した餌を与えた」と申告、外での保管も伝えていなかった。県の聴取に「震災後に配合飼料が不足し、やむなく与えた」と虚偽申告を認めた。
   ◇
 問題の牛を飼育していた福島県南相馬市の農家は国の指導に反する飼育を行っていたが、県などの調査を完全にすり抜けていた。
 「自己申告を信用したが甘かった。検査を強化したい」。福島県の鈴木義仁農林水産部長は、今回の事態を受け、こう語った。肉牛の出荷に際し、県はこれまで体表面に付着した放射線を検査するスクリーニングを全頭を対象に実施。内部被(ひ)曝(ばく)については、飼育状況や餌の保管方法を聞き取り調査していたが、この農家は問題なしとされていた。

 「ちゃんと指導を守った餌を与えていたら、放射性物質が検出されるはずがない」。こう憤るのは、チェルノブイリの原発事故でも汚染された飼料を食べた牛から放射性セシウムが検出されていたとして、農林水産省や県に検査強化を訴えていた厚生労働省幹部だ。


 検出されたと話していたのは、最初稲ワラでしたが、今回は事故後に刈り取った牧草が汚染源?

餌の「わら」、規制値57倍のセシウム
TBS から
2011071201.jpg

畜産についてはよく分かりませんが、稲ワラはこういった感じで保管するのが普通ではないのですか?収穫後に雨風にさらしていては、飼料として使えないと思いますが・・

福島県に在住の方々からも放射性物質が検出されているのに、牛だけは大丈夫? ほんとですか?

福島・南相馬産牛肉セシウム検出問題、別農家の23頭が神奈川に搬入、「問題ない」と県が見解
2011年7月11日
 福島県南相馬市から都内の食肉処理場に搬入された肉用牛から国の暫定基準値を超す放射性セシウムが検出された問題で、神奈川県は11日、同市内の別の畜産農家(2軒)から県内に搬入された計23頭の牛について、「食べても健康に問題はない」との見解を示した。大半が基準値を下回っていたという。
 神奈川県食品衛生課によると、この23頭は横浜市中央食肉処理場で6、8日に処理された。このうち9頭は横浜(2頭)、小田原(4頭)、東京(3頭)の各卸売業者に流通したが、8日に処理した同一農家の牛12頭はすべて基準値を下回っていたため、県は「前に流通した9頭も問題ない」と説明している。
 一方、残りの2頭は同処理センターで処理後、小田原、川崎両市にそれぞれ1頭ずつ搬送された。川崎市の検査では基準値をクリアしており、小田原市の牛は現在検査中という。


 神奈川県の測定器、もう一度校正した方がいいのではないですか?

'11/7/12
肉牛餌のわらから高濃度セシウム 福島、全農家を調査へ
 福島県南相馬市の肉用牛11頭から放射性セシウムが検出された問題で、県は11日、餌のわらから1キログラム当たり7万5千ベクレルのセシウムを検出したことを明らかにした。県の推計では暫定基準値の約56倍に相当するという。食肉処理後の牛からは最大3200ベクレルが検出されていた。

 県はこの日、計画的避難区域と緊急時避難準備区域にある、すべての肉用牛農家約260戸への緊急立ち入り調査を始めた。最終的に県全域に広げ、餌や飼育の状況を再点検する。

 出荷元の南相馬市の農家は緊急時避難準備区域にあり、昨年秋に自分の水田で刈り取ったわらを屋外で保管。農家は福島第1原発事故後の4月上旬から、1頭当たり1日1・5キロを与えていたという。

 県によると、飼料の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)と比較するため、わらを乾燥前の状態に水分量を補正して計算した場合、基準の約56倍に相当するという。

 大塚耕平厚生労働副大臣は民放番組で「原因を調べた上で、全頭検査が必要なら、国民の食の安心のためにやらざるを得ない」との見方を示した。国は3月19日、屋外で保管していた飼料を家畜に与えないよう通達していた。

 11頭すべては出荷の際、体表に放射性物質が付着していないかスクリーニングを受けたが、問題ないとパス。東京都の芝浦と場で処理され、抽出検査の結果、暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)の3〜6倍のセシウムを検出した。この食肉は市場には流通していない。

 同じ農場からは5〜6月に、東京都に別の5頭、栃木県に1頭の計6頭が出荷されていることが判明している。これらの肉牛はすでに処理され、市場に出ている可能性があり、東京都などが流通先などを調べている。


 わらは、昨年収穫したものですから、元々乾燥しています。それなのに、どうして水分を補正する必要があるのでしょうか?

 野菜は、洗浄して計測。

 牧草は、重量を補正

・・

世間ではこんな行為を 

水増し 

といいます。

水増し補正をすることで、基準から 150倍 の濃度が 56倍 と約1/3にごまかすことができました。

 3つのニュースを比べると見えてくるものがあります。

・あくまでも、この農家だけの特殊な問題。
・他の農家で飼育された牛は流通してしまっているが、全く問題ない。
・放射能で汚染された飼料も水増し(補正)して測定する。

 すべての責任を負わされた農家の方が心配です。


 汚染される方法で飼育していたのはこの農家だけで、福島のセシウム牛問題は「風評被害」と呼んでいいのでしょうか?


嘘は雪玉のようなもので、長い間転がせば転がすほど大きくなる。 マルティン・ルター

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posted by いんちょう at 05:00| 原子力