2011年07月19日

ヨウ素剤は、全国民必携

ヨウ素剤は、事前に配布しておかねば意味がありません。。

各家庭へのヨウ素剤の配布がないのは無責任から
▽ヨウ素剤配布を
「ヨウ素剤は本来なら事故の直後、(放射性物質が煙のように流れる)放射性雲がくる前にのまないといけないが、配布がほとんど行われなかったと聞く。今も地方自治体までで、各家庭には配っていない。何か起きたときに計画を立てて配布するのでは絶対間に合わない。また同じことが起こる。非常に無責任だ。」


原子力安全委員会資料
原子力災害時における安定ヨウ素剤予防服用の考え方について
放射性ヨウ素が吸入あるいは体内摂取される前24時間以内又は直後に、安定ヨウ素剤を服用することにより、放射性ヨウ素の甲状腺への集積の90%以上を抑制することができる。また、すでに放射性ヨウ素が摂取された後であっても、8時間以内の服用であれば、約40%の抑制効果が期待できる。しかし、24時間以降であればその効果は約7%となることが報告されている。
また、この効果は、安定ヨウ素剤服用後、少なくとも1日は持続することが認められている


わかりにくいので、
緊急事故対策におけるヨウ素剤(内部被ばく障害防止剤)から
被曝が一瞬に生じると仮定して、100mgのヨウ化カリウム剤「ヨウ化カリウム丸」を飲むことによって被曝を阻止できる 率は、
 服用が12時間前=90%
 服用が 直前  =97%
 服用が1時間後=85%
 服用が3時間後=50%    です。


つまり、できるだけ放射能漏れが起きる直前に内服し、しかもその有効期間はほぼ1日ということ。

公式マニュアルはこちら
安定ヨウ素剤 取扱いマニュアル

今回の事故ではどうだったか。
三春町のホームページより
2011071901.jpg

福島のヨウ素剤配布については、こちらのブログでまとめられています。(抜き出します)
ヨウ素剤を住民に配布=福島原発事故で三春町(2011年3月16日 時事通信)
 東京電力福島第1原発から30キロ圏外の福島県三春町が、被ばくによる甲状腺がんの予防に効果がある安定ヨウ素剤を希望する町民に配布していたことが、16日分かった。
 本来、国の指示が出てから配布することになっているが、同町保健福祉課の工藤浩之課長は「原発事故の不安を和らげるために決断した」と話している。
 同町によると、15日午後1時から同6時までの間、希望する40歳未満の多数の住民に計約1万3000錠を配布した。多くの住民はすぐに服用していたという。


三春町の判断は、正しい思います。が、福島県は・・・

県、安定ヨウ素剤の回収指示 三春町ではすでに服用(2011/03/18 福島民放)
 福島県は17日までに、放射能の健康被害を防ぐ内服薬「安定ヨウ素剤」を住民に配った三春町に対して回収を指示した。安定ヨウ素剤は原子力災害対策特別措置法に基づき、国の指示が出てから住民に配布する。町は「住民はすでに服用しており、回収できない」としている。県によると、安定ヨウ素剤配布の国からの指示は出ていない。現段階では、県は一部の自治体に備蓄用として配っている。
 町は14日に県から安定ヨウ素剤を入手。福島第一原発の爆発事故などを受け、専門家の意見を聞いた上で15日に配った。町は「県が放射能の測定調査の数値を公表していない段階だった。放射能の状況が分からない中、町民の命を守るために配布を決断した」としている。

(今回の原発災害で、国は結局指示は出しませんでした。実際問題、あの状況でヨウ素を配布するのは、ほとんど不可能)

ヨウ素剤配布で混乱、誤った服用指示も
 東京電力福島第一原子力発電所の事故で、各地で比較的高い放射線が観測されていることから、福島県内では国の指示を待たずに住民に安定ヨウ素剤を配布する自治体が出始めていることが、読売新聞社の調査で分かった。
 各地で観測されている放射線レベルでは健康には問題がないが、国と自治体の方針が一致せず、混乱が広がっている。
 ヨウ素剤は医療関係者の立ち会いのもと、避難時に服用するのが原則だが、「自分の街は大丈夫か」という不安が住民をヨウ素剤入手に駆り立て、その要求に自治体側も応じている。しかし、必要がない人まで服用してしまう可能性があるほか、事前に備蓄を消費してしまうと、いざという時に必要量が確保できない恐れがある。
 独自判断で安定ヨウ素剤を配布していたのは、同原発の20キロ・メートル圏内で避難指示が出ている富岡町、20〜30キロ・メートル圏内で屋内退避になっているいわき市、圏外に位置する三春町。これら3自治体では、少なくとも15万7000人分を配布。三春町では住民の服用も求めていた。
 同町内の50歳代の女性はすぐ服用するよう指示されたため、息子に飲ませたという。しかし、この時点で服用する必要がなかったことを聞くと驚き、「すぐに飲めば効果があると期待して飲んだのに……。これが無駄だったと思うと、ひとまず安心した気持ちをどこにぶつければいいのだろう」と語った。
 こうした混乱が起きているのは、国と県の情報交換が不十分で足並みがそろわないのが原因だ。
 原子力安全・保安院の西山英彦審議官は19日夜、「16日朝に20キロ・メートル圏内からの避難者にヨウ素剤を投与するように県に指示した」と説明した。しかし、15日昼過ぎには、避難は完了していた。県の担当課長は「今更、服用させても効果がないと判断し、実施を見送った」と話した。これに対し、同院は「予防的な措置として投与を決めたが、結果として対象者がいなかった」と釈明した。
 19日には、世界保健機関の緊急被曝医療協力研究センター長の山下俊一・長崎大教授が県の災害対策本部を訪れ、報道陣に対し「放射能のリスクが正しく伝わっていないが、今のレベルならば、ヨウ素剤の投与は不要だ」と話した。
(2011年3月21日03時06分 読売新聞)


福島県が回収を指示したのは17日。上の報道と全くあいません。だれかが嘘をついています。

・読売新聞
・福島県
・保安院
・山下俊一

キーワードがそろっています。今回のような事故で内服してもらわないで、いったい、いつヨウ素剤を使うというのでしょうか。

 行政の配布をまっていては、手遅れになるのが目に見えています。どの医療機関であっても、薬の卸問屋とは取引がありますので、ヨウ素剤の仕入れは可能です。わたしもヨウ素剤を注文したのですが、現在は出荷規制がかかっており手に入れることができていません。入手できれば、自費での対面処方が可能になると思っていますが・・・

一体どうすればよいか・・

ヒントが甲状腺シンチの注意事項にあります。

甲状腺シンチ注意事項から(浜松医療センター)

下記の薬物及び食品は検査前1 〜 2 週間は摂取及び使用しないでください。
イ) コンブ、ワカメ、ノリ、ヒジキ等の海藻類、寒天、牡蛎(かき)、貝類、蕪(かぶ)
ロ) ヨード剤(ルゴール、ヨードチンキ、総合ビタミン剤、去痰剤、エンテロビオフィルム)
ハ) 抗甲状腺剤(メルカゾール、メチオヂール)
ニ) 甲状腺剤
ホ) 甲状腺刺激ホルモン剤及びその他のホルモン剤(副腎皮質ホルモン、エストロゲン、プロゲステロン)
ヘ) ブロス剤、やせ薬、日焼け止めクリーム、着色料など
ト) 各種X 線造影剤(モルヨドール、ウロコリン、ウログラフィン、テレパーク、バリウム、コンレイなど)

つまり、
・ヨウ素に汚染されていない海草(現在は、入手はかなり困難)
・ヨード剤を使用する(イソジンなど)
外用しても効果があるでしょう。

などで、当座をしのぐしかなさそうです。

注意・・・現在の東京で内服が必要かどうかは私には分かりません。


日本全国あちこちに原発があり、原発の影響を受けない地域は、残念ながらもうありません。原発を運転し続ける限り、危機管理の一つとして

・7日分くらいのヨウ素剤の備蓄(成長期までの子ども,および妊娠可能年齢の女性は特に。)
・避難経路の確認

は最低必要です。国・地方自治体は、こういった対策を本気で講じているのでしょうか?また、原発運転を賛成しておられる経団連企業群はもちろん従業員には配布されておられるのですよね?それとも、重役分のみ確保ですか?原発事故時の対応マニュアルはすでに整備されているんですよね?

米国は、どうしていたか・・・3号機の黒煙発生事象(2011.3.21) 分析に興味のある方はこちら
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米国務省、在日スタッフらにヨウ化カリウム配布.2011/3/22 17:41.
米国務省は、福島第1原発事故による放射性物質拡散に対する予防的措置として、日本に滞在するスタッフとその家族に対し、放射能被害に効果があるとされる「ヨウ化カリウム」を配布する。
ただ、同省は21日に発表した渡航警告のなかで、念のためにヨウ化カリウムを用意しているとした上で、現時点では摂取しないよう呼びかけている。摂取するのは米政府から特に指示があった場合にのみとしている。
21日に同原発3号機から灰色がかった煙が上がったため、現場で作業に当たっていた作業員らは全員避難した。この発煙により、燃料プールの水位をめぐり懸念が出た。
(AP通信)


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posted by いんちょう at 21:48| 原子力