
想像されたことですが、熊本もセシウム牛の消費地となってしまいました。このような状況で、外国人が旅行すると思いますか?ホテルの食事で知らない間にセシウムをふんだんに食べさせられても全く分かりません。観光が減ったのは、「風評被害」ではないのです。
論評では、
セシウム牛 = 稲ワラ
と非常に単純化されており、稲ワラを食べさせていなければセシウム牛にならない。
本当でしょうか?
えさ汚染牛、計648頭に 山形・新潟でも見つかる
基準値を超える放射性セシウムに汚染された稲わらが牛のえさに使われていた問題で18日、福島、山形、新潟の各県は、農家から汚染わらが見つかり、計12戸から牛計505頭が出荷されたとそれぞれ発表した。これまでに判明した出荷総数は計648頭となった。
福島県以外からの出荷が判明したのは初めて。同県を含む11都県で緊急点検をしてきた農林水産省は、点検対象外の新潟、山形両県で汚染わらが見つかったことから、対象を東日本全域に広げることを決めた。厚生労働省も、該当する牛肉を確保したら検査するよう依頼する通知を、初めて全都道府県に出した。
福島県によると、新たに汚染わらの使用が分かった農家は郡山市の2戸、二本松市、本宮市、須賀川市、白河市と会津坂下町の各1戸。7戸から計411頭が東京都や兵庫県など6都県に出荷されていた。
このうち、本宮市の農家のわらからは、これまでの調査で最高の1キロあたり69万ベクレルのセシウムを検出。乾燥前の水を含んだ状態に換算すると15万6818ベクレルとなり、国の基準値(1キロあたり300ベクレル)の約520倍に当たる。
山形県でも尾花沢市と飯豊町、白鷹町の計4戸で汚染わらが見つかった。計70頭が県内と都に出荷され、そこから奈良県や仙台市などにも出荷されていた。いずれも宮城県大崎市の業者からわらを仕入れていたという。2戸に残るわらからは1万8100ベクレル(換算値は4113ベクレル)〜1万5800ベクレル(同3590ベクレル)が検出された。70頭の一部の牛を県が調査したところ、放射性セシウムは1キロあたり最大205ベクレルで、国の食肉の基準(同500ベクレル)を下回った。
新潟県では、長岡市の農家2戸で汚染わらが見つかり、うち1戸から県内や東京都に24頭が出荷されていた。この農家が仕入れた宮城県登米市の業者のわらから1万500ベクレル(同2387ベクレル)が検出された。残っていた1頭の肉の一部を県が調査したところ、検出されたセシウムは国の基準を下回る30ベクレルだった。

読売新聞より拝借
要点を
・福島県本宮市 稲わら 69万ベクレル/kg という信じられない高レベルのセシウム
・宮城県大崎市 稲わら 約2万ベクレル/kg の高レベルセシウム
わかりにくいので、報道の数値を一部まとめてみます。

新潟県の牛に含まれているセシウムと比較しますと、稲わらだけが原因でないことがよく分かります。そもそも、この中通り地方は、原子力発電所内であれば、全面マスクが必要な地域であり、そのような場所の空気を吸っている牛にセシウムが移行しないはずがありません。
また、稲わらが汚染されているということは、そこで栽培されているすくなくとも路地野菜は、同等の汚染を受けており、またそれらの飼料を食べている豚、鶏なども当然汚染されていると考えねばなりません。
とくに鶏の卵の殻などは、猛毒とされるストロンチウムが含まれている可能性があり、この卵の殻が全国に流通しますと汚染列島になる可能性が出てきます(卵の殻は、様々な食品の補助添加物、そして飼育肥料などに使われます)。また、これらの牛、鶏からできた鶏糞、牛糞などの肥料も当然汚染されています。
放射能を含んだ牛は、実害そのものであり、その影響は広範囲に及びます。
福島県は、その被害状況を認めることからはじめ、そして必要な対策を取っていくことしか、信頼回復の道はありません。このままですと、国産牛全体に対して消費者がそっぽを向きます。
まず、「風評被害」と呼ぶことを改めてください。すべてはそこからです。
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