福島県の上空8キロ付近に微量の放射性物質が滞留している可能性があることが福島大学の調査でわかった。
同大で11日に記者会見した渡辺明副学長(気象学)は「3月の東京電力福島第一原発の事故で放出された放射性物質が、成層圏の手前の対流圏上部付近まで上って滞留していると考えられる。ただ、雨として降ってもまったく健康に問題のないレベル」と話している。
同大は4月15〜29日、観測装置を取り付けた気球を毎日上空25キロまで打ち上げ、約5メートルごとに大気中の放射線量を測定。平均値をとって高度ごとの放射線量の分布状況を調べた。
放射線の一種であるベータ線の数値が上空約6キロから上がり、8・2キロがピークとなって506cpm(カウント毎分)を記録した。また、上空2キロ付近では、100cpm前後のベータ線や別の放射線のガンマ線が観測された。
渡辺副学長は「爆発事故で舞い上がった放射性物質が上り続け、対流圏よりも温度が高く空気が軽い成層圏には入れずにとどまっていると考えられる。上空2キロ付近は風の通り道で、現在も原発から放射性物質が放出されている証拠」と分析している。放射性物質が雨に含まれて地上に落下する可能性はあるが、「万一、口に入ったとしても健康に問題はない」と話している。
国の基準によると、人が全身除染を必要とするのは10万cpm以上。
(2011年5月12日07時07分 読売新聞)
この基準は、福島事故直後改訂基準です。通常は、13000cpmです。
この内容は、福島大学がプレス発表しています。
放射能ゾンデ観測の結果について

ガンマ線のグラフが重要
SNAに問い合わせたところ、熊本−東京の巡航高度は、34,000ft(11,500m 約10km)
以上が予備知識
さて、出発前(機内) 0.12μSv/hr

シートベルトが消えてから(離陸後 20分か) 0.34マイクロシーベルト/時

それからさらに10分後 2.03〜2.54マイクロシーベルト/時



この間、ずっと雲の上。場所的には離陸後30分程度ですから、四国〜関西でしょうか?
線量があまりにも高いのですが、こんなものかと思ってました。高度が下がり始めてからは、動画で記録
高度が下がると目に見えて線量が低下してきます。福島のグラフとぴったり符合しそうです。
東京モノレール内 0.14マイクロシーベルト/時

大気が薄くなるから、このようなものと思っていたのですが・・・その日の帰りの便(最終便)
1.13-1.28マイクロシーベルト/時(離陸後30分)


熊本上空(高度下げる前) 0.13マイクロシーベルト/時

以上考えますと、日本全国の雲には放射能の塵が含まれており、それは巡航高度ではガスマスクが必要な程度となる。(1.3μSv/h > で 東電D区域 全面マスクが必要−根拠は、下記の関連ブログ「セシウム牛は全面マスク域で飼育中だった・・」をご覧ください。今なら,題名は「福島で飼育中の牛には、全面マスク配布を」に変更しますですね・・)
航空機に乗る際には、注意が必要ですし、雨にはできるだけ当たらないよう各自用心する必要があるでしょう。(筆者注:飛行機は換気のために外気を取り込んでいます。飛行機室内にも放射性物質が取り込まれる可能性があります。放射能除去フィルタなど使用しているのでしょうか?このあたりは、専門外ですので、よく知りません)
航空機をよくお使いで、ガイガーカウンターをお持ちの方、是非調べてみてください。新聞記者のかたなど、いかがでしょう?
参考(地球の大気)から

成層圏まで、放射性物質が拡散している模様。ジェット気流は、こんなイメージか?

追記(2011.7.25)コメントで指摘いただきました。
航路による被曝量は、こちらで計算できるようです。
ほぼ、近似の値と思われる成田〜ソウル を計算しますと、

となりました。この値は、今回の値とそれほど差はなく、宇宙線のみの値なのかもしれません。
また、
航空機搭乗者の被ばく線量 (09-01-05-11)
日本の平野部で1日あたりに受ける平均的な宇宙線の線量は0.001mSv(1μSv)であるが、国内線の旅客機に乗ると1時間足らずの飛行で同程度の被ばくを受ける。
ですから、だいたい1マイクロシーベルト/時 くらいが標準的な被曝量だとも考えられます。
書く前に参考にした記事
5 航空機乗務員の被曝線量はどのくらいになるの?

羽田〜沖縄間で 0.95マイクロシーベルトですから、やはりこの測定値は高すぎませんか?
航空会社で測定しているはずですが。。。今回の測定値であれば、2マイクロシーベルト以上となります。
■関連ブログ
セシウム牛は要全面マスク域で飼育中だった・・2011.7.13
記事の裏を読む−本質は、思いもよらないところに2011.6.9
子供を夏休みだけでも遠方にと、この夏は飛行機で九州を2往復します。が、このガイガーの値を見て震えが止まらなくなりました。
大至急、航空会社にはフィルターの除洗をお願いしようと思います。このような値が出るには、プルームを直接換気のために吸い込んだと考えられるのでしょうか?
2マイクロシーベルト/時 x 2時間 = 4マイクロシーベルト=0.004 mSv
ですから、被曝量としてはほとんど無視できる範囲です。(職業的に往復するのは、ちょっとイヤかな)
子どもを飛行機に乗せてもたいした問題はないでしょう。
先日のキ○ンのお茶について、激しく同意しましたので、私もキ○ンへ抗議のメールをしました。
(返事の最後の1行)
この度いただきました「放射能レベルを公開すべきではないか」というお声は真摯に受け止め、今後の参考とさせていただきます。
でした。
まぁ、「日本の営利企業の決まり文句」ですね!
それだけです。
意見の決定は、ご自分で。
私の意見はブログに書いています。
1点だけどうしても気になる記述がございました。
>熊本−東京の巡航高度は、3400ft(115,000m 約10km)
ここはおそらく
34000ft(1桁足らなかった)
11,500m(1桁多かった)
約10km(正)
ではないでしょうか。
3つの単位で相関が取れてないのが気になってしまいました。
これからも続けて拝見させていただきます。
記事の投稿引き続きお願いします。
ありがとうございました。
をみますと、宇宙線なのかもしれませんが、行きと帰りで随分と差がありますので、影響あるのではないかと思ってポストしています。
ロシア上空では最大の3.4μを記録しました。
ご参考までに
今度、子供が修学旅行で福岡から北海道まで旅行があり、主人がフレンチ系カナダ人。自身も親の仕事の都合でチェルノブイリの時にフランス近くにいてかなり、原発に関し敏感で今回の旅行に関しても反対です。
海外のメディアとの差がかなりあるのは、読んでいてわかりますが、飛行機で上空通る時に原発事故前と今ではやはり体にうける影響はかわってきてるのでしょうか?
だんだん日本のメディアではとりあげなくなってきてますが、いかがなものでしょか?私自身も検査技師で病院に勤めてますが、なかなか説得する説明が出来ないのでお力頂ければと思いメールしました。
よろしくおねがいします。
私は、ご主人に賛成です。もちろん、定量的な分析はありません。雪も心配です。あえて危険を冒して、旅行する必要はないと思います。
大丈夫でしょうか。
大丈夫かどうかは補償できませんが、放射能とともに生きていくしかないのです。我々は。飛行機自体の線量自体は高くありませんので、旅行によって被曝が増加することは考えなくていいと思います。
いつも貴重な記事ありがとうございます!院長先生の記事を読み、少しでも放射能の影響を少なくするよう勉強しています。
先日、3/30にシアトル=成田間を往復しました。Radexの計測器を持参したのですが、離陸後すぐアラームが止まらなくなりよく見たところ、計測機を見てみると、なんと2.85μシーベルト(!)でした。その後、1.70-2.50μシーベルトの間を行ったりきたり。離陸後5時間以上、ベーリング海峡沖をすぎアメリカに大陸に近づくまで、ずっと1μシーベルト以上でした。恐ろしくなりました。
乗った飛行機はAir Canadaでしたが、通常ならまっすぐアメリカ大陸方向に向かうのですが、成田上空で飛行通路を変更していることにも気がつきました。成田から離陸した後、直接東に向かうのではなく、一旦南方に飛行して海に出た後、その後東に進路を変更していました。成田に向かうときは、福島・宮城沖500マイル以上前から進路を南に変更し、その後南から成田に向かう進路をとっていました。やはり、航空会社は線量の高さを知っていて、遠回りしてでも、できるだけ高濃度のところは避けているのでしょうか?
国内線でも結構線量が高いです。3月下旬に羽田=鳥取間を飛行機で旅行しましたが、一番高いところでは1.75μシーベルトでした。やはり国内線でも1μシーベルト以上です。
最初は「飛行機内の線量は高いからこんなもんだろう」と思っていたのですが、バンクーバーからシアトル間を飛行したので線量を計測してみると、一番高度が高いところ(雲の上)でも0.2μシーベルトが最高でした。
そう考えると、国内線も成田上空を通る国際線とも線量がものすごく高いといえそうです。最近、飛行機にのるとしばらく体が異常にだるくなるのは線量のせいなのかと思ってしまいます。
ちなみに足元1メートルの空間線量も図ってきました。シアトルと東京で比較すると、
シアトル:
室内0.07μシーベルト
屋外0.10-0.13μシーベルト
東京(六本木):
室内0.15μシーベルト
屋外0.2-0.3μシーベルト
シアトルは50キロ先に広島長崎の原爆をつくったHamford原子力研究所があるので全米でも線量が比較的高いといわれていますが、東京はシアトルの線量の倍でした。
また飛行機にのったら線量を計ってレポートします!
PS:ちなみに先日日本を旅行したアメリカ人の友人は、日本旅行後、乾いた咳がでて肺炎のようになり病院にいったそうです。日本を旅行したアメリカ人の多くが同じ症状をうったえているのは偶然でしょうか?
King 5 News Seattle
http://www.king5.com/home/Alaska-Airlines-Flight-Attendants--150127485.ht
ABC
http://abcnews.go.com/blogs/lifestyle/2012/05/rashes-hair-loss-caused-by-flight-attendant-uniforms/
機内の線量3μsv毎時として、一日3時間のフライト往復、一ヶ月20日働くとすると、年間被爆量は、
3μsv x 6時間 x 20日 x 12ヶ月 = 4,320μシーベルトですが・・・
だ、大丈夫なんでしょうか?
従業員の方の健康が心配されます。