2011年07月27日

IAEA天野氏、1Fに観光旅行?

ビデオで見る天野IAEA事務局長の福島第1原発視察 Reuters
福島第1原発を訪れた天野IAEA事務局長(25日) 国際原子力機関(IAEA)の天野之弥事務局長は25日、背中にマジックで大きく名前が書かれた白い防護服姿で、初めて福島第1原子力発電所を視察した。

この際のビデオが2本、動画配信サイト「YouTube」にアップされた。そのうちの1本では、原発の作業員らが順繰りに放射線のチェックを受けている様子をバックに、天野氏が今回の訪問についてのインタビューに答えている。

インタビューで、天野氏は、「3月に東京に来たとき福島第1訪問を希望したが、事情が許さなかった」「ロードマップの第1ステップが達成されたので、訪問のいいタイミングだと思った」などと英語で語った。批判が強いロードマップだが、天野氏は政府の見解に沿って、冷温停止を今後6カ月以内に達成するというロードマップの目標は現実的だとの見解を示した

もう1本のビデオでは、天野氏が福島第1原発の吉田昌郎所長から危機管理センターで説明を受けた後、防護服とマスクに身を固め、東京電力の社員とともに構内の視察に向かう姿が映っている。

一行の中の1人が「400マイクロシーベルト」と放射線の線量を叫ぶ。歯医者でX線検査をしたぐらいの線量だ。

施設内の建物や津波によってがれきと化した設備などについての吉田所長の説明を、天野氏は黙ってうなずきながら聞いていた。

海岸沿いの道路のねじれたガードレールやひっくり返った車は、道路脇に寄せられているが、5月のIAEA調査団の来日のときとほとんど変わらない景色だった。

体育館に戻り、天野氏は、防護服を脱ぎ、作業員にとっては、この4カ月慣例になった放射線チェックを受けた。

26日、天野氏は東京で菅直人首相と会談し、原発事故を収束させるため、今後もIAEAとして協力していく方針を表明した。共同通信によると、会談後、同氏は記者団に、IAEAは除染や核燃料棒の取り出しなどについてのさまざまな専門知識を提供してきたことを強調した。


 まず、この事務局長の天野氏、前職は外交官。2009年に選挙でIAEA事務局長と選ばれています。

IAEAとしての権威はありますが、事務局長になるまで原子力に関する実務経験は全くありません。この方がなんと話しても、それはだれかの言葉の代弁に過ぎません。そこは、しっかりと押さえておく必要があります。従って、上記で述べたようなリップサービスが平気でできるわけ。もう、権威だけもたれた方の視察ではなく、本当の専門家にいってもらうべきだと思うのは、私だけでしょうか。(この対応は、中国の列車事故と全く同じです。)

さて、ビデオがYoutubeで公開されていますので、それを少し解説してみます。(本来、このマップは東電が公表すべきです)


まず、全体のルート。私は福島第一原発内部を歩いたことはほとんどありませんので、不確かな部分があります。地図と、画像を比較して、おそらくこのあたりだろうとルートを書いています。(クリックで拡大)
2011072708.jpg


サーベイマップ上のルート(クリックで拡大)
2011072709.jpg

動画上、2回線量が出てくる・・400マイクロシーベルトと 88.3マイクロシーベルト・・サーベイマップ上でみますと、代替妥当な線量です。6月下旬から、ほとんど変化ないことがよくわかります。
最後バスを降りる場面は、J−ビレッジと思われる

・IAEA専用の印刷された防護服がある。
・人海戦術で、扉の開閉をしている。
・400マイクロシーベルト付近で説明しているのは、小森安定化センター所長
・顔見知りの方を何人かみかけた。一人は、タービン班の副長だった方。
・IAEA事務局長が表面検査をはかっているとき奥にいるのは、小森所長
・以前青山繁晴氏が視察したときよりも、はるかに建物の遠くから視察している。(この時より、ガレキ撤去が進んでいる)

下記と比較してください。

福島第一原発 内部映像:青山繁晴 from Egg Rice on Vimeo.



2011.7.29上記ビデオは、すっかり消えてしまっています。
みられたくないビデオと思われます。下記ビデオをどうぞ。





 IAEAの事務局長が視察に行ったこと以上の意味はありませんでした。

■関連ブログ
福島第一安定化センター所長2011.7.2
IAEAの報告書とスポンサー2011.6.1
1F-3号機(極秘写真の解説)・ぷちおすすめ2011.5.13
posted by いんちょう at 15:55| Comment(1) | 原子力
この記事へのコメント
IAEAの天野事務局長は、東京大学法学部卒だが教養学部理科ニ類にも二年間在籍している。また、外務省では、原子力課長や軍縮不拡散・科学部長などのポストを歴任するなど、省内きっての原子力通と思われる。なので、「事務局長になるまで原子力に関する実務経験は全くありません」というのは全くの事実誤認というか、調査不足。そういう前提で書かれた記事そのものの信頼性が疑われてしまう。
Posted by おせっかい おやじ at 2015年06月29日 16:36
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