2011年08月02日

10シーベルト超/時の放射線量(原爆爆心地並み)

1万ミリシーベルト超の放射線量8月1日 21時4分
東京電力福島第一原子力発電所の、1号機と2号機の原子炉建屋の間にある屋外の排気筒付近で、1日午後、これまでで最も高い、1時間当たり1万ミリシーベルトを超える放射線量が計測されました。東京電力は付近を立ち入り禁止にして原因を調べています。
東京電力によりますと、1万ミリシーベルトを超える極めて高い放射線量が計測されたのは、1号機と2号機の原子炉建屋の間にある排気筒の底を通る配管付近で、1日午後、東京電力の社員が棒の先に付けた線量計で測定したところ分かりました。この場所は、先月31日、特殊なカメラを使った観測で高い放射線量が出ていることが分かったことから、1日、改めて詳細な計測を行ったということで、東京電力は付近を立ち入り禁止にしました。また、計測した作業員が、最大で4ミリシーベルトの被ばくをしたということです。福島第一原発でこれまで計測された最も高い放射線量は、▽屋外では3号機の南側で見つかったがれきからで、1時間当たり1000ミリシーベルト、▽屋内では1号機の原子炉建屋の中の1時間当たり4000ミリシーベルトで、今回はそれらを上回っています。東京電力によりますと、今回、極めて高い放射線量が見つかった配管は、地震の翌日の3月12日に、1号機でベントと呼ばれる外部に放射性物質を放出した際に使用したもので、その際に高濃度の放射性物質が付着したのではないかとみて調べています。また、東京電力によりますと、この付近で今のところ復旧作業を行う予定はないほか、1号機を覆うカバーの設置も遠隔作業で行うため、影響はないとしています。
 
2011080201.jpg

 重要なこと
・事故から5ヶ月たってからの発表
・1万ミリシーベルト = 10,000mSv = 10Sv(シーベルト) 以上
・棒の先(一体どれだけの長さでしょうか?)につけた線量計で計測

 10Sv以上ですから、実際にはどれだけ数値なのかは、神のみぞ知る領域。10Sv以上の数値を測定できる機器がそもそもあるのか?といった話です。
 当初の発表は1000mSv以上ということが多かったわけですから、あわてて10Svまで測定できる機器を取りそろえたのでしょうが、それすらメーターが振り切れる事態に直面しており、一番驚いているのは東京電力。

いったい、この10Svという値、どれほどのものでしょうか。

よく見かける放射線量を比較する図表は、一番上が、10,000ミリシーベルト=10シーベルト。
全く役に立ちません。(放射線をいくら多く見積もっても、平時に考えられるのはこの程度なのです)
2011080202.jpg


人類が発明した最凶の放射能兵器−原爆−しか匹敵するものはなさそうです。

私のブログから、数値を取り出します(元は、新聞報道)こんな数値が役に立つことになろうとは・・
(参考に該当箇所の新聞報道を貼り付けます。追記に文字起こししています。)
2011080203.jpg

<広島の場合>
103Sv   原爆爆心地
11.1Sv  700メートル
6.85Sv   800メートル

<長崎の場合>
8.88Sv 爆心地から1000メートル

すなわち、10Sv以上が測定された場所に1時間いますと、広島原爆爆心地700m以内にいたのと同じだけの線量を浴びることになってしまうのです。(即死です)

配管の中に粉砕された燃料ペレットが多量にあり、臨界反応が起きている

あるいは
・配管回りのガレキの中に使用済燃料棒(ロッドそのもの)がある。
くらいか。

 東京電力は、セシウム2gでこの線量が出ると発表しました。たった2gでいくらでも人が殺せる物質が地球上に存在している・・・(しかもトンのオーダーで)戦慄が走ります。


5ヶ月たってこの線量・・世界中の専門家が本当に驚愕しているのは、想像に難くありません。

東電が写真を公開しました。追加します。(13:20)
2011080205.jpg
数メートルの距離。測定者は文字通り命がけ。茶色く変成しているのは、崩壊熱?

次は、ガンマカメラ?の映像。
2011080204.jpg
測定写真では、左上から撮影しているのでしょうか?
2カ所あります。

使用済燃料などのガレキではないことが分かります。だとすると、

・この部分で核分裂反応が起きている?
・核分裂を表す中性子線など発生?
・ダクトから放射性物質が大量に拡散されていないか?

直ちに調べる必要があります。

最後に、この1ヶ月ほど全く発表されなかったサーベイマップ
2011/03/23(最初のサーベイマップ)2011.8.3追記
2011080209.jpg

2011/07/31
2011080207.jpg

2011/08/01
2011080206.jpg

3/23のサーベイマップを見ますと、今回高線量だった部分は、110-130mSv/hrと測定してあります。それは、当初から高濃度汚染を東電は把握していた証拠ではないかと思われます(2011.8.3追記)

該当部分は雰囲気線量で1.4mSv/hr程度でした。この程度の線量と考えていた箇所から、信じられない高線量が検出されたとは、本当に驚きです。
 また、3号機の廻りが高濃度汚染エリアであることも明らかです。1号機周辺と全く異なります。

 まだまだ、隠された情報がこのサーベイマップにはありそうです。

■関連ブログ
JCO(4)・・原爆の被曝線量2011.6.21
つながってきた点と点(2号機 1000mSv/hr汚染水)2011.5.25
1000mSv/hrのがれき2011.5.22

米国のオークリッジ国立研究所が1966年にまとめた推定によると、原爆投下直後の広島のガンマ線の被曝量は、爆心地で103グレイで、これはシーベルトに換算するとほぼ103シーベルトに当たる。
 広島では換算値で爆心地から700メートルの場所で11.1シーベルト、800メートルで6.85シーベルトに当たる。
 また長崎の場合では、推定値8.88シーベルトだった爆心地から1000メートルでの被曝線量に相当することになる。

高放射線量検出、他の2か所からも…福島第一
高放射線量検出、他の2か所からも…福島第一
読売新聞 8月2日(火)20時59分配信

 東京電力福島第一原子力発電所1、2号機の原子炉建屋近くにある主排気筒の配管底部で過去最高の毎時10シーベルト(1万ミリ・シーベルト)を超える高い放射線量が検出された問題で、東京電力は2日、このほかに10シーベルトと5シーベルトを超える場所が新たに見つかったと発表した。
 毎時10シーベルトの放射線を人間が1時間全身に浴びると、ほぼ確実に死亡する。
 高線量の場所は、いずれも1号機の原子炉格納容器につながる配管が通っている。東電では、3月の炉心溶融(メルトダウン)に伴い格納容器内の蒸気を放出する「ベント」を実施した際、放射性物質が配管に付着し、現在も放射線を出し続けているとみている。
 毎時10シーベルトの放射線は、放射性セシウム約2グラムが出す量に相当するという。
 新たな毎時10シーベルトの場所は、放射線量を簡易測定できる「ガンマ線カメラ」による7月31日の撮影で見つかった。最初に毎時10シーベルトが確認された場所の近くで、地上10メートルの付近。さらに東電は2日、1号機の原子炉建屋2階に線量測定機能を持つロボット「パックボット」を入れ、ベントに使う配管付近で毎時5シーベルトを超える線量を記録した。
最終更新:8月2日(火)20時59分


たった2グラムでこの線量。私も知りませんでした。
タグ:1F
posted by いんちょう at 03:55| Comment(4) | 原子力
この記事へのコメント
「ガンマカメラ」?の写真をさっきたまたま時事ドットコムで見ていました。↓がその写真についていた説明です。


福島第1原子力発電所の1・2号機主排気筒根元付近を、放射線の強弱が分かる「ガンマカメラ」で撮影した画像。中央の赤い部分で過去最高の毎時10シーベルト以上の線量が測定された。右上の赤い部分は未調査(午後4時ごろ)(東京電力提供)(2011年07月31日) 【時事通信社】
Posted by misago hayhoe at 2011年08月04日 11:06
建屋内5Sv/hrの配管つながっていますね。・・確か発表していたと思います。

線量が高すぎて、もう計測することなどできないのでしょう。この排気筒も隔離する必要がありますが、そんなことなんてできない。

 しかし、住民は戻そうとしている。

明らかに矛盾してます。
Posted by いんちょう at 2011年08月04日 12:48
今まで気が付きませんでしたが、5月12日述べておられた、研修で見られたと言うビデオの英語版(多分オリジナル1991年制作)Youtubeにありました。画質も良く必見と思います。カナダの方がアップされています。溶けた燃料の写真がたくさん出てきます。福島もこんな感じなのでしょうか。
http://www.youtube.com/watch?v=V8r_lUKcM9A

Posted by koba at 2011年08月04日 18:41
紹介ありがとうございました。私が見たのは、1988年ですので、これより前。おそらく電力社内用ではないでしょうか。石棺を作るときの映像だったと思います。

 フクシマは一体どうなっているのでしょうね。God Knows.
Posted by いんちょう at 2011年08月04日 23:21
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。